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本日は、研究成果報告です
健康スポーツ学科の佐藤大輔講師らが行った研究が、米国の科学雑誌「PLOS ONE」(電子版)に掲載されることが決まりました
佐藤大輔講師らは、これまで「運動による認知機能・身体機能への影響」や「水中環境における大脳皮質感覚運動野の活動」について研究を行ってきました
今回の研究は、水の流れ(流水刺激)を全身に呈示した場合に、大脳皮質一次運動野の興奮性がどのように変化するかを調べた内容となります
タイトル: Whole-body water flow stimulation to the lower limbs modulates excitability of primary motor cortical regions innervating the hands: A transcranial magnetic stimulation study.
著者:Sato D, Yamashiro K, Onishi H, Baba Y, Nakazawa S, Shimoyama Y, Maruyama A.
水に入るということは、心臓の働きや肺の働きを変化させます
近年、それと同時に、脳の活動も変化することが分かってきました
これまでの研究において、水に入ることは、大脳皮質の一次体性感覚野、後頭頂葉の興奮性を変化させることが分かっています
一方、運動を司る脳領域である「一次運動野」の興奮性へは影響しないことが示されていました
本研究では、水に入るだけではなく、水の流れを人工的に作り出すことで流水刺激を体に呈示することで「一次運動野」の興奮性が変化するかどうかを検証しました
その結果、15分間の流水刺激呈示によって大脳皮質脊髄路興奮性の増大および皮質内抑制の減少が認められました
このことは、水の流れを用いることで、運動遂行に重要な「一次運動野」の興奮性を高めることができることを示唆しています
今回用いた流水は、流速0.8~1.0m/secであり,被験者の感想としては、「とても心地よい」ものでした
本研究の結果は、全身性の流水刺激を水中でのリハビリテーションの一つとして、活用できる可能性を示唆しています
健康スポーツ学科では今後も研究に力を入れていきます
研究に興味がある学生はぜひ声をかけてください