2018年9月7日(金)~同年9月9日(日)まで、福井県で日本体力医学会大会が開催されました。
日本体力医学会は、体力、スポーツ医科学に関わる人が集う学会です。
医者も参加するような学会なんです。
そのような学会において、健康スポーツ学科から佐藤大輔先生、越中敬一先生、佐藤晶子先生、山﨑雄大君(博士課程2年)、中野沙紀さん(修士課程2年)佐々木悠介君(修士課程2年)の5名が発表を行いました。
今週、佐藤晶子先生、山﨑雄大君、中野沙紀さん、佐々木悠介君からの報告を順に紹介します。
まずは、佐藤晶子先生です。
以下、佐藤晶子先生からの報告です。
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今回、私は日本体力医学会にて「短期的なチアミン欠乏食の摂取が異なる様式の運動時に骨格筋糖代謝に及ぼす影響」というタイトルで口頭発表をさせていただきました。
チアミンというのはビタミンB1の化学名で、エネルギー代謝、とくに糖代謝において重要な役割を果たしているため、多くのエネルギーを消費する競技選手にとって重要と考えられてきました。
しかし、競技選手は合宿や遠征時などチアミンを短期的に摂取できない場合があります。このとき、競技パフォーマンスに影響するかどうかはよくわかっていません。
今回の動物実験では、短期間であればおそらく運動時のパフォーマンスを顕著に低下させることはないと考えられました。
しかし、運動時ではなく安静時のエネルギー代謝に影響を及ぼすようなデータも得られ、今後さらに検証が必要です。
学会発表は研究の途中経過を示す場であると考えています。
ここで発表した内容をさらに発展させ、スポーツの現場に役立つ知見を見つけていきたいと思います。
佐藤晶子先生
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佐藤晶子先生の専門はスポーツ栄養学です。
そのため、佐藤先生の研究では「スポーツ」「栄養」がキーワードになります。
みなさんもご存知だと思いますが、私たち人間が身体を動かするためにはエネルギーが必要になります。
そして、その主なエネルギーは糖質です。
ちなみに、お米やパン、砂糖などに糖質がたくさん含まれています。
糖代謝という聞きなれない言葉がでると「?」が出て来るかもしれませんね。
簡単に言えば、糖代謝とは、糖を体で使うことです。
車を走らせる際にガソリンが必要となるように、私たち人間もエネルギー(糖)が必要になります。
そして、その際にビタミンB1があるとより効果的に糖を体で使うことができるのです。
しかし、合宿や遠征の際に、必ず十分な栄養を摂ることができるとは限りません。
特に、海外で合宿や遠征を実施する場合、日本にいる時と同じように栄養を摂る(慣れた食事をする)ことができるとはいえません。
「その際に、パフォーマンスはどうなるのか?」ということを明らかにすることによって、合宿や遠征の質を高めることができます。
今回の佐藤先生の研究は、そのようなことに生かすための研究だと思ってもらえればいいと思います。
また、佐藤先生の研究では動物実験が行われましたが、「人間で実験しないの?」と思った人もいるかもしれません。
最終的には人間に応用することになるんですが、「倫理」の問題もあり、人間で実験できることとできないことがあるんです。
とはいいつつも、もちろん、動物愛護の観点から動物実験も慎重に行われています。
小さな実験の積み重ねがスポーツ現場に有益な知見を与え、スポーツ選手の能力向上につながっているんです。
今後、佐藤先生の研究がより深められることによって、多くの日本人アスリートが活躍する日が来るかもしれません。
「試合前にはどんな物をどれだけ食べればいいのか」「普段の生活の中で、どんな物を食べると体調を整えられるのか」といったことに関して、テレビや雑誌などで情報がたくさん出回っています。
しかし、一歩踏み込んで、「深く」そして「正しく」栄養について知りたい人がいれば、ぜひ、佐藤晶子先生のところへ行ってみてください!!
佐藤晶子先生のプロフィール
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sato_a.html
佐藤晶子先生のゼミ活動
http://nuhw.blog-niigata.net/hs/2018/09/03/
健康スポーツ学科
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/