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2012年11月20日 (火)

国際福祉論(その2)

みなさんこんにちはhappy01

先日、『国際福祉論』という授業のご紹介をしました。

今月もその授業で、外部講師をお招きしての公開講座がありましたので、ご紹介したいと思います。

お話くださったのは、ケニアで児童養護施設の院長をされている、菊本照子さんです。

菊本さんは、昭和56年にケニアの日本大使館に勤務。翌年からストリートチルドレンの支援と救済活動を始め、昭和59年に「セイブ・ザ・チルドレン・センター(SCC)」を設立、昭和62年に、児童養護施設「マトマイニ・チルドレンズ・ホーム(希望の家)」を設立し、現在も院長を務めていらっしゃいます。長年、ケニアで保護教育と生活自立支援に尽力したとして、平成19年には吉川英治文化賞を受賞されました(講師プロフィールより)。

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(菊本先生。最初に「ジャンボpaper」と、スワヒリ語でごあいさつくださいましたnote

菊本さんのお話では、ケニアは貧富の差が激しく、人口の半分以上がスラム街に住んでいます。スラム街はゴミだらけで、水道も電気もトイレもかまどもない、雨風をしのげるだけの小屋のような家が密集し、一つ一つの小さな家の中には何家族もが同居する、そんな場所です。

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(菊本さんのブログより、許可を得て拝借したスラム街の写真です)

そこでは1日1ドルを稼ぐのがやっとで食事もままならず、収入のために犯罪に手を染める人も多いそうです。そんな、衛生的にも栄養的にも環境的にも悪い場所で、子どもたちが路頭に迷ってしまうのは想像に難くないですね。

でも菊本さんは、彼らには教育がないだけで、才能の原石はたくさんあると感じるそうです。そんなひどい環境の中でもみんな頑張っているから、支援をしていてかえって子どもたちから元気をもらい、励まされるとおっしゃっていました。

菊本さんのホームでは、政府の児童局から裁判所の手続きを経てやってきた子どもたちが暮らしています。みな朝早く起きてホームの掃除をし、学校に行き、帰ってくれば畑仕事をし…と自律的に生活をし、立派な大人になっていきます。

でもホームではいちどに十数人の子どもしか育てられません。そこで菊本さんは、本来子どもたちが生活をする環境を整えること、つまり親が元気に安定的に仕事を出来るようにすることが、より多くのこどもたちの支援につながると考え、スラム街のお母さんたちの自立支援活動も行っています。生活のために犯罪まがいの仕事をするしかなかった母親たちに、ものづくりの技術を教え、10年試行錯誤をし、現在では現地で育てている羊毛を使った工芸品(ぬいぐるみ)がヒット作になりました。

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( 無理やりズームしたのでちょっとぼやけていますsweat02。ストラップのシマウマはバナナの皮でできているそう)

菊本さんたちは資金の支援はせずに、マーケティングやデザインなどを手伝うだけ。従業員の給与等、施設の運営は作ったものを売った利益でまかなわれています。現地の観光ホテルのおみやげ屋さんだけでなく、海外からも注文が殺到して、みな、休む間もなく一生懸命働いているそうです。

写真で見せていただいた、ホームの子どもたちも、ものづくりの場所で働く大人たちも、みんな生き生きした目をして、楽しそうに笑っているのが、とても印象的でした。

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(菊本さんのブログより。ものづくり工房のひとびと)

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(菊本さんのブログより。ホームのこどもたち)

子どもをホームで育てることも、住民にものづくりを教えることも、その人たちがその後ずっと生活をしていける、運営を続けていけるようにすることが大切なのだと菊本さんはおっしゃってしました。最近ところどころで耳にする、「サステイナブル(持続可能な)」という考えかたですね。

講演の最後に、聴講していた学生から、講演に対するお礼や感想が述べられましたが、みんな、本当に深く感銘を受けていました。これまであまりなじみがなかったケニアのことを知り、考える機会を得ました。それは、海外の特別なことだけでなく、広く“支援”について考えることにもつながっていると思います。

講演の後、別室に移動し、座談会も開催されました。

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そこでは少しくだけた雰囲気で、学生からはケニアの若者について質問がされました。

ケニアの若者の間では、ビートのきいた音楽が流行し、彼らはファッションにも敏感で、地域レベルのファッションショーが頻繁に開催されているそうです。また携帯電話も流行していて、比較的貧しいとされるマサイ族の人たちも、スマートフォンをよく使っているとのお話でした。でも、話題は、政治の話や、牛がどうの…ということらしいので、そこは日本とは違いますねbleah

講義、座談会を通して、本当にたくさんの貴重なお話を聞かせていただきました。

菊本先生、遠いところを、「アサンテ・サーナ(どうもありがとうございました)sign03

(あ)

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