日本体育学会発表(運動生理学領域シンポジウム) ~佐藤大輔先生~

 

 

2018年8月24日(金)から同年8月26日(日)まで、徳島県で日本体育学会が開催されました。

 

 

日本体育学会は、国内において体育、スポーツに関する最も大きな学会です。

そのため、国内の体育、スポーツに関する多くの研究者や大学院生が集まり、研究発表を行います。

そして、発表された研究に関して議論や意見交換が行われます。

 

また、日本体育学会は大きな学会(研究者の集いの場)であるため、各専門領域にわけられています。

 

研究者には、それぞれ専門性があります。

たとえば、今回紹介する佐藤大輔先生ならば「健康体力学」「運動生理学」といった学問が専門分野になります。

 

体育ないしスポーツに関する研究と言っても、それらを研究対象とする場合には各学問に足場をおいて研究を進めることになります。

「何を明らかにしたいか」によって依って立つ場所が変わるのです。

だから、各領域にわけられることで、より専門性の高い議論が繰り広げられるようになっているのです。

 

 

今回、健康スポーツ学科から佐藤敏郎先生(専門分野:健康科学)、佐藤大輔先生(専門分野:健康体力学、運動生理学)、杉崎弘周先生(学校保健、保健科教育)、若井由梨先生(専門分野:ダンス教育、ダンスコーチング)、山本悦史先生(スポーツマネジメント)、大学院生の本間翔太郎君(修士課程2年)と石田航君(修士課程2年)の7名が、日本体育学会で発表を行いました。

 

そこで、今週から2週にわけて、各先生ならびに各大学院生の研究発表をブログに掲載していきます。

 

まずは、運動生理学領域のシンポジストとして発表を行った佐藤大輔先生の発表内容を紹介します。

 

以下、佐藤大輔先生からの報告です。

 

 

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スポーツ神経生理学Labに所属する私は、日本体育学会運動生理学領域のシンポジウム、「異分野の掛け合わせで運動生理学研究の未来を拓く-低酸素 × 寒冷 × 水中 = トレーニング効果増進?-」にて、シンポジストの一人として下記の研究発表を行いました。

 

発表タイトル:

「水」によって生じる中枢神経活動とトレーニングへの応用可能性

今回のシンポジウムは、「低酸素・寒冷・水中環境といった特殊環境を用いることで、通常のトレーニング効果を高められるか?」というテーマで進められました。

 

その中で、私は、「運動の練習前に15分間、水に浸かることで、練習による運動技能の定着を促進できる!」という研究結果を紹介しました。

 

リハビリテーションや技術トレーニングの現場では、トレーニングによって期待する効果を得られる人もいれば、なかなか効果を得られない人がいます。

今回の研究結果は、そのような問題を解決する手立てになる可能性があります。

 

※運動技能の定着とは、簡単にいえば、安定して運動ができるようになることです。

当たり前ですが、健康な人たちは苦も無く歩くことができます。

このような状態は、まさに「歩く」という運動(運動技能)が定着している証拠です。

しかし、たとえば麻痺などでうまく歩くことができなくなってしまった場合、豊かな日常生活を送るために、再度、「歩く」という運動(運動技能)を定着させる(苦も無く歩けるようにさせる)必要があります。

このように、リハビリテーションの現場でも運動学習が問題になっているのです。

 

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写真奥でマイクを持っているのが佐藤大輔先生

 

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以前、いきいき放送局では佐藤先生の研究を紹介しました。

学会参加報告 ~佐藤大輔 先生~(クリック)

SHAIN プロジェクト キックオフ・シンポジウム 健康スポーツ学科のシンポジスト紹介(クリック)

 

 

佐藤先生の研究のキーワードは「水」「脳」「運動技能」です。

 

 

今回の発表にあるように、運動前に15分間水に浸かることで運動技能の定着が促進されるのであれば、リハビリテーション現場において有効な運動学習方法(運動を覚える、あるいは運動を覚え直す方法)となります。

 

佐藤先生の研究では、実験を繰り返すことによって、運動学習の有効性を検証しています。

実験のデータが蓄積され、研究成果が積み重なることで、リハビリテーション現場における新たな運動学習方法が構築されることが期待されます。

 

また、その方法は競技スポーツ現場にも生かされる可能性があります。

つまり、水に浸かってから運動学習(練習)を行うことで、新たな動きを効率的かつ効果的に覚えることが可能になると考えられます。

 

スポーツ、運動を行っている人は、「どうすれば新しい動きを覚えられるのか」「どうすればもっとうまくなるのか」といったことを考えているはずです。

佐藤先生の研究を応用するならば、水に浸かってから、たとえば投球練習をすると新たな球種を効率的かつ効果的に覚えられるかもしれません。

 

もちろん、いろんな課題はありますが、地道な実験・検証を行うことによって、これを立証することができるかもしれません。

 

このようなことに、みなさんは興味ありませんか?

 

 

 

研究は地道な作業を繰り返すことによって、少しずつ成果を上げ、それが社会に還元されていきます。

 

普段、大学教員は学生に対して自身の専門とする学問を教えながら研究を進めることで、社会を発展させようと努めています。

 

意外と学生にも知られていないことですが、学生が夏休みの間、大学教員は学会を通して自身の研究を世の中に発信したり、研究を推し進めたり、次の学期に向けて入念に授業準備をしたりしています。

 

健康スポーツ学科の教員(研究者)は、研究、教育、社会貢献に力を入れているのです。

 

だから、「スポーツ」「健康」「教育」「運動」に関して興味・関心がある人は、ぜひ、健康スポーツ学科の教員と「おもしろい研究」をしましょう!!

 

そして、「水」「脳」「運動技能」に興味・関心がある人は、ぜひ、佐藤大輔先生の所属するスポーツ神経生理学Labに来てください!!

 

 

 

佐藤大輔先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sato_d.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/