「疎開した40万冊の図書」
1ヶ月前のことで恐縮ですが、新潟市中央図書館ほんぽーとの
上映会に行ってきました。
上映作品は
「疎開した40万冊の図書」
(2013年作品)
http://www.niigatacitylib.jp/gyoji/kakukan_gyoji/01chuo/20140727cinema_omote.pdf
関係本はこちら
第二次世界大戦中、東京の日比谷図書館では戦禍を逃れるために
約40万冊の図書を東京郊外へ疎開させました。
この作品は当時の図書館関係者や、蔵書を運ぶために動員された学生、
自宅の土蔵に蔵書を保管した住民のインタビューを交えたドキュメンタリー
映画です。
当時の中田邦造館長は民間蒐集家の貴重な蔵書が焼失するのを危惧し、
それらも買い上げて疎開させました。その中には柳田国男もいたとか。
戦時中の人出不足のため動員された高校生や職員は、リュックにつめて
電車を乗り継いで移動したり、大八車に積んで徒歩で移動するなどして
奥多摩や埼玉の疎開先まで蔵書を運びました。
その結果約40万冊の図書が無事でしたが、利用者のために図書館に残した
蔵書約21万冊は1945年5月の空襲で焼失してしまいました。
もっと早くに疎開させておけばと中田館長は悔やんだそうですが、蔵書の疎開と
戦時中でも利用者へ本を提供すること、どちらも重大な決断だったと思います。
映画の中では東日本大震災後の福島県飯館村や、宮城県陸前高田市の図書館
も取り上げてられています。
またイラク戦争中、戦禍から本を守ったバスラの女性図書館司書のインタビュー
もありました。
関係本はこちら
本が失われるのはつらいことです
図書館の蔵書や文化財が後世まで残る世の中が続くことを願う作品でした。
(な)