ヒューマンライブラリー
今回は、現在図書館1階の企画コーナーに展示している
「ヒューマンライブラリー特集」を紹介したいと思います
「ヒューマンライブラリー(Human Library)」とは、社会において誤解や
偏見、差別を受けやすい人(例えば障害や疾病、依存症や、ホームレスや
ニート、不登校、性的なマイノリティ、移民・難民、ユニークフェイス、
様々な宗教の信者etc )を「本」として招き、「読者」となる人が「本」との
”対話”を通して自分の固定観念に気づいたり、新たな視点を持つことで、
多様な在り方に対して開かれた社会の実現を目指す試みのことです。
2000年にデンマークのNGO「Stop The Violence」により、ロックフェス
ティバルの一企画として開催されたのが始まりで、このNGOは
“現在世界で起きている暴力行為や武力侵略は、人々がお互いのことを
理解し合っていないから”という思いのもと、5人の若者たちによって結成
されました。
その後欧米を中心に世界各国で開催され、日本でも大学やNPO法人など、
多様な団体や個人が開催しています。
この取り組みは”人間図書館”、“生きている図書館”などとも呼ばれ、語り手を
「本(生きている本)」、聴き手を「読者」、本と読者をつなぐ主催者(スタッフ)を
「司書」と呼んでいます。
『ココロのバリアを溶かす:ヒューマンライブラリー事始(ことはじ)め』参照。
実は本学でも、この「ヒューマンライブラリー」を、今年の【伍桃祭】(10/12)で
開催する準備が進んでいます
健康スポーツ学科の佐藤裕紀先生と学生有志が中心となって行います。
現在はこの“生きている図書館”を一緒に企画し、「本」との交渉や当日の
運営を担ってくれるスタッフ(司書)を募集中とのことです。
参加されたい方は是非佐藤先生に問い合わせをしてください。
さて、「ヒューマンライブラリー」の「司書」は主催者であり編集者、「本」を守り、
「本」と「読者」をつなぐ重要な役割を担いますが、まず語り手である「本」の
一番の理解者になる人です。
本学は保健・医療・福祉・スポーツのプロフェッショナル、
優れたQOLサポーターを育成する大学です。
本学の学生であることが、「本」の方に参加して頂く際の安心につながれば、
とても素敵なことですね
当日、「読者」として参加することも貴重な体験になると思います。
今回の特集企画を通してたくさんの方に興味を持ってもらえたら嬉しいです
(※図書はブクログで紹介しています)
並べている図書は「ヒューマンライブラリー」に関連する一部でしかありません。
他の図書をOPACで検索してみたり、インターネットを活用して自分なりに
知識を深めるなどしてください。
蛇足ですが、
日本図書館協会で定められている図書館員の倫理綱領の中に、
“図書館員は利用者を差別をしない”というものがあります。
”利用者をその国籍、信条、性別、年齢等によって差別してはならない”、
など図書館員の利用者に対する責任を明確にしたものです。
今回、「ヒューマンライブラリー」という取り組みを筆者も初めて知りましたが、
図書館や図書館員の在り方と共通するものがあり、とても共感できました。
「本」との”出会い”と”対話”は、私たちの何を変えてゆくのでしょうか。
図書館も一緒に学んでいきたいと思います
(さ)