学術機関リポジトリ①
みなさんは「学術機関リポジトリ」という言葉を聞いたことがありますか?
「リポジトリ」には“倉庫・収納庫・宝庫”、または“メタデータを集積したデータベース”という
意味があります。
そこから、「学術機関リポジトリ(以下IR:Institutional Repository)」とは・・・
「大学等の研究機関が、その知的生産物を電子的形態で集積し、保存し、無料で公開する
ために設置する電子アーカイブシステム」
のことを言います。
実はこのIR、大学界ではちょっとしたブームなんです。
世界中には1,300もの、また日本国内においても84機関がこのIRを持っています。
ちなみに日本は世界ランキング第4位のIR大国。1位はアメリカ、2位イギリス、3位ドイツ。
5位はオーストラリアです。
でも、なぜ各大学をはじめとした学術機関がこのIRを必要としたのでしょうか?
いろんな説や表現方法が存在しますが、結構単純な図式で説明できます。
その兆候は1980年台から。世界経済がグローバル化され、ITによって情報の流れが加速化されてきた、、、そんな時代において、その種は産み落とされました。
学術論文の氾濫。学術出版社のM&A(企業の合併・買収)による寡占化。
雑誌価格の高騰。
雑誌講読キャンセル=多くの研究者の学術論文アクセスが困難に。
(これではいかん!)世界各地でオープンアクセス(OA)運動に展開。
OA運動の原則は、「そもそも世の中に生み出された科学研究をはじめとした学術研究成果は広く一般に公開し、活用すべし」というものです。
またその背後に「雑誌の投稿者である研究者自身が、その雑誌を購読できなくなっている現実、これはおかしい。自らの手に、その研究成果を取り戻そう」という考えも存在しました。
よってとられた行動は様々です。著者自らが自身のHP上で情報を発信したり、政府系のアーカイブが立ち上がったりもしました。
その中の一つとしてIRが存在します。
ではなぜIRがここまで盛んになったのか?その要因は?ですが・・・
はぁはぁ 息切れです。
IR興隆の要因、その効能、本学の動向などは次回以降にさせてください。 (ほ)