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2009年8月

2009年8月28日 (金)

図書館のし・ご・と 【蔵書点検】

この春から開始したブログですが、何とか4ヶ月超scissors
これもひとえに図書館利用者の皆さんが存在すればこそです。感謝だす!

ということで、固定客がいるかどうかは定かではありませんが、
もっと図書館を知ってもらい、協力し合って良い“館”にしましょうという思いから、
図書館員が常日頃行っている業務を紹介していくシリーズを始めます。

   図書館のし・ご・と  

1回目の本日は【蔵書点検】です。

ちなみに「蔵書整理」「蔵書点検」。言葉は近いですが、使い分けています。
前者は文字通り書架に並んでいる資料の整理・整頓のこと。
後者は書架に並んでいる資料の棚卸しのこと。

皆さんもお気づきかと思いますが、資料の貸出→返却→書架へのサイクルの中で、
棚は乱れに乱れています。貸出中ではない本が所定の場所で発見できず・・・なんて
のは日常茶飯事。こういった通常の書架の乱れを長期休業期間である、
夏・春2回の「蔵書整理」で一気に取り戻します。

「蔵書整理」は乱れた書架を主に請求記号順に並び直す作業です。
「蔵書点検」はそれにプラスして、“点検”を行います。
“点検”とはつまり、あるべきと資料が確かに存在しているかどうかの確認作業とで
もいえましょうか。

残念なことではありますが、理由もなく?“行方不明”の資料が存在するのですねweep

新聞などでも「○○市の財産、◎億円散逸。○○市立図書館の蔵書点検によって発覚」
なんて記事が出たりします。


「蔵書点検」の原理は簡単。
one貸出中ではなく、書架にあるべき資料を洗い出します=A。
twoハンディターミナルで書架にある資料のバーコード読み取り=B。
threeそうflair、そうしてこのAとBを比較するのです。

  もしAにあってBになければ→これは現物が無いということ=すわっ!!紛失か?sweat02

  もしBにあってAになければ→これは登録漏れか?sweat01

いずれにしてもアンマッチの理由を探らなければなりません。
実はこれが大変。「ないものはない」なりの対応が必要ですが、
これ以降の仕事はまた別の機会にお話します。


Cimg0325_2
ハンディターミナル(上)


実はその他に、閉館時だからこそ可能な作業も行います。
 ・通常の使用により痛んでしまった図書を引き抜き=買い替えの検討
 ・はがれそうなラベルの補強
 ・普段は掃除が行き届かない箇所に掃除  等々。

今年は8/31~9/4まで作業します。
この間休館しますが、図書館運用上必要な作業ということで、お許しください。
                             
Cimg0326_2
おまけ。ハンディ(裏)                                 (ほ)

2009年8月25日 (火)

夏休みの図書館

例年に比べ後ろにグッと、期間もビィッとなっていた定期試験も終了し、
お盆休みも過ぎ、本日などは館内がひどく静かです。

授業期間のある平日など相当程度に館内の人口密度は濃い本学。
これからしばらくは、少しその濃さが薄まり、集中して事に当りたい人などには
良い環境だろうと思います。

Cimg0320_3
試験期のある日(full


Cimg0321_4
試験期終了(empty


はい、図書館は夏季期間も夜の10時まで、土曜日も5時まで開館しています。
http://www.nuhw.ac.jp/~library/index.html

ただ、蔵書点検のため8/31~9/4までは閉館してますので、ご注意ください。

       
       ん、ところで「蔵書点検」って・・・いったい何sign02


ということで、シリーズ【図書館のし・ご・と】を始めます。
近々、ご紹介しますね。                         (ほ)

2009年8月 7日 (金)

注目作家

先日、勝手にナツ(夏)は読書だ!と申し上げましたが、何を根拠にと申しますと
基本インドア派の筆者は、30度を越す真夏日sunにエアコンをかけた部屋でソファに
寝そべり、惰眠を繰り返しながらの読書がお気に入りだからです。

筆者の読書法は同時並行的に数冊読み進めること。
よっぽどのものは一気読みを行いますが、そうそう多くないのが現実です。

しかし、つい先日、面白い作家発見しましたup一気ですbeer


「永遠の0(ゼロ)  」百田尚樹 講談社文庫


ゼロとはゼロ戦のこと。敗戦濃厚のなか天才だが臆病者といわれたパイロットで
ある祖父「宮部久蔵」の姿を追い求め、60年間封印されていた事実を孫の姉弟が
関係者にインタビューする形式で話が進みます。最初はそれほど真剣に取り組ん
でいなかった弟も、しまいにはのめりこみ、最後には驚愕の事実が。

「いのち」「家族」「絆」深く感じ考えさせられます。
読後感としては、よどみきった筆者の心をして静謐ならしめました。
一気(beerbeer・・・違うって)でした。


実は同じ著者の「ボックス!(太田出版)」も一気読みだったのを白状します。

著者の百田さん、まだそれほど多作ではないのですが、だからこそ今後も追いかけ
るのが楽しみな作家の出現、嬉しい限りです。

3月に刊行された「風の中のマリア(講談社)」も読みたくなってきました。
本日帰りに本屋さんに寄ってこ!               
                                             (ほ)

2009年8月 4日 (火)

情報検索講習会

先日、学内の先生を対象に情報検索講習会をさせていただきました。
こういった講習会は例年4~5月にかけて、卒業論文を控えた学部上級生や
大学院生向けに行っています。

ですが先生が対象となると、やはり緊張sweat01

また(賢明な皆さんはご存知のことかと思いますが・・)今年に入り、この1~2ヶ月
でもいくつかの新しい電子コンテンツを導入しました。

  • MAGAZINEPULS
  • Japanknowledge
  • 日経テレコン21
  • メディカルオンライン

そこで今回はデータベースなどの関連図を作成し、それを中心にお話させていた
だきました。
公開します。(「電子コンテンツ等概念図」downwardleft
http://www.nuhw.ac.jp/~library/support/09FD.xls

昨今、雑誌の記事を検索するなどの「二次資料」と、本文そのもの所謂「一次資
料」の境が不明確になってきました。また電子ジャーナル(EJ)とデータベース(DB)
も同様です。

例えばCiNIiなどは、同時に複数のDBを検索するのですがその中には、国立国会
図書館作成の雑誌記事索引(二次資料)とかNII-ELS(一次資料)が含まれます。
そうするとCiNiiは「どっちなの」という話です。

また、例えばメディカルオンラインは自身のHP上でこう謳っています。

「メディカルオンラインは、医学会誌・学術専門誌を統合し、文献検索、アブストラクト
閲覧、文献を全文提供する会員制の医学総合サイトです」
と。

筆者認識としては「EJ(一次資料)だろうよ」なのですが、「電子=デジタル」である
ということは、キーワードでの検索も可能という事でもあり、事実専門的な機関に
よる区分けではEJではなくDBとされています。

翻ってEJもデータベースの一種といってしまえばソウなのですが・・・
・・こんがらがりますねsign02

筆者得意の強引な要約によれば、
「EJもDBも電子コンテンツとして仲間だよ」と言いたい。

ICTの進化は電子コンテンツ間の違いを意識せずとも利用可能にしつつあります。
ただ検索の際には、その「出自」を知っておけば、自分に必要なものを取捨選択
できます。というのは、「これさえ検索しておけば万事OK」というツールは未だ存在
しないからです。

情報検索、一筋縄ではいきません。
だからこそ、upwardright「電子コンテンツ等概念図」、検索の際のお供に。       (ほ)