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2009年6月

2009年6月30日 (火)

横断検索

試験1ヶ月前。

図書館の利用が最も多い7月を目前にして、激しく書架が乱れています。どうか皆様のご協力を、お願います。
http://nuhw.blog-niigata.net/nuhwlibrary/2009/05/post-89a9.html


そんな、梅雨空rainに似た暗い雰囲気を明るくするような、前向きなsunお役立ち話を提供したいと思います。

ある日のカウンターにて・・・



virgo学生:「探している本が見当たらないんです」

cat職員:「そんなはずは・・・・・・・・・・・・そうですね。確かに貸出はされていませんね。
      では一緒に探してみましょう」
         :
         :
         :
cat職員:「見当たりませんね。。。。誰かが見ているのかしれませんヨ」

virgo学生「でも、ずーとないんです」

cat職員:「ホウ、そうであれば近辺の棚にまぎれている可能性が高いですね。
      うーん、職員全員で手分けして探しますがしますが。。。時間がか
      かるかもしれません」

virgo学生:「レポート作成に必要なんです!なんとかなりませんか!!」

cat職員:「では、本学の探索と同時平行で、近隣の図書館の所蔵を探してみましょう。
      良い方法がありますよsign01



upwardrightというようなシーンで役立つのが“横断検索”です。
                       (特に前振りはいりませんでしたね・・・)


読んで字のごとく、複数の図書館の所蔵を串刺し的に、一度で検索することを言います。
では何(どんな図書館)を“横断”するのか?ご紹介します。

one新潟県内大学図書館横断検索
県内21の大学図書館の検索が可能。
http://libopac.lib.juen.ac.jp/mutual/mutual.html

two新潟県内(公共)図書館横断検索
県内公共図書館を地域別に検索することが可能。
http://www.pref-lib.niigata.niigata.jp/ilisod/

three総合目録ネットワークシステム
全国の都道府県立図書館・政令市立中央図書館・国立国会図書館の所蔵する和図書を検索できるサービス。
http://unicanet.ndl.go.jp/psrch/redirect.jsp?type=psrch

fourNACSISWebcat
全国の大学図書館等が所蔵する図書・雑誌の検索が可能。
http://webcat.nii.ac.jp/


厳密には↑onetwoは“横断検索”、threefourは“総合目録”と言い、別ものですが、
「一度の検索で所蔵館を見つけることができる」という意味では同じです。


upwardrightのように、モノ探しを急いでいるときなどは特にお勧めsign03お試しください。  (ほ)         

2009年6月26日 (金)

陸上関連の小説

「最近読んだ本」の流れを汲んだ話題を一席。

コレも最近、公共図書館から借りて読みました。

   
   「チーム」
堂場瞬一著 実業之日本社 2008年


箱根駅伝の、それも母校としての出場を逃した学連選抜チームがメインの話です。

一度も箱根にチームを導くことのできなかった名匠、個人の記録以外に関心のない天才ランナー、個性あふれるチームをまとめようとする故障上がりのキャプテン。

周りは伝統も実績もある伝統校がズラリ。シード内の熾烈な戦いが予想される中、もちろん下馬評は低い。が、目指すは優勝。1回限りのチームは文字通り“こころ”の襷(たすき)もつなげることができるのか。。。

最後までハラハラとさせてくれる駅伝小説です。


Photo_4


そういえば、昨今、陸上を取り上げた小説をよく見かけます。例えば・・


  「Run! Run! Run!」   桂望実著 文藝春秋 2006年

  「風が強く吹いている」 三浦しをん著 新潮社 2006年

  「一瞬の風になれ(3冊セット)」 佐藤多佳子著 講談社 2007年

  「ランナー」 あさのあつこ著 幻冬舎 2007年 
 

懐かしいところでは・・ 

  「ららのいた夏」 川上健一著 集英社文庫 2002年


現在、マラソンブームだそうです。読めば、皆さんも走ってみたくなるかもgood

                                          (ほ)

2009年6月23日 (火)

大学生平均読書時間

「生活費に占める書籍費の構成比は減少を続けている」

出版ニュース5月上旬号の記載によると、大学生協が行った「学生の消費生活に関する実態調査」によって露(あらわ)になったとあります。

世界的な経済危機の影響が調査結果にも現れているとも。

その他の状況として

bell1ヶ月に購入した本の冊数は2006年から減少傾向は続き・・・
 pencil「勉学・研究」の平均が1.2冊
 pencil「勉学・研究以外」の平均が1.9冊
 pencil「雑誌」1.0冊

bell1日の平均読書時間は29.2分
 pencil自宅学生の32.2%は全く本を読んでいない

bell理系より文系の平均時間のほうが長い

bell下宿生1ヶ月の支出に占める書籍代の割合は2.0%
    (~ということは1ヶ月10万で暮らすとして、2,000円ということ・・・)

全国79の4年生国公私立大学の1万9,057人を対象としていますので、かなりの程度で今時の大学生の状況を現しているように思えます。

皆さんは、upwardright  それとも  downwardright

                                          (ほ)    

2009年6月18日 (木)

最近読んだ本

タイトルを見ただけで、「はて、ネタ不足ですね・・」と見抜いたアナタsign01

スルドシsign03


そうとは認めつつも最近読破した本から情報をsweat02
そして・・・シリーズにしますので、よろしくdash


え~、「森見登美彦」さんの本、結構読みます。

例えば、

「太陽の塔」 「四畳半神話大系」 「夜は短し歩けよ乙女」
「〈新釈〉走れメロス」 「美女と竹林」 「恋文の技術」
など


今回、刊行当時読み損ねていた「有頂天家族」を、公共図書館から借りて読みました。
勝手に三谷幸喜の「THE 有頂天ホテル」と中島京子の「平成大家族」を 足して2で割る ような想像をしており、騒がしいドタバタ物語かと思いきや・・・

イヤイヤ、タイプは違えど森見ワールド全快のドタバタものでした。

実は「タヌキ」「天狗」が主な登場人物。この「家族」は「タヌキ」の家族のことをさしております。

Photo_6

筆者、SFは若干苦手。小説とはいえあまり現実離れしたものは得意ではありません。
「森見登美彦」さんの他の小説でも、主に京都を舞台にしたある意味SFチックな物語もあり
ますが、これはどうも平気なようです。

「恋文の技術」でもソウなのですが、「真面目な文章なのに、バカバカしく、面白く、ホロっと」
というあたりが抜群にうまい。だからでしょうか、新作が出ればつい手にとってしまう作家の
一人です。

勝手なカテゴライズですが、京都の若手作家が今熱いgood

「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」の万城目学とともに注目作家です。

Photo_3

ちなみに本学図書館ではupwardleft「太陽の塔」を所蔵しています(1階文庫コーナー)。

日本ファンタジーノベル大賞受賞作、大学生が主人公の青春小説をぜひお試しあれ。 
                                                                                  (ほ)

2009年6月16日 (火)

OPACとAtoZの関係

新年度の図書館講習会(ガイダンス)もひと段落しました。

図書館サイドでは毎年・毎回のことですが、聴かれる利用者とは一期一会。

それぞれ全力をつくして説明しているつもりですが、うまくいかないこともしばしばshock

面目ないです・・sweat02

この「うまくいかない感」にはいくつか種類があるなぁ~とまでは感じ取っています。

その一つに話す図書館サイドでは「当たり前」のことが、利用者にとっては「全然当たり前」ではないこと。。。よくいうギャップ。

要は図書館の考えの甘さが原因ですねdown

冊子体と電子のジャーナルの検索
に関しては、その典型かもしれません。

整理しましょう!

雑誌の購読形態としては従来の冊子体=紙媒体と、ITの進化によって生み出された電子媒体(電子ジャーナルElectronic Journal 通称EJ)が存在します。

本学でも2つの媒体の雑誌を購入しています。

OPACで検索できるのは
  ・図書・冊子体の雑誌・視聴覚資料のタイトル
  ・雑誌の特集号

×OPACで検索できないのは
  ・雑誌や新聞の記事・見出し
  ・電子ジャーナルタイトル

本学で閲覧できる電子ジャーナルのタイトルを探すには、
EBSCOAtoZ(以下AtoZと略)を使用する必要があります

http://atoz.ebsco.com/titles.asp?Id=Niig99CA

Hp
upwardright図書館HPからアクセスできます


但し、過去に一度でも冊子体で購読していれば、現在は電子ジャーナルに購読媒体を変更したとしても、OPACからのリンクが付随しています。

いやいや、わかりにくいですね。簡単に行きましょうsign03

本学において雑誌のタイトルを探す場合・・

 OPACで検索できるのは冊子体
 AtoZで検索できるのは電子媒体


これが原則です。

Opac        Atoz_2
upwardright紙媒体の雑誌を検索するにはOPAC       upwardright電子ジャーナルを検索するにはAtoZ


よく利用する雑誌はどんな媒体で購読しているか?試してみてください。   (ほ)

2009年6月12日 (金)

学術機関リポジトリ②

前回に続きリポジトリについてです。

時代の要請として生まれでた学ジツ機関リポジトリ(IR)。

オープンアクセス(OA)運動の一手段としてのIRが興隆した要因は、日本政府(文部科学省)の方針と合致し、推進においては「補助金」が交付されたことが大きいといえます。

但し、国の方針だとしても、主体となる大学や学術団体における意味が薄ければ、普及するものではありません。ここにも少子高齢化やITの進化による大学・大学図書館を取り巻く環境の変化が、背景として存在します。

時代の要請(もちろん背景も含め)、各ステークホルダー(関係者)にとってのメリットが一致したのですねsign01

列挙しますと・・

 ○大学にとって
  one社会に対する説明責任の遂行
  two学内の研究成果物の一元的な保存=散逸の防止
  three大学活動のアピール

 ○研究者にとって
  four発表した学術論文等が世界中の研究者に読まれる=視認性の向上
  five世界中で発表された学術論文がGoogleなどで検索可能

 ○地域一般住民にとって
  six無償で学術的な研究成果物の利用が可能


今や世界には1,300のIRが存在し、国内の国立大学の整備率は75%にも及んでいます。


そしてこの流れは本学にもやってきましたsign03それが・・

  新潟県地域共同リポジトリ(仮称)
    Niigata Regional Repojitory:NiRR(ニール)


現在試験公開中 http://nirr.lib.niigata-u.ac.jp/

正式導入に向けて、関係部署や機関と鋭意調整を行っています。

NiRRの詳細については、正式導入が近づきましたらお話したいと思います。

まずはeye除いてみてください。               
                                 
   (ほ)

2009年6月 5日 (金)

学術機関リポジトリ①

みなさんは「学術機関リポジトリ」という言葉を聞いたことがありますか?

「リポジトリ」には“倉庫・収納庫・宝庫”、または“メタデータを集積したデータベース”という
意味があります。

そこから、「学術機関リポジトリ(以下IR:Institutional Repository)」とは・・・

「大学等の研究機関が、その知的生産物を電子的形態で集積し、保存し、無料で公開する
ために設置する電子アーカイブシステム」

のことを言います

実はこのIR、大学界ではちょっとしたブームなんです。

世界中には1,300もの、また日本国内においても84機関がこのIRを持っています。

ちなみに日本は世界ランキング第4位のIR大国。1位はアメリカ、2位イギリス、3位ドイツ。
5位はオーストラリアです。

でも、なぜ各大学をはじめとした学術機関がこのIRを必要としたのでしょうか?

いろんな説や表現方法が存在しますが、結構単純な図式で説明できます。

その兆候は1980年台から。世界経済がグローバル化され、ITによって情報の流れが加速化されてきた、、、そんな時代において、その種は産み落とされました。

 one学術論文の氾濫。学術出版社のM&A(企業の合併・買収)による寡占化。
        downwardleft
 two雑誌価格の高騰。
        downwardright
 three雑誌講読キャンセル=多くの研究者の学術論文アクセスが困難に。
        downwardleft
 four(これではいかん!)世界各地でオープンアクセス(OA)運動に展開。


OA運動の原則は、「そもそも世の中に生み出された科学研究をはじめとした学術研究成果は広く一般に公開し、活用すべし」というものです。

またその背後に「雑誌の投稿者である研究者自身が、その雑誌を購読できなくなっている現実、これはおかしい。自らの手に、その研究成果を取り戻そう」という考えも存在しました。

よってとられた行動は様々です。著者自らが自身のHP上で情報を発信したり、政府系のアーカイブが立ち上がったりもしました。

その中の一つとしてIRが存在します。

ではなぜIRがここまで盛んになったのか?その要因は?ですが・・・

    はぁはぁsweat01  息切れです。

IR興隆の要因、その効能、本学の動向などは次回以降にさせてください。        (ほ)

2009年6月 2日 (火)

出版事情

「出版年鑑2009年」がまもなく刊行される模様。

今年も、「書籍・雑誌ともに減少、出版業界の減少傾向に歯止めかからずrain」というフレーズが踊りそうです。

具体的な2008年の数字は、

総売上額 2兆1,272億9,189万円(前年比3.2%減)

内訳は書籍が9,541億605万円(同2.1%減)、雑誌は1兆1,731億3,584万円(同4.1%減)

なかでも雑誌の不況が著しく、その要因として広告収入の減少が大きいそうです。

連動して売上も落ち込み、重ねて販売不振を招いているそうです。

あ~、こうなると負の連鎖ですね。down

一方新書市場は、創刊が相次いでいるように元気ですsun

昨年のベストセラーにも名を連ねた、姜尚中「悩む力」(集英社新書)や坂東真理子
「女性品格」(PHP新書)も記憶に新しいですね。


ちなみに書籍の平均定価をご存知でしょうか?

    社会科学3,045円(前年3,078円)
    自然科学3,517円(前年3,526円)

全部門の平均定価が2,503円(昨年2,549円)であることを考えると、専門書籍を収集する大学図書館の購入単価が高いことも想像いただけるかと。

図書館もこの数値を使用して、「今年はいったい何冊くらいの書籍が買えるかな」という試算をしていますgood
                                               (ほ)