推薦図書・書評 Feed

2010年1月19日 (火)

第142回直木賞

新聞、ニュース、ネットでご覧になった方も多いと思いますが、去る1月14日、
第142回の直木賞受賞作品が発表されました。

 『廃墟に乞う』  佐々木譲(文藝春秋)
 『ほかならぬ人へ』  白石一文(祥伝社)


今回直木賞は2作品が選ばれましたが芥川賞は受賞作なし。
直木賞は短編および長編の大衆文芸作品で優秀なもの、芥川賞は純文学
短編作品中で優秀なものを対象にしていますが、後者の候補作には大変ユ
ニークな作者・作品も含まれていたので、少し残念ですthink

受賞作品に対し、少し付帯情報を。

佐々木譲さん:
私も読みましたが『警官の血』はスリリングな展開、意外な結末で、とても面白
かったです。“このミス1位”ともなり、ドラマ化もされました。
伊藤秀明、吉岡秀隆、江口洋介が三代続く警察官(主役)を演じましたのも記
憶に新しいところです。

白石一文さん:
『一瞬の光(角川文庫)』を読んだことがあります(内容は喪失しましたgawk
新しいところでは『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(講談社)』という印象
深いタイトルの本も上梓されておりましたが、筆者、手に取ったものの未購入。
ちなみに白石さんのお父さんは白石一郎。『海狼伝(文春文庫)』で第97回の
直木賞を受賞しておられ、初の親子受賞だそうです。


どなたか読まれた方、いませんか~sign02
おられましたら、ぜひ、感想をお聞かせください。              (ほ)

2009年11月23日 (月)

女性作家

気がつくと女性作家の本を続けて読んでいることがあります。
それも筆者お気に入りの重鎮@宮部みゆき@高村薫など
社会派ミステリ作家ではなく、比較的“まったり“とした小説をですcat

例えばここ最近では下記を読破dashしました。

・朝倉かすみ 「田村はまだか」 光文社 

・中島京子 「ハブテトルハブテトラン」 ポプラ社 
・中島京子 「桐畑家の縁談」 マガジンハウス
・中島京子 「さようなら、コタツ」 マガジンハウス
・中島京子 「イトウの恋」 講談社
・中島京子 「Futon」 講談社

・中島たい子 「漢方小説」 集英社
・中島たい子 「建てて、いい?」 講談社



特に上記“W(ダブル)中島”はオススメですpaper
機会があれば是非!
                              (ほ) 



   

2009年11月10日 (火)

読書週間③

前々回書きましたように10/27-11/9は読書週間。
本記事もなんとか期間中に書いていますが、掲載は終了後になりそうsweat02

ということで読書週間の最後を飾るべく?
筆者のおすすめ図書(作家)を紹介させてください。


宮本輝 「錦繍」 新潮文庫

「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で」の一
始まる物語。全編が往復書簡でのみ構成されているのに、物語として成り立っ
ているのがスゴイ!いろんな書評欄でも恋愛ものの古典として取り上げられ、
その地位は定着しつつありますので、お読みになった方もいるのでは?

タイトルの“錦繍”とは「刺繍した織物」ということだけでなく「美しい紅葉のたと
え」でもあります。紅葉の季節にご案内できればよかった・・・ですthink


実は筆者、昔からの宮本ファン。長編も良いですが、お勧めとしては短編集delicious

「五千回の生死」 新潮文庫
「星々の悲しみ」 文春文庫



その他に“カワ”三部作も良いですよgood
「泥の河」「道頓堀川」「蛍川」

今回ご紹介の図書は全て文庫にて入手可能ですし、
カワ3部作は映像化もされています。

本学では「錦繍」のみ所蔵。
公共図書館には上記以外も多数所蔵していることでしょう。
「全集」もあるはずsign01   
                                          (ほ)


館長から情報いただきましたsun
新潟ではこの先、舞台講演もあるようです↓
http://www.nsttv.com/event/stage.php#ev_3719

    

2009年10月22日 (木)

食欲の秋、奇食の秋

皆さんはじめましてshine

今回は初めて私(・・略ネーム(か))がブログを書きますpencil


いやぁ、すっかり秋ですねmaple
図書館に来る学生さんの装いもすっかり秋色になってますね。

さて、秋といえば・・・

私は食欲の秋ですsign03

きのことか、サツマイモとか秋刀魚とか美味しいですよね~。
想像するだけで白ご飯が食べられそうな気がする・・・
でもやっぱり秋は“読書の秋”ですよbookshine
本読んでいますか?

勉強忙しいし、どんな本読んだら良いかわかんないし、難しそうだし~
と思っている人も多いはず。

私の個人的な考えとしては無理して読もうとせず簡単なもので自分の
「これ面白そうかな」という興味があるものから読んだ方が最後まで読
み切れる気がします。
ベストセラーや書評を当てにするより自分のフィーリングで選ぶと
面白い本と出会えるかもしれませんねhappy01

図書館にも「コレだ!!」という一冊があるかもしれないので図書館内を
ウロウロしたり、OPACで検索したりしてみてくださいねupwardright

ちなみに、私が最近図書館で借りて面白かった本は・・・

 「世界奇食大全」 

杉岡幸徳著 文春新書 です! (1階の新書の棚にあります)

一言でいいますと、日本をはじめ世界各地の変わった食べ物を実際に
食した時の感想を書いた本です。

ラクダやカンガルー、ワニ、サソリ、馬のたてがみなど珍しい動物を食べ
たり、みかんご飯、甘口イチゴスパ、納豆コーヒーゼリーサンド、
味噌カレー牛乳ラーメンなど食後のお腹の具合が心配になりそうな料理も
紹介されています。

更にはサボテン、樹液、土までも・・・coldsweats02

私が一番気になったのは“サルミアッキ”という「世界で一番まずい飴」と
言われているフィンランドのお菓子です。
味は酸っぱいゴムみたいな味らしく著者は、
「『このままなめ続けると人間でなくなるんじゃないか。別の世界にトリップして
しまうんじゃないか』という恐怖すら覚える味」とまで言っています。

人間でなくなると思うくらいの味って一体・・・sweat02

ちなみに、新潟県ではメダカの佃煮(うるめ)という料理があるらしいです。
イナゴの佃煮はメジャーな認識ですがメダカってビックリですね。
私の祖母の家は熊のお肉が普通に冷蔵庫にありましたが・・・
地域によって当たり前に食べてる物が他の地域では珍しかったりするのですね。

作者によると
「ちなみに私の感想としてはワニはささ身っぽくて美味しい。
カンガルーも赤身で味が濃くて美味しい。
ラクダ、カモシカ、イノシシは味が獣っぽくて苦手でした。」
だそうです。

他にも著者独特の面白い言い回しで味が表現されているので笑えますhappy02
文章も長くなく読みやすいですgood

食欲の秋の読書の秋、どちらも堪能できますので興味が湧いた方は読んでみて
くださいね☆☆
                               (か)

2009年9月 9日 (水)

水泳関連の小説+α

か~ッと来るような熱い時期sunに涼しくなるような水泳を題材とした小説の
ご紹介を企画してはいましたが、のびのびになってしまい、今年の状況では
1年先になってしまいそうgawk  ということで企画を強引に遂行します。

まずはこれでっしょうsign01

「Dive!!(上・下)」 森絵都 角川文庫


とびこみ競技にかける少年たちを描いた青春小説の代表作。
映画にも漫画にもなりました。本学図書館所蔵あり!です。

その他・・・
実は自分の記憶、またネットでも探したのですが、水泳を扱った小説はそん
なにないんですよね~。企画の意味が薄くてスミマセンが、逆に皆さん知って
たら教えてください。

「ウォーターボーイズ」  矢口史靖 角川文庫
「Water」 吉田修一 「最後の息子」収録 文春文庫

「水の中の八月」 関川夏央 講談社文庫


と並べたところで、関川夏央さんのお名前が。
ご存知ですか?関川夏央。この方、新潟県長岡の出身。
最近も「寝台急行「昭和」行」という新刊を書店で目にしましたが、
筆者にとって昔、多読した作家さんのひとりなんです。

ということで急遽企画変更smile

この関川夏央、1980年台後半、韓国・台湾・香港・シンガポールなどが新興
工業国と呼ばれていた時代に、韓国を題材にしたルポルタージュなどを精力
的に発表していました。

「ソウルの練習問題」 新潮文庫
「むかし「戦後」という時代があった」 新潮文庫
「海峡を越えたホームラン 」 双葉文庫・朝日文庫
「退屈な迷宮」 新潮文庫
「よい病院とはなにか」 講談社文庫
「森に降る雨」 文春文庫
「貧民夜想会 」 文春文庫
「東京からきたナグネ」 ちくま文庫
「韓国読本」 福武文庫



大学生という多感な時期に、世の中の不誠実な部分への疑問や怒りを、
そして自分への焦燥感などを、関川さんの本を読むことで解決しようとし
ていた・・そんなことが思い出されますcatface

在学生の皆さんには、ず~と読み続けられる作家と出会えるよう、
図書館としてはお手伝いしていきたいと思います。            (ほ)

2009年8月 7日 (金)

注目作家

先日、勝手にナツ(夏)は読書だ!と申し上げましたが、何を根拠にと申しますと
基本インドア派の筆者は、30度を越す真夏日sunにエアコンをかけた部屋でソファに
寝そべり、惰眠を繰り返しながらの読書がお気に入りだからです。

筆者の読書法は同時並行的に数冊読み進めること。
よっぽどのものは一気読みを行いますが、そうそう多くないのが現実です。

しかし、つい先日、面白い作家発見しましたup一気ですbeer


「永遠の0(ゼロ)  」百田尚樹 講談社文庫


ゼロとはゼロ戦のこと。敗戦濃厚のなか天才だが臆病者といわれたパイロットで
ある祖父「宮部久蔵」の姿を追い求め、60年間封印されていた事実を孫の姉弟が
関係者にインタビューする形式で話が進みます。最初はそれほど真剣に取り組ん
でいなかった弟も、しまいにはのめりこみ、最後には驚愕の事実が。

「いのち」「家族」「絆」深く感じ考えさせられます。
読後感としては、よどみきった筆者の心をして静謐ならしめました。
一気(beerbeer・・・違うって)でした。


実は同じ著者の「ボックス!(太田出版)」も一気読みだったのを白状します。

著者の百田さん、まだそれほど多作ではないのですが、だからこそ今後も追いかけ
るのが楽しみな作家の出現、嬉しい限りです。

3月に刊行された「風の中のマリア(講談社)」も読みたくなってきました。
本日帰りに本屋さんに寄ってこ!               
                                             (ほ)

2009年6月26日 (金)

陸上関連の小説

「最近読んだ本」の流れを汲んだ話題を一席。

コレも最近、公共図書館から借りて読みました。

   
   「チーム」
堂場瞬一著 実業之日本社 2008年


箱根駅伝の、それも母校としての出場を逃した学連選抜チームがメインの話です。

一度も箱根にチームを導くことのできなかった名匠、個人の記録以外に関心のない天才ランナー、個性あふれるチームをまとめようとする故障上がりのキャプテン。

周りは伝統も実績もある伝統校がズラリ。シード内の熾烈な戦いが予想される中、もちろん下馬評は低い。が、目指すは優勝。1回限りのチームは文字通り“こころ”の襷(たすき)もつなげることができるのか。。。

最後までハラハラとさせてくれる駅伝小説です。


Photo_4


そういえば、昨今、陸上を取り上げた小説をよく見かけます。例えば・・


  「Run! Run! Run!」   桂望実著 文藝春秋 2006年

  「風が強く吹いている」 三浦しをん著 新潮社 2006年

  「一瞬の風になれ(3冊セット)」 佐藤多佳子著 講談社 2007年

  「ランナー」 あさのあつこ著 幻冬舎 2007年 
 

懐かしいところでは・・ 

  「ららのいた夏」 川上健一著 集英社文庫 2002年


現在、マラソンブームだそうです。読めば、皆さんも走ってみたくなるかもgood

                                          (ほ)

2009年6月18日 (木)

最近読んだ本

タイトルを見ただけで、「はて、ネタ不足ですね・・」と見抜いたアナタsign01

スルドシsign03


そうとは認めつつも最近読破した本から情報をsweat02
そして・・・シリーズにしますので、よろしくdash


え~、「森見登美彦」さんの本、結構読みます。

例えば、

「太陽の塔」 「四畳半神話大系」 「夜は短し歩けよ乙女」
「〈新釈〉走れメロス」 「美女と竹林」 「恋文の技術」
など


今回、刊行当時読み損ねていた「有頂天家族」を、公共図書館から借りて読みました。
勝手に三谷幸喜の「THE 有頂天ホテル」と中島京子の「平成大家族」を 足して2で割る ような想像をしており、騒がしいドタバタ物語かと思いきや・・・

イヤイヤ、タイプは違えど森見ワールド全快のドタバタものでした。

実は「タヌキ」「天狗」が主な登場人物。この「家族」は「タヌキ」の家族のことをさしております。

Photo_6

筆者、SFは若干苦手。小説とはいえあまり現実離れしたものは得意ではありません。
「森見登美彦」さんの他の小説でも、主に京都を舞台にしたある意味SFチックな物語もあり
ますが、これはどうも平気なようです。

「恋文の技術」でもソウなのですが、「真面目な文章なのに、バカバカしく、面白く、ホロっと」
というあたりが抜群にうまい。だからでしょうか、新作が出ればつい手にとってしまう作家の
一人です。

勝手なカテゴライズですが、京都の若手作家が今熱いgood

「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」の万城目学とともに注目作家です。

Photo_3

ちなみに本学図書館ではupwardleft「太陽の塔」を所蔵しています(1階文庫コーナー)。

日本ファンタジーノベル大賞受賞作、大学生が主人公の青春小説をぜひお試しあれ。 
                                                                                  (ほ)

2009年5月14日 (木)

ベストリーダー【文庫編】

前々回に引き続きベストリーダーねたを。

今回は「文庫」編です。

輝く1位はshine・・・

「蹴りたい背中」 綿矢りさ著 河出文庫
            
芥川賞、最年少受賞作品です。受賞当時、確か大学生sign01


2位以下です。

「オレンジデイズ」 北川悦吏子 角川文庫
            
大学生が主人公の恋愛モノheart01

「イン・ザ・プール」 奥田英朗 文春文庫
            
精神科医@伊良部一郎シリーズ@第一弾

「アフターダーク」 村上春樹 講談社文庫

「空中ブランコ」  奥田英朗 文春文庫
            
直木賞受賞作品。精神科医@伊良部一郎シリーズ@第二弾

「空中庭園」 角田光代 文春文庫

「ノルウェイの森(上・下)」 村上春樹 講談社文庫
            
古くて新しいベストセラーですね。タイトルのいわれ、知っています?

「4TEEN (フォーティーン)」 石田衣良 新潮文庫
            
直木賞受賞作。作者はテレビのコメンテータとしても活躍中。

「バッテリー(Ⅰ~Ⅵ)」 あさのあつこ 角川文庫
            
映画・ドラマにもなりました。熱い青春小説です。

「東京タワー」 江国香織 新潮文庫
            
同名小説の“おかん”の方ではありませんが、映画にもなりました。

「しをんのしおり」 三浦しをん 新潮文庫
            
直木賞作家の読書エッセイ。

「推理小説」秦建日子 河出文庫
          
  篠原涼子主演のドラマ「アンフェア」の原作です。

「人生激場」 三浦しをん 新潮文庫


「オンリー・ミー : 私だけを」 三谷幸喜 幻冬舎文庫
            
一押しsign03三谷ワールド全開です。初エッセイ。



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多くの人に読まれているということは・・flairソウ!面白いのではないかという想像も。

「何を読んだら良いかわからん」という人は、ランキングを信じてみてはいかがでしょう?


新潮文庫の100冊も購入したし↓、今年一年の貸出状況、注目ですeye
http://nuhw.blog-niigata.net/nuhwlibrary/2009/04/post-2f57.html

(ほ)

2009年4月28日 (火)

ベストリーダー【新書編】

図書館では年度替わりに昨年1年間の統計資料を作成します。

その一つがベストリーダー。

いわゆる一番読まれた図書リストです。


どんな分野の図書が好まれたのかheart

図書館ではこの傾向を選書の参考にもします。


その一端をご披露しますね。

今回は「新書」のベストリーダーです。


1位は断然でshine
伝える力 : 「話す」「書く」「聞く」能力が仕事を変える!  池上彰著 PHPビジネス新書 学長が推薦された図書です。

2位も話題になった図書です
女性の品格 : 装いから生き方まで 坂東眞理子著 PHP新書

3位以降は・・
・「子どもたちはなぜキレるのか」 斉藤孝 ちくま新書
・「日本は世界で第何位?」  岡崎大五 新潮新書
・「すべらない敬語」 梶原しげる 新潮新書
・「大学アドミニストレーター論」 篠田道夫 学法新書
・「痴呆を生きるということ」 小沢 勲 岩波新書
・「社会的ひきこもり : 終わらない思春期」 斎藤環 PHP新書
・「日本の漢字」 笹原宏之 岩波新書
・「人はなぜ太るのか : 肥満を科学する」 岡田正彦 岩波新書
・「悩み」の正体 香山リカ 岩波新書
・「『尊厳死』に尊厳はあるか : ある呼吸器外し事件から」 中島みち 岩波新書
・「発達障害の子どもたち」 杉山登志郎 談社現代新書
・「疑似科学入門」 池内了 岩波新書

やはり “医療” “福祉” 関連が読まれているようです(フムフムsmile

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新書といっても扱っている内容は様々ですが、専門的な事項を比較的読みやすくしているのが特徴。

手に取りやすくなっていますgood

本学では岩波新書、中公新書、ブルーバックスは刊行の都度、継続的に購入している他に、関連分野、話題の新書も購入していますsign01

新書コーナーは図書館1階、以前に紹介した文庫コーナーの裏。


いざdashrun                                         (ほ)