2019年12月26日 (木)

【2019年】今年話題を呼んだ人文社会系図書を紹介~図書館を活用しよう!~

本学科では、心理学、経営学、社会学など、人文社会系の科目も幅広く学ぶことができます。人文社会系の学問は、狭い意味での対人関係スキル(ビジネスに必要なスキル)を磨くのに役に立つだけでなく、日々のコミュニケーションや人生そのものを豊かにしてくれる学問でもあります。

そして、本学科からの推薦もあり、その年に話題を呼んだ人文社会系の図書の数々が、本学図書館には蔵書されています。学生の皆さんは、ぜひ自分の関心にあわせて、自分の視野を広げる読書に勤しんでほしいと思います。

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今年も、伊藤先生の翻訳されたブリュノ・ラトゥール『社会的なものを組み直す―アクターネットワーク理論入門』など、多くの書籍が話題を集めました。以下が一例です。本学科の学生の皆さんの関心がありそうなものを対象に、自然科学系、情報系の書籍も含めました。図書館も活用して、ぜひ手に取ってみてください。

  • 東畑開人『居るのはつらいよ』医学書院
  • ジョセフ・ヘンリック『文化がヒトを進化させた――人類の繁栄と“文化‐遺伝子革命”』
  • 安東量子『海を撃つ――福島・広島・ベラルーシにて』みすず書房
  • レベッカ・ソルニット『迷うことについて』左右社
  • リサ・フェルドマン・バレット『情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』紀伊國屋書店
  • エマヌエーレ・コッチャ『植物の生の哲学 混合の形而上学』勁草書房
  • アントニオ・ダマシオ『進化の意外な順序――感情、意識、創造性と文化の起源』白揚社
  • 下條信輔『潜在認知の次元――しなやかで頑健な社会をめざして』有斐閣
  • アレクサンダー・トドロフ『第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』みすず書房
  • 古田徹也『不道徳的倫理学講義――人生にとって運とは何か』ちくま新書
  • レイチェル・ギーザ『ボーイズ 男の子はなぜ「男らしく」育つのか』DU BOOKS
  • J・L・オースティン『言語と行為――いかにして言葉でものごとを行うか』講談社学術文庫
  • 伊藤昌亮『ネット右派の歴史社会学――アンダーグラウンド平成史1990-2000年代』青弓社
  • 小川さやか『チョンキンマンションのボスは知っている――アングラ経済の人類学』春秋社
  • ブラッド・キング、ジョン・ボーランド『ダンジョンズ&ドリーマーズ――コンピュータゲームとコミュニティの物語 第2版』
  • ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』新潮社
  • 松尾匡編『「反緊縮!」宣言』亜紀書房
  • 綿野恵太『「差別はいけない」とみんないうけれど。』平凡社
  • ヤニス・ヴァルファキス『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話』ダイヤモンド社
  • 稲葉振一郎『AI時代の労働の哲学』講談社選書メチエ
  • 山崎聡一郎『こども六法』弘文堂
  • 梶谷懐、高口康太『幸福な監視国家・中国』NHK出版新書
  • 古田徹也『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』KADOKAWA
  • 荒木優太編著『在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活』明石書店
  • 久保明教『ブルーノ・ラトゥールの取説――アクターネットワーク論から存在様態探求へ』月曜社
  • ブリュノ・ラトゥール『社会的なものを組み直す――アクターネットワーク理論入門』法政大学出版局

もちろん、流行っているという理由だけで読んでみるというのは、必ずしも正しくありません。実際に手に取ってみて、目次や最初の数ページをみて、「興味が持てそうだ」と思ったら読み進めてみるとよいでしょう。

いきなり背伸びをするのではなく、徐々に興味や関心を広げていくと、読書がどんどん楽しくなりますよ!

2019年12月25日 (水)

本学科の学生が北東アジア経済発展国際会議「Future Leaders Program」本戦出場!


このたび、本学科の学生チームが、公益財団法人環日本海経済研究所主催「2020北東アジア経済発展国際会議イン新潟」(2020年2月開催)で行われるプレゼンテーション・コンテストの本選に選抜されました!

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コンテストの名称は「Future Leaders Program(FLP)―北東アジアの未来ビジョン」です。その目的は、北東アジアが持つ経済発展可能性と政治・社会的な不安定要素に対して、学生の英知とグローバルな関心を深め、将来を担うリーダーを育成・発掘することにあるとされています。

今年が初めての開催となり、「北東アジアの未来シナリオ」をテーマに、県内の17大学を対象として公募が行われました。

本学からは、私たち医療情報管理学科の学生グループが参加し、第1次選考の結果、以下の演題が本選出場作として選ばれました(本戦選抜は5チームのみ)!

演題:
北東アジアのQOL向上へ向けて
―北東アジアの伝統医学と近代医学の活用基盤の構築―

概要:

2018年にWHO(世界保健機関)が定める「国際疾病分類」の第11回改訂版(ICD-11)で、「伝統医学」として初めて漢方をはじめとする東洋医学が加えられた。

北東アジアでは古くから伝統医学を用いた医療が行われており、中国の漢方の小売売上規模が1兆円を超えるなど拡大が続いている。

こうした流れを受けて伝統医学の積極的な推進が検討される一方で、科学的根拠が不十分とする指摘もある。

以上のことから、私たちは北東アジアの国民のQOL向上を目的とする近代医学と伝統医学の活用基盤を構築することを提案する。

2019年12月18日 (水)

一般入試・センター試験利用入試「合格体験記」~1年生3名が寄稿~

いよいよ、一般入試・センター試験の入試シーズンがやってきましたsign01

そこで、昨年度の一般入試・センター試験を突破して入学した本学1年生が、自らの「合格体験記」を記してくれましたnew
 
合格体験記 | 新潟医療福祉大学 受験生応援サイト

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本学科からも、樋浦さん、八幡さん、八子さんの3名の学生が体験記を寄せています。
 
"会場に着くまでは寒いと思いますが、試験会場は暖かいので、体温調節できる服装で受験することをおすすめします。"
 
"私は県外から新潟に受験に来ていて、知ってる人が誰もいない中で受験してとても心細くて寂しかったのですが、当日に高校や中学の友達から応援メッセージをもらったのがとても嬉しかったです。また、受験会場に向かうまでが私の住んでいた県よりもとても寒くてさすが新潟だなと思いました。"
 
"何が起きてもいいように2時間前に家を出て、会場には90分前に到着しました。早めに会場入りすることでその場の環境に適応することができました。"
 
 
合格体験記 | 新潟医療福祉大学 受験生応援サイト

2019年12月 3日 (火)

波多野誠先生が「ベストティーチャー賞」を受賞!~学生に寄り添う講義~

このたび、本学科の波多野誠先生が、なんと、2019年度前期の【基礎科目】部門で、「ベストティーチャー」に選ばれました!

本学では、学期ごとに学生による授業評価が実施されており、学生の満足度が最も高い講義を行った教員がベストティーチャーとして表彰されています。

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本学の講義は、そもそも学生の満足度が非常に高く、全講義の平均で見ても、5段階評価で4.2~4.3に達しています(5が「非常に満足している」)。

そのなかで、ベストティーチャーとして表彰される教員は、限りなく5.0に近い満足度を得ていることになります。

もちろん、学生による授業評価を行うことには賛否があり、本学でも、「学生が授業の質を評価するものではない」とされ、あくまで教員による授業改善のためのツールとして位置づけられています。決して満足度を高めることを目的とした講義は行っていません。

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今回、受賞対象となった波多野先生の講義は、「情報処理I」です。

「情報処理I」は全学の1年生に向けて開講されており、後期開講の「情報処理II」と合わせて、PCにまったく触れたことのない学生でも、今後の学生生活や職業生活で必須となるPCの操作を身につけます。

具体的には、PCの基本操作にはじまり、タッチタイピング、インターネット/イントラネットの活用、電子メールの送受信(メールの書き方を含む!)、情報セキュリティ対策、さらに、情報処理Iの後半からは、Word, Excel, PowerPointといったオフィス・ソフトにも習熟していきます。

もちろん、スキルを磨きたい学生は、「情報処理III」を受講し、Excel検定の合格を目指したり、さらに、本学科の学生であれば、Excel VBAやさまざまなプログラミング言語、データベース言語についても学んだりしていくことができます。

今回は、ベストティーチャー賞を受賞した波多野先生に、授業のあり方について、インタビューを行いました。ぜひご覧ください!


――このたびは、ベストティーチャー賞の受賞、おめでとうございます! まずは今回の学生からの評価をどのように受け止められていますか。

正直言って、今回なぜ私が受賞することになったのか分かりません。本学には素晴らしい先生達が多くいますので。

今後も学生の勉学の一助になることができれば幸いです。

――講義に対する先生の姿勢を学びたいと考えている教員も多いと思います。まず、先生が講義される際に一番大切にしていることからお聞かせください。

雰囲気は大事にしますね。「楽しい雰囲気」と「質問しやすい雰囲気」を大事にしたいと思っています。

私は学生にPCへの苦手意識を持ってほしくないので「楽しい雰囲気」づくりを考えます。

同様に、分からないことをそのままにしておくと、苦手意識を生んでしまう可能性があるので「質問しやすい雰囲気」づくりも重要な点であると思います。

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――苦手意識をもった学生に対しても、「やる気」や能力の問題にしたりせずに、きちんと寄り添うわけですね。

寄り添うというのは大事ですね。

私は教員になる前は福祉の仕事をしていました。

ソーシャルワーカーという職種になるのですが、簡単に言うと困っている人を支援する・援助する仕事です。

その経験が今も生きていると思っています。

PCが苦手な学生を支援する・援助する視点を常に持って授業を行っています。

前述のとおり、苦手なまま・分からないままにしておくと、PCを嫌いになってしまいますからね。

卒業後、多くの学生が仕事上でPCを使う機会があると思うので、その点は重要だと思っています。

――では、実際の講義では、具体的にどのような工夫をされているのでしょうか。

できるだけコミュニケーションを多くとるようにしています。

授業では教科書や課題集をもとに進めていくのですが、内容を若干変更したりしますね。

例えば、授業日が12月1日だとして、教科書の文章作成の課題をやっている時に課題文の日付が2018年5月1日だったとします。

「教科書だと2018年5月1日だけど、今日の日付の2019年12月1日にしようか」と言って若干変えたりします。

他には、バースデーカードを作る課題があるのですが、その際は決められたケーキの画像を挿入するのですが「【オンライン画像】の機能を使って、自分の好きなケーキの画像を入れようか」と変えたりもします。

「〇〇さんはチーズケーキが好きなの?」
「△△さんはチョコレートケーキ派かな?」

などコミュニケーションをとることができるし、授業の雰囲気も楽しくできると思います。

そして【オンライン画像】という機能も併せて、学ぶことができますからね。
(注:もちろん教科書・課題集に沿って授業を行っています。念のため。)


――講義の方針は教員によって異なるのかもしれませんが、いずれにせよ、先生のような「丁寧さ」が大切なのだと思いました。では、最後に、在学生や高校生に向けてメッセージをお願いします。

情報処理の授業では、Officeソフト以外にもウィルス対策や電子メールなど多くのことを学びます。

特に電子メールについては、本学では学生一人ひとりにアカウントが割り振られていますが、メールのマナーは社会人になってもこの先一生使えるものなので、しっかりと身に着けてほしいと思っています。

本学は面倒見の良い大学をうたっていますので、どの教員も丁寧にしっかりフォローしてくれます。もちろん私自身も丁寧な授業を今後も行っていきたいと思っています。


波多野先生のインタビューはいかがでしたでしょうか。波多野先生のゼミ活動など、学科の日常について、学科のinstagramで発信しています。こちらもぜひご覧ください!

2019年10月31日 (木)

連携基礎ゼミ(2年生)始まりました!~他学科の学生を通して自分を見つめ直す~

学部・学科の垣根を超えた連携教育を特徴とする本学では、2年次後期に連携基礎ゼミが開講されています。1ゼミあたり5~6名で、全員が別々の学科から集まって、多職種理解を深め、多職種連携を実践しています。

本学科の教員が担当するゼミに配属された学生たちは、まず、全体オリエンテーションでチームワークの重要性を学ぶゲーム(アイスブレーク)を行い、初対面の緊張と不安を和らげますhappy01

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さらに、2回目以降は、ゼミごとに分かれて、お互いの将来の仕事の内容や専門性を理解するために、それぞれがプレゼン資料を作成し、発表を行いました。ここで大切なことは、聞き手のことを考えて、教科書的な(ときとして退屈な)説明にならないようにすることです。

たとえば、将来の仕事の内容やその魅力だけでなく、どうして自分はその仕事に就きたいのか、自分の長所をどう活かせるのか、いままでどんなことを勉強してきたのか、とくにいま自分が頑張っていることなど、さまざまな視点で、他学科の学生に自分の将来の仕事を説明することで、自分のことを見つめ直す契機(きっかけ)にもなるはずです!

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そして、それぞれの将来の仕事や専門性を理解したところで、いよいよグループワークが始まっていきます。ゼミごとに、学生同士が話し合って、グループワークのテーマを設定して、調査研究を進めていきます。そして、年末には、発表会が待っています!

2019年10月23日 (水)

ロシア極東州立医科大学留学記~学術交流だけでなく文化交流も!~

本学科の卒業生でもある髙野晃輔先生が、ロシアのハバロフスクに位置する極東州立医科大学に留学し、このたび、無事帰国しました。髙野先生に手記を寄せていただきました。


私はこの度、ロシアのハバロフスクにある極東州立医科大学(Дальневосточный государственный медицинский университет)にて短期留学をさせていただきました。MOU(国際交流協定)に基づく共同研究を主な目的として、9月10日から10月6日の約一か月間滞在しました。

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加えて、10月2日に行われた第3回極東医療ユースフォーラムにて、これまでの研究の成果を口頭発表しました(演題名: A comparative study of life functions of the elderly in Niigata and Khabarovsk)。

本研究は、加齢に伴って生じる心身の衰えを指す「フレイル」についての調査および国際比較を行い、介護予防の国際指標となりうる重要な項目を明らかにすることを目的としています。

結果からは「歩行困難」と「慢性的な痛み」の2項目の重要性が示唆され、共同研究者と意見を交わした社会制度や文化の違いを踏まえた考察を発表しました。

今後は、上記2項目の要因分析や運動機能を中心とした更なる調査を行う必要性があると考えています。

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また、今回の留学では、学術交流だけでなく文化交流も積極的に行いました。

休日には博物館や動物園で歴史や風土について学んだり

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ハバロフスク日本センターで行われた書道教室に参加したりしました。

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その中でも、民族音楽サークルの皆さんとの音楽を通じた交流は、特に貴重な経験となりました。言葉ではなく音で会話をしながら練習を重ね、一緒に人前で演奏を披露する機会もいただきました。

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今回の留学を通じた様々な経験は、非常に大きな刺激になりました。

また、研究者同士はもちろんのこと、大学間の結びつきもより強くなったと感じています。

極東州立医科大学の皆様、ありがとうございました。

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手記に登場した「極東医療ユースフォーラム」では、本学科の学部学生も英語で発表を行っています! その模様は改めてお伝えします!

2019年10月22日 (火)

【大学院】論文中間発表会開催~システム開発からQOL研究まで!~

本学科の教員が担当する大学院の論文中間発表会が行われました。論文提出を間近に控えた修士課程3名(医療情報・経営管理学専攻)、博士後期課程3名(医療福祉学専攻)の発表がなされました。

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発表タイトルは以下の通りです。

  • 人口重心と移動時間の自動算出による医療・福祉施設利便性評価VBAシステムの開発
  • 40-60歳代成人における健康食品の利用形態とヘルスリテラシーとの関連
  • 日本の潰瘍性大腸炎患者における難病医療費補助の有無とQOLとの関連
  • 回復期リハビリテーション病棟入棟患者の栄養状態と口腔評価に関する実証研究
  • 災害食JASに対する企業の意識と考え ー災害食関連企業への調査からー
  • 一人当り医療費の全国地理分布はなぜ西高東低北高なのか

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大学院は、社会人院生の方のために、主に夜間6限18時10分~19時40分、7限19時50分~21時20分)に開講されています!

大学院では、少人数制による通常の講義・演習が行われていますが、メインとなるのは、指導教員による個別指導です。さらに、本学科が関わる修士課程(医療情報・経営管理学専攻)では、博士後期課程の学生とともに、拡大院生研究会を開催するなど、他の院生や教員と議論する機会も多くあります。

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学部での卒業研究をさらに深めたい、あるいは、職場での課題を学術的に解決したいという方々が、各種の情報技術、現象の指標化手法、統計検定法、多変量解析法、潜在構造分析法等の統計手法、(臨床)疫学研究法、社会学的分析法を身につけて、学会発表や論文発表を重ねています!

▼大学院修士課程(医療情報・経営管理学専攻)のサイトはこちらから!
https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hi.html

▼大学院博士後期課程(医療福祉学専攻)のサイトはこちらから!
https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/doctor/major.html

※修士課程パンフレット(PCから閲覧されている場合、画像をクリックすると拡大します)

大学院修士課程パンフレット1(医療情報・経営管理学専攻)

大学院修士課程パンフレット2(医療情報・経営管理学専攻)

2019年9月26日 (木)

2019年連携総合ゼミ報告その1~対話によって自分の壁を打ち破る

本学では、4年生を対象に連携総合ゼミが行われています。

以前の記事でもお伝えしたとおり、連携総合ゼミでは、さまざまな学科、他大学、海外大学の学生と教員が集まり、模擬患者やビデオ患者、実際の事例などを対象に、ともに評価し、多職種による治療や支援策を企画・立案していきます。

今年度は、本学科の教員が全3事例のゼミに参加しました。この記事では、伊藤ゼミの活動について、伊藤先生に振り返って頂きました。


「専門性」とはやっかいなものです。専門性は確かに武器になります。対象者の生活を支える糧になり、自分の生活を支える糧になります。しかし、専門性はときとして大きな壁を作り出してしまいます。目の前の複雑な出来事に対して自分の専門性だけで判断して、それで満足してしまうという心の壁です。私も例外ではありません。

しかし、これからの医療福祉を支えようとする若々しい学生たちは、どこまでも実直で、どこまでも柔軟な心を持ち合わせているはずです。自らの専門性を不断に高めつつも、それだけに囚われない真のプロフェッショナルになっていく――その手助けならば私たちにもできるのではないか。それが、今回のゼミの背景にある思いでした。

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とはいえ私の力には限界があります。そこで登場頂いたのが、脳性小児麻痺の当事者である斎藤直希さんです。斎藤さんは、脳性麻痺により四肢不自由の全介助状態になりながらも、自らの壁を作ることを止めて、普通高校に進学し、大学在学中に行政書士の資格を取得するなど、いくつもの壁を打ち壊してきた方です。斎藤さんと対話を重ねることだけでも、学生にとって大きな学びになるのは間違いありませんでした。

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今回の事例は、斎藤さんがかつて経験された右上腕骨頚部複雑骨折による入院から自宅生活への復帰を支援するというものであり、斎藤さんには模擬患者役を務めて頂きました。さらに、今回の事例は、それまで斎藤さんの介助を一手に担っていた母親が同時期に脳梗塞になるとともに、(実際には時期がずれていますが)家族介助が一切見込めなくなるという要素を加え、多職種の連携を不可欠なものとしました

こうして、さまざまな学科、さらには、他の大学からも学生が集い、ビデオ通話を介した斎藤さんとの対話が始まりました。当初は、あくまでそれぞれの専門性から、斎藤さんの心身の状態を確認し、斎藤さんの「希望」を聞き取っていました。そして、それぞれに支援のあり方を考えていました。それだけであれば、2日で終わる内容です。

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しかし、ここからが連携総合ゼミの醍醐味です。自らの支援策を他職種と共有しようとすると、他の職種から別の視点による突っ込みがさまざまに入ってくるのです。そうして、私たちのゼミの場合は、それぞれが「斎藤さんにもっと聞くべきことがあった」と気づき、斎藤さんとの対話が繰り返されていくことになりました。

こうして、斎藤さんの24時間の生活を支える充実した支援策ができあがりました。しかし、新たな疑問が立ち上がります――「これは本当に実現可能なプランなのか?」 そこで、「全員がケアマネになる」とのかけ声のもと、図書館での法制度の学習が始まりました。学生たちは、やがて、障害者総合支援法にたどりつき、利用可能なサービスを調べ上げるとともに、経済面の事情も踏まえたプランと発表スライドを作り上げました。

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学生が最も実直かつ柔軟であったのはここからです(私も大いに学びました!)。いかにして、学生は自分の壁を打ち破ったのか。……ここから先は、大学広報誌『QOLサポーター新潟』51号の「連携総合ゼミ開催報告」で記すことにしたいと思います(12月刊行予定、昨年は柴山ゼミでした)。

いずれにしても、今回のゼミをうまく終えることができたのは、本学に多職種連携の教育文化が深く根付いているからに他なりません。さらに、今回のゼミは、学科の同僚である高野先生にも加わっていただき、連携教育の責任者である看護学科の松井由美子学科長にも折に触れてアドバイスを頂きました。

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ここでは、広報誌に載せきれない学生の声を紹介します(後輩に向けてのメッセージも!))。

「実際に斎藤さんという対象者がいたことで、とても有意義なゼミを履修することができたと感じています。ケアプランを考える中で自分には関係のないと感じる分野も出てくると思いますが、力を合わせて調べることでたくさんの発見があり、とても楽しかったです。来年もみんなで連携していいプランを立てて欲しいです!」

「想像していたよりリアルなチームアプローチができ、本当に勉強になったと感じます。対象者の方と直接関わらせていただいたことで、実践に近いチームとしての関わりができて将来に生かすことのできる貴重な経験になったと感じます。

また、理学療法士としての知識を生かすだけでなく、福祉サービスの制度についてや他の専門職についてなど知識の無かった分野についても学びを深めることができ、勉強になりました。

連携総合ゼミを通して対象者の方と関わる際には、理学療法所見や動作の方法、その方の希望などだけでなく、その方の考え方や価値観、人間性を知ることも必要であるという、専門職として大切なことに気づくことができました。

ぜひ、連携総合ゼミの活動を通して、広い視野を持った学びを深めてほしいです!!」

「ゼミを終えた今は、達成感と充実感、寂しさがあります。私の中では1週間とは思えない程、メンバーと仲良くなれたと思いますし、全員がとても協力的に活動し、妥協せずに満足できるものができたと思っております。だからこそ、ゼミが終わってしまった今は少し寂しく思います。履修前は、まさかこのように終われるとは思っていなかったため、とても驚いています。

ゼミに参加し、班のメンバー、伊藤先生、高野先生、斎藤さんと関われたことを本当に心から嬉しく思い、感謝しています。」

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「実際に対象者がいる症例なので大変な部分はありますが、その分、対象者に寄り添ったケアプランを考える事ができたのではないかと思っています。また臨床に出る前に他職種との連携を考える事ができるとても貴重な機会だと思います。連携の中で看護師としての役割は何かを考えられたら大きな学びになるのではないかと考えています。1週間頑張ってください。」

「メンバーに恵まれ、とても有意義な経験になりました。あっという間の一週間でしたが、ここで得たことは一生ものの財産になると思います。実は、今回の事例の希望順位は低かったです。将来に関わるかもしれない事例を基準に順番を付けたからです。しかし、多職種連携という滅多にできない経験をし、結果的に本事例にとても詳しくなりました。今しかできないことなので、事例の興味関係なく、メンバーと協力することが大切だと思います。そうすれば絶対将来に、専門職として役立つと思います。」

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2019年8月30日 (金)

台湾の輔英科技大学を訪問~学科間の連携も視野に!

本学科の柴山学科長と瀧口教授が、義肢装具自立支援学科の阿部教授とともに、台湾の高雄市にある輔英科技大学(Foo Yin University)を訪問しました。

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今回は、両大学交流事業のための訪問でしたが、先方は学長、国際長をはじめ6名の先生にご対応いただきました。

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輔英科技大学は、看護学を中心とした総合大学ですが、看板学部である看護学部のなかに本学科によく似た健康事業管理学科(Department of Health Business Administration)があります。

輔英科技大学の健康事業管理学科の特徴は、公衆衛生をはじめとする健康管理について、実務的・実践的な教育と産学の連携が展開されている点にあります。

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具体的には、医療提供体制、医療行政、健康産業のマーケティング・販売管理、データ分析技術、地域のヘルス・プロモーション、長期介護施設の管理などに焦点を当てているようです。

本学科ではすでにロシアの極東医科大学と研究交流を進めており、学生も当地で研究発表を行ったりしていますが、輔英科技大学とも連携の可能性を感じてきました。

台湾はとにかく暑く、カラフルなかき氷がとてもおいしかったです。

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輔英科技大学の皆さん、ありがとうございました!

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2019年8月 3日 (土)

オープンキャンパス新体験プログラムを紹介します!~卒研ゼミからドローンによる人体認識~

8月のオープンキャンパスの初日が無事、終わりました。多くの方にご来場いただき、まことにありがとうございましたsign01
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前回より、新たな体験プログラムとして、「ドローンによる人体認識」が登場しています。情報系の木下ゼミが卒業研究で行っているもので、カメラ付きのドローンを飛ばして、生きている人体を認識させるというものです。救助者が入り込めない災害現場などでの活用も期待できますsign01

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詳しいプログラミングの仕組みなど、ぜひ、ご来場頂き、ご体験&ご確認くださいsoon

情報系では、ほかにも、プログラム学習用ソフトScratchを用いてゲームのキャラクターの自動操作や、3Dプリンタの実演コーナーを用意しています。

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医療系では、バーチャルホスピタルでの電子カルテ操作に加えて、患者の診察代を計算するレセプト作成体験コーナーも設けていますpencil

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医療事務の仕事に一つに「診療報酬請求」があります。これは、医師が行った診療などに対して、その費用を算出し、患者や保険組合に請求する仕事ですhospital どれだけ高度な医療を行ったとしても、この診療報酬請求が正しく請求できないと、その病院の経営は成り立ちませんsign03

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したがって、病院の経営に関わる人材には、必須の知識とスキルになります。1回の診察代はどのようにして決まるのでしょうか? 「レセプト」と呼ばれる診療報酬の請求書を、在学生とともに作成してみてください!

IA棟の1階に案内コーナーを用意していますので、途中参加でも大歓迎です! ご関心のある方はぜひお立ち寄りくださいtulip

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オープンキャンパスの様子などは、学科Instagramでもアップしています!

https://www.instagram.com/nuhw_healthinfo/

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医療情報管理学科 詳細リンク