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2017年1月23日 (月)

1月研究セミナーPart 1

いきいき放送局へようこそ!

本学科では、教員や大学院生で定期的に学習会を行い、互いの研究能力の

研鑽に努めています。

1月の研究セミナーは大学院生の修士論文予演会でした。

Part 1では丸山ゼミの大野果穂さんの発表を報告します。

 

大野さんは、自身が陸上競技の投擲選手であった経験から、

筋力アップと脳の関係に着目した研究を行ってきました。

その内容は端的に言うと

筋力トレーニング中に脳を磁気刺激すると

そのトレーニング効果が高まるか否か?という内容になります。

 

以下が実験の詳細です。

方法:被験者はMVC時に二連発TMS刺激を加えたトレーニングを行うTMS群7名と、

TMS刺激なしのトレーニングを行うsham群 7名であった。

最大筋力トレーニングは1日おきに9日間行い、

MVC及び皮質脊髄興奮性の測定を行なった。

その後1日おきに5日間とその1週間後に1回MVCを測定した。

トレーニング内容は、2秒間の最大つまみ運動によるMVCを1分間隔で

3回行うことを1セットとし、5分の休息を挟んで1日4セット行なった。

TMS群はMVC開始1秒目に安静時閾値強度のTMS刺激が刺激間間隔1.5msで

与えられた。皮質脊髄興奮性評価はトレーニング初日、中間日、最終日の

トレーニング前後に右FDI筋から運動誘発電位(MEP)が

約1mV誘発される強度で測定した。

 

結果:MVC値は初日と比較して最終日にTMS群は約30%、

sham群は約12%有意に増大を示した。

トレーニング期間後のMVC値は両群が最終日のMVC値を維持した。

皮質脊髄興奮性は,TMS群においてトレーニング初日、中間日のトレーニング後に

MEPの低下が起こったが、最終日は起こらなかった。

sham群は最終日までトレーニング後のMEP低下が起こった。

 

考察:TMS群のMVCがより有意に増加したことから、1.5 ms間隔による

二連発TMS刺激がMVC時に興奮性介在ニューロンの動員を高めたと推察される。

また、反復的なトレーニングによってシナプス間の結合強化を起こしたと推測した。

 

結論:MVC時二連発TMS刺激のトレーニングが、最大筋力発揮における

興奮性介在ニューロンの動員と、シナプス結合強化及び同期を高め、

より高いMVCとその効果の維持に貢献した可能性が考えられる。

 

この実験により、筋力トレーニング中に磁気刺激を与えるとより

トレーニング効果が高まる可能性が得られました。

大野さん、修士論文発表会も頑張ってください!

 

健康スポーツ学科のみなさん、運動と脳の研究を一緒に行ってみませんか?

 

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