学科セミナー・審査会を終えて ~修士課程2年 中野沙紀さん~
今週、今年度修士課程を修了する3人の学生の研究を紹介してきました。
最後は、中野沙紀さんです。
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こんにちは。
修士課程2年 中野沙紀です。
1月16日の学科セミナーと、1月23日の修士論文審査会についてご報告させていただきます!
私の研究内容については以下の通りです ▽
テーマ:有酸素性運動が空間記憶トレーニングに与える影響
目的:実験1リカンベントエルゴメーターを用いた中等度有酸素性運動によって、AlphaおよびBeta oscillationを増大させることができるか否かを検証すること。
実験2 リカンベントエルゴメーターを用いた事前の中等度有酸素性運動が、空間記憶トレーニングのプレコンディショニングとして有用であるか否かを検証すること。
方法:実験1 運動試技とコントロール試技の2試技を実施し、介入前後、10分後、20分後および30分後に脳波の計測を行った。Fp1、Fp2、Fz、Cz、Pz、Ozを測定領域とした。
実験2 運動群、対象群とし、介入後に空間記憶課題10セットをトレーニングとして行い、トレーニング15分後、30分後、45分後、60分後および1日後に再度同課題を行った。実験1、2共に運動は事前に測定したVO 2peak の50%強度で20分間のペダリング運動とした。二次元気分尺度(TDMS)を用いて覚醒度の評価も同時に行った。
結果:実験1 Alpha oscillationは、測定した全ての領域で運動後10分まで活動の増大が認められた。Beta oscillationは、CzとPzのみで運動後10分まで活増の増大が認められた。覚醒度は、運動直後および3分後に運動試技で高値を示した。
実験2 空間記憶課題の反応時間は、運動群において、トレーニング1回目と比較して、
トレーニング8回目、9回目、トレーニング15分後、30分後、45分後、60分後、24時間後で有意に短縮した。対象群は、トレーニング1回目と比較して、トレーニング9回目、トレーニング60分後、24時間後で有意に短縮した。
結論:事前の中等度有酸素性運動が空間記憶トレーニング効果を促進し、さらにその効果を少なくとも1日後まで維持させることが明らかとなった。
…という内容になります!
私が行っている研究は認知症予防を目指しており、これから益々需要が高まる分野でもあります。そのため、より多くの方に、今回の研究を知ってもらい、運動の重要性や有効性を感じていただけたら、と思っています。
学科セミナーでは、審査会の予演会として研究報告をさせていただきました。
これまで、同じ分野の研究を行っている方々の中では何度も発表させていただいてきましたが、今回は違う分野の方も多い学科の先生方に向けての発表だったため、今までに無い視点からのご質問やご指摘をいただくことができ、貴重な時間となりました。
また、学科の先生方には、前回発表した際にもたくさんのアドバイスをいただきましたし、修士論文作成中にも、学内ですれ違う度に「修論どう?」「もう少し頑張ってね!」などとたくさん声をかけていただき、様々な場面で力をもらっていました。支えてくださった先生方の前で研究報告をする機会をいただけたこと、感謝しております。
学科セミナーの1週間後に審査会が行われました。この1週間の間にも、何度も練習をし、最後の最後まで修正を重ねて、一番良い発表ができるように準備を進めました。
当日は、練習のおかげで落ち着いて発表することができ、来てくださった方々に研究内容をしっかり伝えることができたと思います。
その後の質疑応答も、緊張はしましたが、普段の勉強会よりは受け答えがスムーズにできたと思います!
(今までは、「論文読んだはずだけど覚えていない…。」「そこまで詳しく読めていなかった…。」「ぼんやり覚えているけど嘘を伝えてはいけないし…。」など、知識不足や準備不足から、うまく言葉にできないことも多々ありました💦)
審査会では、今まで以上に準備をしてきたので、最後は自分の考えを伝えることができたと思います。
論文作成、提出から審査会まで、無事に終えることができました。
間違いなく、1人ではここまでやりきれなかったので、支えてくださった皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。
これから、もう少し論文を修正したり、投稿の準備をしたりと、作業は残っているので、最後までしっかりと頑張りたいと思います!
(2019年1月25日)
以下、修士論文審査会前に行われた1月の研究セミナーの様子です。
中野沙紀さん
セミナー会場の様子
質問をする小野まどか先生
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/ono.html
質問をする佐藤晶子先生
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sato_a.html
質問をする越中敬一先生
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/koshinaka.html
質問をする馬場康博先生
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/baba.html
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大学院は「研究」をする場所です。
「研究ってなんか難しそう」って思う人もいるかもしれませんね。
でも、みなさんは普段何らかの疑問をもっていませんか?
たとえば、「どうすれば速く走れるようになるの?」「運動をした後にはどんな食事がいいの?」といった疑問をもったことはありませんか?
まさに、そんな小さな、そして身近にある疑問を改善、解決しようとする試みが「研究」です。
もちろん、簡単に改善、解決することはできません。
「研究」と向き合い、じっくり時間をかけて考え、論文としてまとめることは楽(ラク)なことではありません。
でも、自分で抱いた身近な疑問を解決することは、意外と「楽しい」ものです。
今年度修了する3人は、それぞれ「研究」と向き合ってきたはずです。
その過程で、楽しいこと、辛いことなど、いろいろあったと思います。
しかし、その過程を経たことは専門性をより深め、替え難い経験を得たはずです。
これから3人は「修士号」をもった人として、つまりより専門性のある人材として社会で活躍してくれるはずです。
今後の彼らの活躍がとても楽しみです。
健康スポーツ学科
https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/