2月の学科研究セミナー報告 2
いきいき放送局へようこそ!
本日は2月の学科研究セミナー第2弾で、武田先生の研究報告です。
武田先生はスポーツ政策に関する研究を進めています。
今回の研究セミナーの内容は・・・
これからの地方自治体におけるスポーツ推進の組織体制はどうあるべきか?
-村上市を例にして-
背景
日本のスポーツ政策は、2000年にスポーツ振興基本計画の策定、
2011年にスポーツ基本法の制定、2015年にスポーツ庁の設置というように、
2000年前後から積極的な動きを見せている。
一方、日本の社会は人口減少や高齢化率上昇の問題に直面しており、
2040年には20~39歳の女性が人口の5割以下になる市町村が多数生まれ、
市区町村の消滅可能性も危惧されている。
つまり、国は積極的にスポーツ政策を進めているが、それらを実質的に担う
市町村では、スポーツ行政の仕組みに限界が生じているのが現状である。
目的
そこで本研究では、我が国のスポーツ政策における「国・県・市」の
垂直な組織体系の限界に注目し、これまでのスポーツ行政の制度的な限界が
起きているのではないかという仮説のもと、今後の地方自治体における
スポーツ推進の組織体制を明らかにすることを目的とした。
研究の課題として、実際にスポーツ行政の推進体制を検討している
村上市を事例に、①法制度論及び行政学的視点から、現状の問題を整理・検討し、
理想の体制を構築すること、②政治学及び政策過程的視点から、
現実の体制が成立する過程を分析すること、
③理想の体制と現実の体制を比較・検討し、その原因を分析することとした。
方法
課題①では、体育協会、スポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブ、
スポーツ推進委員といったスポーツ行政の関係組織を対象として、
法制度、補助金及び委託費、組織体系、事業内容について明らかにすることとした。
分析の視点としては、以下の2点が挙げられる。
第1が、組織体制の整理統合の必要性及び内容である。
つまり、整理統合は何のために必要なのか、誰のためなのか、また、業務の
効率化といった側面から合理化できることメリットを検討していかなればならない。
第2が、補助金の正当性である。つまり、市体育協会と行政は非常に密接な関係に
あり、補助金を削減することが必要なのか、スポーツの公共性の視点から捉えると
財政的な支援は正当化されるのではないかといったことを
検討していかなければならない。
また、市体育協会は法人格を有しない任意団体であるため、
今後はどのような組織体系にするべきなのかといった内容も含めて
検討していく必要がある。
このように国が推し進めるスポーツ政策を地域レベルでどのように
発展・普及させていくことができるかについて研究しています。
みなさんもスポーツを地域レベルで発展させていく方法を、
武田先生と一緒に考えてみませんか?