7月の研究セミナー1 ~修士課程2年 本間翔太郎君~
健康スポーツ学科では、教員だけではなく、大学院生も研究セミナーで発表をしています。
7月の研究セミナーでは、修士課程2年の本間翔太郎君と石田航君が発表を行いました。
彼らの発表内容は修士論文へとつながっています。
今回、本間君の発表内容を紹介します。
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【タイトル】
VR技術によるバスケットボール指導者の状況認知
【目的】
本研究の目的はバスケットボールの熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることである。本研究の目的が達成されることによって、バスケットボール指導者の育成ならびに指導力向上へつながることが期待される。
【方法】
360度全方位録画可能なVRカメラにて撮影したVR映像を指導歴の違う3名の指導者に視聴してもらい、オンゴーイング(注1)で何を認知しているか語ってもらった。
それらの語りをもとに、バスケットボールを経験した3名の大学生でバスケットボール特有の7つの観点でカテゴライズ(分類)した。その観点は視覚状況、期待予測、過去の振り返り、賞賛、批判、指示的、支援的の7つである。
なお、カテゴライズの過程(語りの分類の過程)を文字起こしすることで(カテゴライズのオープン化によって)、研究の信頼性と妥当性を確保した。
【結果・考察】
研究の結果、熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴が明らかにされた。その1つとして、熟達指導者は選手のある1つのプレーだけではなく、時間幅を持ったプレーに対して賞賛を与えているが、一方で未熟達指導者はある1つのプレーだけに賞賛を与えることが明らかにされた(たとえば、熟達指導者はリバウンドから速攻に移った一連のプレーに対して賞賛するが、未熟達指導者はリバウンドに対してだけ賞賛を与えるということである)。
【結論】
熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることによって、未熟達指導者は熟達指導者の状況認知を学習することができると考えられる。すなわち、指導者養成ならびに指導力向上のための有用な知見になると考えられる。
注1)オンゴーイングとは、映像を視聴しながら、その時々に感じたこと、思ったことを言葉に発する方法である。
本間翔太郎君(大学院2年生)
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健康スポーツ学科の教員、大学院の学生が、本間君と石田君の発表を聞きました。
7月研究セミナーの様子
本間君も石田君も、先生方の前で発表することになり、とても緊張したことでしょう。
その緊張の中、先生方の質問に一生懸命に答えていました。
今後、本間君の研究がより良いものとなるよう願うとともに、学科の教員はそのための支援をしていきます。
共に、がんばろう!!
新潟医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 健康科学専攻 健康スポーツ学分野
https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html