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2013年11月22日 (金)

大学は何をするところか

乙女先生virgoが春からがんばってブログを書いてくれているので
少し彩りをそえようと(文字ばっかりだけど)、期間限定で参加しています
栗ごはんの季節は終わってしまいましたが、時々登場しますので受験の気分転換にでも


先日ご紹介した森博嗣さん
『喜嶋先生の静かな世界』(講談社文庫)はご存知ですか?

一人の大学生が研究を通して成長してゆく日々が綴られた、静かな静かな小説です

第1章では「学生の卒業研究のあるべき姿」が描かれています
(私は「こんな学生なら教えがいもあるよな~」と教員目線で読んでしまいましたが・・・・)

第2章以降は、大学院生から研究者に成長するまでが描かれます
一般的な学部生が決して知ることのない、大学院独特の世界をのぞくことができます
そして、大学のダークサイドもちらり、と


こんな会話がでてきます

僕      「この問題が解決したら、どうなるんですか?」

喜嶋先生 「もう少し難しい問題が把握できる」


私は、この会話に研究の全てがつまっていると思う


ちゃんと学び、ちゃんと研究をしてきた経験のある人たちが、なぜか必ず口にする言葉がある「耐えて耐えて、それでも学ぶのを止めずに耐え続けていると、ある日突然、パーッと視界が開けることがある」
・・・・・・・・この世界をみるために研究ってあるのかもしれない


かつての私のゼミ生でも、
(残念なことに)一人だけではあるが、この言葉を口にした学生がいた
本人は自覚してなかったかもしれないけど

彼は彼なりに真剣に卒業研究と向き合っていた
そして、独りでちゃんと次の難しい問題を把握する力をつけて旅立った


『喜嶋先生の静かな世界』

この小説は、

これから大学生になる人に、

今、大学生のあなたに、

かつて大学生だった方に、

ぜひ読んでもらいたい本です

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