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2019年2月 8日 (金)

The qualitative Resport tenth annual conference

こんにちは。STkouhouです。

 

本学科の桒原先生が、1月16日~18日の間フロリダで開催された国際学会に参加・発表されました!!

 

桒原先生の紹介はこちら

 

学会名はThe qualitative Report tenth annual conferenceです。

この学会では、様々な分野の研究者が、質的研究の方法論について研究成果を発表します。

 

質的研究とは、数字で表すだけでなく、インタビューなどの言葉をデータとして、分析する研究方法です。

桒原先生は、この質的研究のうち、エスノグラフィ(Ethnography;民族誌)という方法を用いて、聴覚障害者の研究を行っています。

 

会場は、フロリダ州の都市、フォートローダーテール(Fort Lauderdale)にある、Nova southeastern 大学です。

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全米でも最大規模を誇る、非常に大きな大学でした!

 

質的研究を行っている研究者はたくさんいますが、研究方法を学生にどう指導するか、という点では、まだ十分検討されていません。

桒原先生は、昨年卒業した学生の卒業研究で質的研究を使って指導した経験について、今回の学会で発表されました。

  

下記に桒原先生のコメントを掲載いたします。


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上の写真は今回の学会の冊子、下の写真はその中に掲載された私の発表要旨です。

 
発表の題名は、『家族の歴史:聴こえない親と聴こえる子どもたち-家庭でどのようにコミュニケーションしているのか?』です。

 
 
私のゼミに父親がCODA(聴こえない親の聴こえる子ども)の学生がいました。

彼女の祖父母は1950年代から1960年代の口話教育のみの聾学校で教育を受けていました。正規の手話は習得できず、家庭の中では「わたしらのことば」と呼んでいるホームサインを使ってコミュニケーションをしています。

この特殊な家庭の中で、親たちはどのように子育てをし、子どもにどうやってはなしことばを身につけさせたのか、また子どもたちは聴こえない親たちに育てられた経験をどのように感じているのか、インタビューにより家族の歴史を紐解いていくことで明らかにしていきました。

このように学生が質的研究方法の一つエスノグラフィ(民族誌)を短期間で修得するまでの過程について考察しました。

 

私たち大学教員が学生へどのように指導しているのか、意見交換をする場はほとんどありません。この学会参加は、そのような意味で大変貴重な経験でした。

質的研究方法を教えるのは至難の業です。

まだまだ学ぶことがたくさんあることを実感しました。フロリダまで行って良かったです。

また、研究方法を論じ合う学会なので、色々な分野の人が集まります。

心理学、教育学、医学、法学、社会学、経営学の専門家たちが質的研究方法を選んで研究をしていることを知りました。

また世界各地、インド、フィリピン、ベルギー、スロベニア、ギリシアの人たちと知り合いになりました。

  

学会の会場はNova Southeastern Universityでゴルフ場みたいに広大な大学です。

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残念ながら学会期間中は、アメリカの東海岸を襲った寒波のため、フロリダも気温が低く、寒くて仕方なかったです。

朝食、昼食、夕食すべて学会が会場に準備してくれて、みんなで意見交換しながら食べてましたので、ほとんど缶詰状態だったのですが、そんな中、昼間は暇さえあれば太陽に当たるようにして、夜はお風呂に何度もつかって、暖を取っていました。

 
これから言語聴覚士を目指すみなさんも、学校を卒業して専門家になってから、学会で発表したり研究会やワークショップに参加して、たくさん勉強を続けてください。楽しいですよ。


 

桒原先生、貴重なご経験をお話しいただきありがとうございました!

桒原先生のご紹介されたCODA研究は、聴覚障害者の臨床に関わる言語聴覚士にとって大変興味深いものです。

ご興味のある方はぜひ、本学言語聴覚学科をご検討ください!!

 

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