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2018年9月12日 (水)

日本体育学会 口頭発表(体育科教育領域)~若井由梨先生~

 

 

学会は、それぞれの研究者が自身の研究成果を発表する場となっています。

 

発表の方法は「口頭発表」と「ポスター発表」の2つあります。

 

口頭発表では、パワーポイントを使って、決められた時間内に自身の研究成果を聴衆に伝えます。

 

一方で、ポスター発表では、自身の研究成果を1枚のポスターにまとめ、それを説明しながら研究成果を聴衆に伝えます。

 

発表者は、どちらの方が自身の研究成果を聴衆に伝えることができるのかを考えて発表方法を選びます。

 

今回、口頭発表で研究成果を聴衆に伝えた若井由梨先生の発表内容を紹介します。

 

以下、若井先生からの報告です。

 

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日本体育学会第69回大会が徳島大学において、私は体育科教育領域にて口頭発表を行いました。

私は新潟医療福祉大学ダンス部の監督として指導をしながら、ダンス授業に関する指導法について研究を行っています。

 

今回の学会では、現在行っている調査研究について発表しました。

 

タイトルは、「表現運動・ダンスの授業における実態把握―現職教員が感じる『困っていること』の解決に向けてー」です。

 

より良い研究となるように、昨年度から少しずつ準備を重ねてきました。

そして、新潟市内全ての小・中学校の現職教員(各学校の体育主任)を対象にして、質問紙による郵送調査法を用いて研究を進めてきました。

対象となる体育主任の先生方に、以下の質問項目への回答を求め、その結果をまとめました。

 

①ダンスの授業をどのような内容で構成して行っているか

②授業を行う中での困難さ、指導の中での課題意識は何か

③指導法を獲得した手段(大学時の授業、教職に就いて以降の研修会等)はどのようなもので、どのように現在の指導に活かされているか

 

今回の学会では、特に②授業の中で現職教員(体育主任)が「困っていること」に焦点を当てて考察したものを発表しました。

その際に、経験豊富な教員と経験の浅い教員にわけ、それぞれのグループの教員が「困っていること」の質がどのように異なるのかを、両グループの比較を通して考察しました。

そして、その考察を基に、今後どのような研修会が必要になるのか、また教員養成課程(大学など)ではどのような教育が必要になるのかをまとめました。

 

今回の学会発表は、限られたデータを基に基礎的資料を、という模索の段階です。

今後、さらにサンプル数(質問紙に応じてくれる教員の数)を増やし、客観的な指標となるデータを集め、より現職教員の方々にとって、より有益な資料となるように研究を進めていきたいと思っています。

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演者:若井由梨先生

 

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若井先生は、ダンス部の監督を務めながら授業、研究に日々奮闘しています。

 

 

現在、体育においてダンスは必修科目となっています。

小学校、中学校、高校ではダンスの授業を行わなければなりません。

したがって、学校の先生は、生徒にダンスを教えなければならないのです。

 

しかし、武道・ダンスが必修化されるまでは、先生はそれを教える必要はありませんでした。

また、なじみのないスポーツや運動を教えることは、体育の先生といえども容易なことではありません。

とりわけ、小学校の先生の多くは体育を専門としないことが多いといえます。

 

このような背景もあり、現職の教員は「困っている」のです。

 

若井先生の研究の出発点は、そのような「現場の声」に基づくものであり、「どうすればダンスの授業を充実させることができるのか」ということです。

 

このような現状をより良くするためには、まず、現場の教員は「具体的にどんなことに困っているのか」を明らかにする必要があります。

若井先生のタイトルにあるように、まさに「実態を把握」する必要があるのです。

これを明らかにすることによって、改善策を打ち立てるヒントを得ることができるからです。

 

 

ダンスが必修化されることで、身体運動を通して、豊かなこころ、鋭敏な感受性、多様な表現力を身につけられることが期待されます。

そしてそれは、子どもたちが社会に羽ばたく時に、相手のこころを察する、喜怒哀楽を適切に表現できる、他者と積極的にコミュニケーションを取れる、といったことにつながるはずです。

 

ダンスのもたらす効果は大きいと考えられたとしても、その効果を享受するためには授業を充実させる必要があります。

 

1つの研究で世の中を劇的に変えることはほぼ不可能です。

 

しかし、地道な研究活動が少しずつ世の中をより良い方へ導いてくれるはずです。

 

 

嬉しいことに、本学のダンス部は知名度も徐々に高まっています。

だから、「新潟医療福祉大学でダンスをしたい!!」と意気込んで入学する学生もいます。

 

評定競技領域に位置づけられるダンスは動きの出来映えを競います。

芸術性を競うという点においては、サッカーやバレーボール、また陸上競技とは異なります。

しかし、そんなダンスも研究対象となっているのです。

 

「どうすればもっとうまく踊れるようになるのか」「どうすればより良いダンスの授業をつくることができるのか」「ダンスを普及させるためにはどんなことが必要なのか」といったことに疑問をもつ人がいれば、ぜひ、本学科で若井先生をはじめ、それぞれの領域の先生(研究者)と一緒に学びましょう!!

 

 

 

 

若井由梨先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/wakai.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

新潟医療福祉大学 ダンス部HP

https://nuhw-dance.jimdo.com/

 

 

新潟医療福祉大学 ダンス部twitter

https://twitter.com/nuhwdddance

 

 

新潟医療福祉大学 ダンス部instagram

https://www.instagram.com/nuhwdance0311/

 

 

新潟医療福祉大学 ダンス部ブログ

http://nuhw.blog-niigata.net/dance/

 

 

新潟医療福祉大学 スポーツ教室

https://www.nuhwsc.com/

 

 

 

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