専門的なお話し Feed

2019年7月12日 (金)

下門洋文先生の研究がイギリスの科学雑誌に掲載!

いきいき放送局へようこそ!

 

本日は大学の先生のお仕事の一つ、研究活動についてご紹介いたします。
下門洋文先生(クリック)はスポーツバイオメカニクス、運動疫学が専門です。

下門先生のグループの研究成果が、この度イギリスの権威あるスポーツ科学雑誌「Journal of Sports Scineces」に掲載されました。

 

■研究内容
スイマーは足関節が柔らかく、水泳のキック動作で水を後方へと押すことができるため速く泳ぐことにつながると考えられていました。
この研究では、テーピングを用いてスイマーの足関節の柔軟性をコントロールし、モーションキャプチャという動作解析システムを使って足の動きを詳細に分析し、これがキック泳速度に影響するかどうかを調べました。

Dsc_0652

図1 モーションキャプチャでスイマーのキック動作を計測している様子


その結果、足関節が固いかどうかよりも、むしろ足の前側の柔軟性が泳スピードに影響していることが初めて分かりました。
速く泳ぐためには、足首の柔軟性ばかりではなく、けり下ろし動作で最終的に水に力を伝えることができる足の先端の柔らかさが影響しているかもしれません。

 

■掲載された論文
Hirofumi Shimojo, Rio Nara, Yasuhiro Baba, Hiroshi Ichikawa, Yusuke Ikeda, Yoshimitsu Shimoyama. Does ankle joint flexibility affect underwater kicking efficiency and three-dimensional kinematics? (足首の柔らかさは水中キック泳の効率と三次元的な動きに影響するのか?) Journal of Sports Sciences [掲載準備中]

英語の原文はこちらをクリック

詳しくはSHAINの研究紹介ページをご覧ください → こちらをクリック

 

研究は、簡単にいえば世の中に無かった新しい知識を作り出す作業であって、科学雑誌への掲載が主な活動になります。
科学雑誌に論文を掲載させることはすごく大変で、海外の雑誌になると英語で書かなければなりません。
実は健康スポーツ学科の卒業生でそれを成し遂げている人が既におります、現在博士課程に在籍する山﨑雄大さんの記事を是非見てください(こちらをクリック)!

運動・スポーツの研究はすごくチャレンジングな作業ですが、とても魅力的です!
健康スポーツ学科には日本だけでなく世界的にも有名なスポーツ科学の専門家がたくさんいます。
 

このブログの中でも、健康スポーツ学科のすごい先生方・先輩方を紹介していきたいと思います!

2019年6月26日 (水)

6月研究セミナー1 ~塙晴雄先生~

 

サルコペニアにおける骨格筋の変化の検討

―サルコペニア動物モデルにおける骨格筋の遺伝子発現の変化―

塙 晴雄

 

[背景]

サルコペニアとは、「加齢性筋肉減少症」ともいい、単に筋肉量の減少だけではなく、筋力と身体機能も低下した状態を示す。加齢による原発性サルコペニアの他にも、内科や整形外科疾患によるサルコペニアもあり、進行すると転倒や要介護状態、合併症の頻度、死亡のリスクなどが高まることが明らかになっている。

 

[目的]

内科疾患、整形外科疾患などによりサルコペニアをきたした骨格筋の変化(遺伝子発現の変化)を調べることである。

 

[方法]

重症心不全や関節炎モデルでもある自己免疫性心筋炎ラットを用いて、サルコペニアをきたす骨格筋(半膜様筋)の遺伝子発現(PGC1-α、マイオネクチン/エリスロフェロン、FNDC5)を定量的RT-PCRにて調べた。

 

[結果]

自己免疫性心筋炎ラットは体重減少、骨格筋の萎縮、平均最大短径の減少などサルコペニアを呈した。半膜様筋のPGC1-α、マイオネクチン/エリスロフェロン、FNDC5の遺伝子発現が有意に低下していた。

 

1

  

2

 

[総括]

骨格筋は運動によって最も影響をうける臓器であり、様々な内科疾患との関わりを調べることによって、運動療法の新たなバイオマーカーや新たな治療薬の開発につながる可能性があると考える。

 

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塙晴雄先生(クリック)

 

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当日、多くの先生方が集まり、塙先生の研究発表を聞きました。

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塙先生の発表の様子

 

そして発表後、市川浩先生(クリック)佐藤大輔先生(クリック)から質問がありました。

 

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市川浩先生

 

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佐藤大輔先生

 

 

月に一回行われる研究セミナーにおいて、健康スポーツ学科の教員は各教員の研究について理解を深めるとともに、それぞれの研究力を向上させるよう努めています。

 

研究には終わりがありません。

 

このように、学科の教員がそれぞれの専門分野の研究を地道に進めることで、学科はより魅力的になり、教育の質も向上していきます。

 

学生と同様に、いや学生以上に、教員も日々勉強(研究)に打ち込んでいます。

そんな教員が集まる健康スポーツ学科で学べることは「とても幸せなこと」だと思いませんか?

 

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

2019年5月30日 (木)

5月の学科研究セミナー(佐藤大輔先生) ~「脳」の研究について~

 

 

前回、西原先生の研究内容を紹介しました。

今回、佐藤大輔先生(クリック)の研究内容を紹介します。

以下、佐藤先生に研究セミナーの内容を紹介して頂きます。

 

 

― ― ― ― ― ― ― ―

 

健康スポーツ学科では、1カ月に1回、各先生の研究内容を紹介する

「学科研究セミナー」を開催しています。

 

今回は、佐藤大輔が紹介する機会をいただきました。

 

私は、現在、「新しい脳の評価法」の開発を目指しています。

私たちの脳の中には、数えきれないほどの神経細胞があります。

私たちは、その神経細胞が「必要なときに」、「必要な分だけ」はたらくことで、考えたり、動いたりしています。

ただ、残念ながら、脳の神経細胞がどんな風に働いているかについては、分からないことが沢山あります。

 

その中で、私は「アセチルコリン」という神経と神経をつなぐバトンである神経伝達物質を評価する方法を開発しています(イメージは下のイラストのような感じです)。

 

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本学にある、「核磁気共鳴イメージング装置(MRI、エムアールアイ)という脳の中を調べる装置」と「経頭蓋磁気刺激装置(TMS、ティーエムエス)という脳を刺激する装置」を組合せることで、アセチルコリンの役割について調べています。

 

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研究は、「誰も知らないことを、世界で初めて知る」チャンスです。

運動と脳について、一緒に調べたい人、募集中です!!

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佐藤大輔先生

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フロアには多くの先生が集まりました。

 

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発表後、フロアの先生から質問がありました。

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中央:質問をした越中敬一先生(クリック)、左:佐藤晶子先生

 

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小野まどか先生(クリック)

 

 

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左:杉崎弘周先生(クリック)、右:佐藤大輔先生

 

 

健康スポーツ学科の先生達は、「健康」「スポーツ」「教育」の「専門家」です。

ただ、実は、お互いの研究については、知らないことが沢山あります。

だから、研究セミナーを有効に活用して、先生同士で「学び」合っています。

 

高校生のみなさん、オープンキャンパスでは、そんな健康スポーツ学科の先生と話す機会があるので、ぜひ、一度大学に来て、先生といろんなことを話してみてはいかがですか?

 

新潟医療福祉大学 2019年度オープンキャンパス情報

https://www.nuhw.ac.jp/applicant/event/

 

健康スポーツ学科 教員紹介

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher.html

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2019年5月27日 (月)

私の研究への取り組みの考え方 –進めている研究紹介から-  西原康行先生

 

5月の健康スポーツ学科では、西原康行先生(クリック)佐藤大輔先生(クリック)の研究内容の紹介が行われました。

 

今回、西原先生の研究を紹介します。

以下、西原先生に研究セミナーの内容を紹介して頂きます。

 

― ― ― ― ― ― ― ―

私は30年近く研究に携わり、そろそろ研究人生のゴールが見える成熟期を迎えています。

そこで、現在、どんな考え方で研究に取り組んでいるのかご紹介します。

 

1つ目は、「管理職の息抜きとして研究を行なう」という意識に変わったことです。

20代から40代までは「スポーツの現場のため」といった意識で研究に取り組んでいました。

それが40代後半から管理職になり、目的ではなく手段として研究に取り組んでいます。

そういう意味では今は研究者として邪道なのかもしれません。

 

2つ目は、教育・社会貢献など大学人としてやるべき仕事に研究を入れています。

40代後半からは、様々なことを行ないながら研究に取り組むことが求められます。

そのため、無駄を省き、やる気を高めて活動するためにこのような意識を持っています。

 

3つ目は、研究を面白がるということです。

「この研究を論文にしたら、査読者がどう反応するだろう」と面白がることです。

このような意識で現在大きく3つの研究を走らせています。

ほぼ終盤に入っている研究として、

「地域スポーツクラブスタッフ研修における学びの研究」があります。

これはそろそろ論文として仕上げていきたいと思います。

 

2019年から2020年を目途に行なっている研究として、

「アイトラッキングによる認知構造と学び」があります。

この研究は実験データを収集中で、今年度の国際学会で披露します。

 

2019年から2021年までを目途に行なっている研究として、

「VR動画アノテーションのデジタルアーカイブ化」があります。

 

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 VR動画の実験データ収取の様子

  

 

   

2

VRアノテーションのイメージ図

 

 

この研究は科学研究費基盤研究(B)として今年度から本格的に取り組みます。

コーチや体育教師がスマホなどで気軽に熟達指導者の指導や認知を観られるようにします。

 

また、論文にはしませんが、昨今話題となっている部活動について

「部活動指導者の仕事のカテゴライズ化」等のデータを収集してまとめました。

 

さらに、

「新潟シティマラソンの経済効果」についても明らかにしました。

 

この2点は論文になるかもしれませんが私の研究者としてのプライドとして投稿しません。

なぜかについて知りたい方は、私にお尋ねください。

上記のような研究について興味を持ったり、議論したい方は、是非私に連絡を!!

お待ちしています。

 

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西原康行先生

― ― ― ― ― ― ― ―

 

 

当日、多くの先生方が集まりました。

 

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発表の後にはフロアから質問がありました。

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武田丈太郎先生(クリック)

 

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左:佐藤大輔先生(クリック)

 

 

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左:杉崎弘周先生(クリック)、右:西原康行先生

 

 

 

高校生のみなさんは、なかなか大学の先生と話す機会はないと思います。

そんな数少ないチャンスとしてオープンキャンパスがあります。

 

オープンキャンパスには健康スポーツ学科の先生もいます。

もしかしたら、その日に気になる先生がいるかもしれませんよ。

ぜひ、一度オープンキャンパスに来てください♪

 

ちなみに、次のオープンキャンパスは6月16日(日)に行われます。

詳細は以下のリンクをご覧ください。

https://www.nuhw.ac.jp/applicant/event/opencampus/

 

 

 

この日に行われた佐藤大輔先生の研究内容は5月30日に公開します。

お楽しみに☆

 

 

新潟医療福祉大学 2019年度オープンキャンパ情報

https://www.nuhw.ac.jp/applicant/event/

 

健康スポーツ学科 教員紹介

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher.html

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2019年5月20日 (月)

卒業研究の完成に向けて ~健康スポーツ学科4年霜田雄大~

 

 

こんにちは。

健康スポーツ学科4年の霜田雄大です。

今回、私が現在取り組んでいる卒業研究について紹介します。

 

私は市川浩先生のゼミで「ハンドボールのサイドプレーヤーにおける決定率と勝率の関係性」といった内容の卒業研究に取り組んでいます。

 

研究の背景としては、ハンドボールにおいてサイドプレーヤーはボールを回すことよりも受けたボールを確実に得点に繋げる場面が多くなるため、サイドプレーヤーの決定率が勝敗に大きく関わってくるのではないかと考えた次第です。

また、ハンドボールに関する研究が少なかったといった点もこの研究を始めようと考えたきっかけです。

 

研究方法は、ハンドボール部の先生から新潟医療福祉大学の試合映像を頂き、そこから各チームのシュート数・成功率・速攻数・ミス(ターンオーバー数)・ポジション別のシュート成功率をまとめて、そのデータを考察し、結論を出すといったやり方をとっています。

 

まだ研究の途中ではありますが、私が決めた研究内容が卒業研究として不十分となる可能性があるので、本来取りたいデータの他にも様々なデータを取っています。それにより他のチームの戦術や弱点などが見えてくるので、とても面白い研究になっています。

 

市川先生と面談を重ねて12月上旬にこの研究テーマが決定し、4か月が経過しました。

失敗を重ねながら、少しずつではありますが研究を進めることができています。

この研究をなんとか形にできるように、研究の方を進めていきたいと思います。

 

以下、研究中の写真になります。

 

 

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私がハンドボールを始めたきっかけは、大学生活で何か新しいものを始めようと思っていたところでたまたま友人からハンドボールの誘いがあり、始めました。

最初は上手くいきませんでしたが、少しずつできることが増えていき、気が付いたらハンドボールの虜になっていました。

ハンドボールは日本ではメジャースポーツではありませんが、ヨーロッパでは人気のスポーツです。

私とても魅力的なスポーツだと思います。

是非、一度体験してみてはどうでしょうか。

 

 

新潟医療福祉大学ハンドボール部twitter

https://twitter.com/nuhw_hc

 

 

市川浩先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/ichikawa.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2019年3月15日 (金)

学科セミナー・審査会を終えて ~修士課程2年 中野沙紀さん~

 

今週、今年度修士課程を修了する3人の学生の研究を紹介してきました。

最後は、中野沙紀さんです。

 

― ― ― ― ― ― ― ―

 

こんにちは。

修士課程2年 中野沙紀です。

1月16日の学科セミナーと、1月23日の修士論文審査会についてご報告させていただきます!

 

私の研究内容については以下の通りです ▽

 

テーマ:有酸素性運動が空間記憶トレーニングに与える影響

 

目的:実験1リカンベントエルゴメーターを用いた中等度有酸素性運動によって、AlphaおよびBeta oscillationを増大させることができるか否かを検証すること。

実験2 リカンベントエルゴメーターを用いた事前の中等度有酸素性運動が、空間記憶トレーニングのプレコンディショニングとして有用であるか否かを検証すること。

 

方法:実験1 運動試技とコントロール試技の2試技を実施し、介入前後、10分後、20分後および30分後に脳波の計測を行った。Fp1、Fp2、Fz、Cz、Pz、Ozを測定領域とした。

実験2 運動群、対象群とし、介入後に空間記憶課題10セットをトレーニングとして行い、トレーニング15分後、30分後、45分後、60分後および1日後に再度同課題を行った。実験1、2共に運動は事前に測定したVO 2peak の50%強度で20分間のペダリング運動とした。二次元気分尺度(TDMS)を用いて覚醒度の評価も同時に行った。

 

結果:実験1 Alpha oscillationは、測定した全ての領域で運動後10分まで活動の増大が認められた。Beta oscillationは、CzとPzのみで運動後10分まで活増の増大が認められた。覚醒度は、運動直後および3分後に運動試技で高値を示した。

実験2 空間記憶課題の反応時間は、運動群において、トレーニング1回目と比較して、

トレーニング8回目、9回目、トレーニング15分後、30分後、45分後、60分後、24時間後で有意に短縮した。対象群は、トレーニング1回目と比較して、トレーニング9回目、トレーニング60分後、24時間後で有意に短縮した。

 

結論:事前の中等度有酸素性運動が空間記憶トレーニング効果を促進し、さらにその効果を少なくとも1日後まで維持させることが明らかとなった。

 

…という内容になります!

私が行っている研究は認知症予防を目指しており、これから益々需要が高まる分野でもあります。そのため、より多くの方に、今回の研究を知ってもらい、運動の重要性や有効性を感じていただけたら、と思っています。

 

 

学科セミナーでは、審査会の予演会として研究報告をさせていただきました。

これまで、同じ分野の研究を行っている方々の中では何度も発表させていただいてきましたが、今回は違う分野の方も多い学科の先生方に向けての発表だったため、今までに無い視点からのご質問やご指摘をいただくことができ、貴重な時間となりました。

 

また、学科の先生方には、前回発表した際にもたくさんのアドバイスをいただきましたし、修士論文作成中にも、学内ですれ違う度に「修論どう?」「もう少し頑張ってね!」などとたくさん声をかけていただき、様々な場面で力をもらっていました。支えてくださった先生方の前で研究報告をする機会をいただけたこと、感謝しております。

 

学科セミナーの1週間後に審査会が行われました。この1週間の間にも、何度も練習をし、最後の最後まで修正を重ねて、一番良い発表ができるように準備を進めました。

 

当日は、練習のおかげで落ち着いて発表することができ、来てくださった方々に研究内容をしっかり伝えることができたと思います。

 

その後の質疑応答も、緊張はしましたが、普段の勉強会よりは受け答えがスムーズにできたと思います!

 

(今までは、「論文読んだはずだけど覚えていない…。」「そこまで詳しく読めていなかった…。」「ぼんやり覚えているけど嘘を伝えてはいけないし…。」など、知識不足や準備不足から、うまく言葉にできないことも多々ありました💦)

 

審査会では、今まで以上に準備をしてきたので、最後は自分の考えを伝えることができたと思います。

 

 

論文作成、提出から審査会まで、無事に終えることができました。

間違いなく、1人ではここまでやりきれなかったので、支えてくださった皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございました。

 

 これから、もう少し論文を修正したり、投稿の準備をしたりと、作業は残っているので、最後までしっかりと頑張りたいと思います!

(2019年1月25日)

 

 

以下、修士論文審査会前に行われた1月の研究セミナーの様子です。

 

 

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中野沙紀さん

 

 

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セミナー会場の様子

 

 

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質問をする小野まどか先生

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/ono.html

 

 

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質問をする佐藤晶子先生

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sato_a.html

 

 

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質問をする越中敬一先生

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/koshinaka.html

 

 

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質問をする馬場康博先生

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/baba.html

 

― ― ― ― ― ― ― ―

 

大学院は「研究」をする場所です。

「研究ってなんか難しそう」って思う人もいるかもしれませんね。

 

でも、みなさんは普段何らかの疑問をもっていませんか?

 

たとえば、「どうすれば速く走れるようになるの?」「運動をした後にはどんな食事がいいの?」といった疑問をもったことはありませんか?

 

まさに、そんな小さな、そして身近にある疑問を改善、解決しようとする試みが「研究」です。

 

もちろん、簡単に改善、解決することはできません。

「研究」と向き合い、じっくり時間をかけて考え、論文としてまとめることは楽(ラク)なことではありません。

でも、自分で抱いた身近な疑問を解決することは、意外と「楽しい」ものです。

 

今年度修了する3人は、それぞれ「研究」と向き合ってきたはずです。

その過程で、楽しいこと、辛いことなど、いろいろあったと思います。

しかし、その過程を経たことは専門性をより深め、替え難い経験を得たはずです。

 

これから3人は「修士号」をもった人として、つまりより専門性のある人材として社会で活躍してくれるはずです。

 

今後の彼らの活躍がとても楽しみです。

 

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2019年3月13日 (水)

学科セミナーの研究報告と修論審査会を終えて ~修士課程2年 佐々木悠介君~

 

 

おとといから、今年度大学院修士課程を修了する3人の学生の研究を紹介しています。

今日は、佐々木悠介君の内容です。

 

― ― ― ― ― ― ― ―

 

今回、1月16日の学科セミナーにて修士論文の内容を発表する機会を頂きました。

発表させていただいた内容は「跳躍動作の筋シナジーの抽出と技能評価への応用可能性」です。

 

筋シナジーについては当ブログ「体力医学会参加報告」に記載しているのでそちらもご参照ください(リンク→http://nuhw.blog-niigata.net/hs/cat6842079/?p=2)。

 

今回の報告では、中間発表時点から対象者数を増やし、個人個人から得られた筋シナジーから垂直跳び、立ち幅跳びの種目特異的な筋シナジーの抽出を行いました。

その結果、垂直跳びからは2種類の筋シナジー、立ち幅跳びからは3種類の筋シナジーが抽出されました。

また筋シナジーを用いて、垂直跳びや立ち幅跳びの技能評価が可能を検討したところ、筋シナジーに対する各筋の貢献度や、筋シナジーの組み合わせによってパフォーマンスが異なり、筋シナジーを用いた技能評価が可能である可能性が示唆されました。

跳躍動作の筋シナジーについては報告されていなく、本研究の結果は新規性が高いと考えています。

また筋シナジーを応用した技能評価の方法を、より詳細に検証することができれば、競技レベルの向上につながる新たな知見を得ることができると考えられます。

 

筋シナジーについての研究は、分析やデータの解釈が難しく、修士論文として完成させるまで時間がかかりましたが、その分充実した時間だったと思います。

 

 

そして、1月23日には修士論文の審査会が行われました。

 

審査会を終え、これまで尽力したことに対する達成感がある一方、

説明がうまくできなかったなど反省点もあります。

 

質疑応答では、副査の先生をはじめ、フロアの先生方から貴重な意見をもらうことができ、筋シナジーの研究の面白さを改めて感じることができました。

 

これからの修士課程修了までの期間は、審査会でご意見いただいた内容を検討し、修士論文をより良いものへできるよう努力したいと思います。

 

最後になりますが、修士論文作成にあたりご協力いただいた先生方や学生の皆様へ、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 

以下、写真は修士論文審査会前の1月に行われた研究セミナーのものです。

先生方からの質問にも物怖じせずにしっかりと答えていた姿はとても立派でした。

 

 

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佐々木悠介君(修士課程2年)

 

 

 

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質問をする小野まどか先生

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/ono.html

 

 

 

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質問をする西原康行先生

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/nishihara.html

 

 

新潟医療福祉大学 大学院修士課程 健康科学専攻 健康スポーツ学分野

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

 

2019年3月11日 (月)

学科セミナー・審査会を終えて~修士課程2年 石田航君~

 

 

今週、今年度大学院修士課程を修了する3人の学生の記事をお届けします。

 

1人目は石田航君(指導教員:西原康行先生)。

2人目は佐々木悠介君(指導教員:佐藤大輔先生)。

3人目は中野沙紀さん(指導教員:佐藤大輔先生)。

 

彼らはみな、健康スポーツ学科から本学大学院修士課程へしました。

修士課程は2年です。

 

修士課程の学生は、2年の間に「研究」を行い、それを「論文」としてまとめます。

今週、彼らの「修士論文」の内容をご紹介します。

 

彼らが大学院に入学を、どんな研究を行っていたのかを少しでも多くの人に知っていただけたら幸いです。

 

 

― ― ― ― ― ― ― ―

 

こんにちは。

修士課程2年 石田航です。

1月29日の修士論文審査会についてご報告させていただきます。

 

私の研究内容については以下の通りです ▽

 

【テーマ】

VR技術を用いた大学野球部員の学びに関する研究

 

【目的】

本研究の目的は、オープン戦の自チームの攻撃のみの指導者の語りが入ったVR視界動画を用いて大学野球部員の学びを促すことができるか否かを検証し、監督と関わりが少ない選手が野球を学べる環境を作る一助を得ること。

 

【方法】

前提として指導者のVR視界動画の作成し、その動画に対しての選手の指導者に対する理解度調査を行った。

その後、指導者のVR視界動画を野球部員である2名に視聴させることにより、選手の語りの変化を明らかにした。

 

【結果】

リーグ戦未経験群はリーグ戦経験群に比して、指導者への理解度が全体的に低かった。

しかし、リーグ戦経験群であっても、指導者の語りを(理解している)と回答した項目すべてにおいて、割合が50%以下であった。大学野球の部員数はここ数年増加の一途をたどっている。

こうした中、現在大人数で活動する大学野球部のコーチング環境は、全ての部員について指導者理解という点において課題を抱えていることが示唆された。

また、本研究の指導者のVR視界動画を視聴するといったやりとりを、公式戦でベンチ入りしている1軍選手は試合前、試合中、試合後のミーティングを通して体験することができる。

しかし、公式戦にベンチ入りできず、それらのアドバイスを直接聞くことができない2軍選手にとっては、それがかなわない。

大所帯で活動する野球部において、VR視界動画を用いて(ベンチ入りの疑似体験)を繰り返し行なっていくことで指導者の采配を理解し、その積み重ねが野球観の醸成につながることが期待される。

今後の課題として、指導者がどこを観ているのかをより詳細に検討できる工夫をしていきたい。

(視界)ではなく(視点)を特定することで、より高次の野球観の醸成につなげていけると考える。

また、本研究は1試合のデータを、数少ない被験者で分析した結果である。

今後は、試合の状況や対戦相手、天候、試合の時期などを様々に変え、多種多様なVR視界動画を作成しながら、指導者から多くの状況認知を引き出してデータを収集していきたい。

それらを実現した上で、本研究で作成したVR視界動画を通して、選手および学生コーチが(1軍戦ベンチ入り)の疑似体験を重ね、彼らのプレーや野球観がどのように変化していくのかを検討していきたい。

あわせて指導者の指導技術・采配技術を科学的かつ効率的に伝承する指導者育成システムとしての有用性も検討していきたい。

 

という内容になります。

 

審査会は今までにない緊張感の中でとても、貴重な経験をさせて頂きました。

この経験を次のステージで生かせるよう努力していきたいと思います。

また、修士論文を作成するにあたり多くの先生方にご教授頂きました。

この場をお借りして心より御礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2019年2月22日 (金)

論文が掲載されるまで ~博士課程2年生 山﨑雄大君~

 

こんにちは。

 

大学院博士課程の山﨑雄大です。

 

昨年12月、電子ジャーナル「PLOS ONE」に投稿していた論文が掲載されました。

この論文は、卒業研究で行っていた実験の一部を継続し、まとめたものになります。しかし、僕は現在博士課程ですので卒業研究を行ったのは既に3年? 4年? 前になります。

 

では、なぜ論文になるまで時間がかかってしまったのでしょうか?

 

 

論文掲載に至るまでの経緯と感想を、自分の反省や今後への戒めも兼ねてご紹介したいと思います。

 

 

そもそも、論文が学術雑誌に掲載されるまでには、いくつかの行程があります。

 

①データをとる、まとめる

②論文を書く

③学術雑誌に投稿する

④編集者がチェック → 掲載不可。残念!③に戻る

⑤査読者がチェック → 掲載不可。残念!③に戻る

↓       ↑

↓ → ⑥修正の指示 → 掲載不可。残念!③に戻る

↓   

⑦掲載

 

おおまかにはこんな感じです。

 

掲載不可の場合は、別の学術雑誌に投稿します。⑥は、実験を追加したり、被験者数を増やしたりという大幅な修正を要求されることもありますし、文字の修正などの細かい修正のみの場合もあります。

今回苦労したのは、これらの行程ほぼ全部です。

 

まず、「論文を書く」ことに時間がかかりました。

初めて書く学術論文だったのに加え、英語で書かなければいけなかったため非常に苦労しました。

英語で論文を書いた後には、文法や表現に誤りがないかをチェックするためにネイティブチェックというものを行います。

時間と労力をかけて書き上げた論文が、赤字でびっしり直されて帰ってきたときは、正直萎えました。

 

論文を整えた後は、いよいよ学術雑誌に投稿します (2016年の夏ぐらいです)。

 

そして、、、

 

 

3日後にメールが返ってきました。

「この論文はうちの学術誌では掲載できない」の文章とともに。

 

愕然としました。

 

しかも、これが2、3回続きました。

こうなると、もうメンタルはズタボロです。

 

そんなこんなで、PLOS ONEに投稿しました。

この時点で2017年9月でしたので、すでに初投稿から1年が経っています。

 

 

そこから9か月の空白の時間の始まりです。

査読者にも回らず、ただただ時間が過ぎていくだけ。

 

やっと査読者のチェックが終わったかと思えば追加実験や統計解析の指示が盛りだくさん。

最終的には被験者数を倍以上にしました。

 

そして、なんとか12月にアクセプトまでこぎつけ、大晦日にジャーナルのホームページ上に掲載されたのです。

 

ここまでが論文掲載に至るまでの経緯でした。

 

ここから少し反省します。主な反省点は2つです。

 

1つは英語力のなさです。

海外雑誌に投稿する際には、論文執筆はもちろんですが、投稿規定も、投稿するためのホームページもすべて英語で書いてあります。

また、編集者や査読者とのやりとりも英語で行います。

ですので、そもそも書いてあることを「理解する」ということに時間を費やしてしまい、全体的な作業のスピードが遅かったことが反省点です。

 

もう1つは実験方法の構築の甘さです。

特に、被験者数は足りているのか、統計解析のかけ方は妥当か、など多くのことを査読者から指摘されました。

スタートが卒論の実験だったので仕方ない点はありますが、今後は査読者から指摘をされないような方法を設定しておく必要があると感じました。

 

最後に論文執筆に重要だと思ったことを2点あげます。

 

それは、「スピード感」と「メンタルの強さ」です。

 

査読者に指摘された点を修正するのは、正直しんどいです。

しかし、それを後回しにしてしまうと自分の首を絞めてしまい、後々余計にしんどくなってしまいます。

自分の中で期限を設けて素早く作業をすることが重要だと感じました。

また、メンタルの強さはなによりも大切だと感じました。

投稿中は編集者や査読者から様々な指摘を受けます。

時には、単なる批判ではないかと感じることさえあります。

しかし、それにいちいち落ち込んでいたら心がボロボロになります。

 

これらは、日常生活でも重要なことのような気がします。

 

今後も研究を重ね、論文執筆などの形で世の中に研究成果を還元できるように努めていきたいと思います。

 

長くなりましたが、以上です。

読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

新潟医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 博士後期課程

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/doctor/major.html

 

 

新潟医療福祉大学大学院 医療福祉研究科 健康科学専攻 健康スポーツ学分野

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2019年2月13日 (水)

健康運動指導士・健康運動実践指導者の受験

いきいき放送局へようこそ!

健康スポーツ学科では、様々な資格取得・受験資格取得が可能です。

取得可能な資格・受験資格 ⇒ クリック

本日は、その内の健康運動指導士・健康運動実践指導者についてご紹介します。

 

健康運動指導士(健康・体力づくり事業財団のHP

個々人の心身の状態に応じた、安全で効果的な運動を習慣化するための運動プログラムの作成および指導を担う者

P1130901

<五十嵐小雪さん> 2018年度健康運動指導士試験合格

 

健康運動実践指導者(健康・体力づくり事業財団のHP

自ら見本を示せる実技能力を有し、個人および集団に対する運動指導技術に長けた者

P1090886

<真庭純花さん> 2017年度健康運動実践指導者試験合格

 

資格取得者の主な就職先としては、フィットネスクラブや診療所・病院だけでなく、近年着目されているメディカルフィットネスクラブなどがあります。

通常これらの資格を取得するには都市部で開催される講習をいくつか受ける必要があり、そのための時間と経費が負担となります。

健康スポーツ学科は養成校として健康・体力づくり事業財団から認定されているため、指定された科目単位を取得すれば受験資格が得られます。

そのための対策講座も充実しており、近年の合格率も高い水準で推移しています。

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<健康運動実践指導者 実技試験対策の様子> 

 

さらに本学科の特徴として、資格取得の過程で学んできた知識を、大学院でさらに深い学びに発展させることも可能です。

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<中野沙紀さん> 2016年度健康運動指導士試験合格

 

中野さんは大学院へ進学し、メディカルフィットネスの発展を目指して、どうして運動が体に良いのか、その理由について脳科学の観点で研究しています。

中野さんの記事 ⇒ 大学院生の声 体力医学会参加報告

運動指導できるだけでなく、そこに科学の観点を取り入れた指導者となり、さらなる強みを持つことができます。

 

このように健康スポーツ学科では、資格取得後にも学び・成長の場所があり、様々な経験やスキルを身に付けることが出来ます。