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2009年1月

2009年1月28日 (水)

音響学(1年後期 前半)   

音響学は物理分野のひとつでもあり、皆さんも中学校時代に理科で『音とは何か』を習ったと思いますpencil

「言語」というと国語などの文系科目のイメージが強いと思うのですが、では何故、言語聴覚士になるために理系科目も(それも、ちょっぴり難しそうな)物理の「音響学」が必要となるのでしょうか?

コミュニケーションを行うときに効率の良い手段として使用されるのが「話し言葉」すなわち『音』声なのです。

話し言葉によるコミュニケーション過程の中で、『ことば』という情報が人間の脳まで到達する過程は・・・

①音響学的レベルの音波
(空気が振動して音の波がやってくる)


②生理学的レベルの神経伝達
(耳から入った音の情報が神経によって
脳へ伝わる)

③言語学的レベルの情報分析
(脳がその音の組み合わせなどから言葉として認識し理解する)

となります。

つまり、話し言葉のリハビリテーションに関与する言語聴覚士にとって、コミュニケーションの過程のひとつとなる①音響学的レベルの勉強をすることは必要不可欠となるのです。

「音響学」では

音とは何か?ということから、人間の声とは?話し言葉を機械で分析すると?など、実際に分析機器を使用しながら講義をすすめていきます。

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他にもこのような声道模型で発声の仕組みを示すデモンストレーションなども行います。
手前の黒い電動式人工喉頭を使って右の筒から「あ」「い」「う」「え」「お」の音を出すことができます。

「私は文系だから難しそうだな…」と思われる学生さんもいるかも知れませんが、自分の声を画像にするなど、目に見えるかたちの実践的講義なので面白いですよhappy01

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オープンキャンパスでも授業で用いる音響分析が体験できますので、一度大学に来てみて下さいねheart04

2009年1月19日 (月)

発達心理学(1年前期)

産まれてから老いて死ぬまでの間に、人間の体(身体的側面)や心(精神的側面)は様々に変化し続けていきます。

人間は一人一人、育ってきた環境が違うため持っている能力に個人差を生じます。

しかし、個人差はあっても、発達といった変化の過程には共通した傾向がみられます。

発達はできることが階段状に連なっており、例えば「歩く」に至るまで、

1.一人で座ることができる

2.ハイハイができる

3.つたい歩きができる

4.一人で歩くことができる

といった過程を経ます。

一人で座ることができないのに、急に一人で歩けることはありません。

また、発達はある年齢になると年齢相応の能力を獲得することができます。

例えば歩けるまでには……

1.一人で座ることができる     7ヵ月時

2.ハイハイができる      10ヵ月時

3.つたい歩きができる           12ヵ月時

4.一人で歩くことができる    15ヵ月時

このように、発達のスピードや方向性にはある程度の法則がみられ、一般的傾向から大きくずれが生じた場合には、言語聴覚士が援助する対象となることもあります。

臨床の場面では「一般的な傾向とどのように異なるのか」、「どのような方法なら発達に沿った援助ができるのか」が必要になります。

そのためこの講義では、発達心理学の基礎的な内容を生涯発達の枠組みで把握していきます。

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2009年1月14日 (水)

冬景色

昨日の入試事務室ブログ記事でもありましたが、急な降雪で一気に雪国らしい風景になってしまいましたsnow

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20年くらい前までは、新潟市内も1メートルを超す積雪は珍しくなかったのですが、近年は積もっても膝丈程度で「ここ、本当に新潟?」と思うくらいです。

更に昔にさかのぼると、雪が積もりすぎて玄関が使えなくなり、2階の窓から出入りしていた時代もあったそうですよwobbly

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こちらは大学駐車場の様子です。

空気が澄んでいて空が綺麗でしょうshine

ところでこの2枚の写真、高いところからのアングルだと思いませんか?

実はどちらも実験実習棟4階にある言語聴覚学科の専用講義室や実習室から撮影したものなのですcamera

なぜ、言語聴覚学科の教室は4階という最上階にまとまって設けられているのか?

それは、本学科には耳のきこえを計測する「聴力検査室」が必須だからです。

聴力検査では極力雑音を排除しなければなりません。

しかし、検査室の上を人が歩くと、どんなに防音設備をしっかりしていてもわずかに雑音が入ってしまい、正確な値を得ることができなくなってしまいます。

つまり・・・

『最上階であれば部屋の上を人が歩くことはない=雑音がない』

という理由で4階に教室が設けられているのです。

眺めが良いので、夜は新潟の中心地に灯るあかりがキラキラと見えて素敵ですよshinehappy01shine

2009年1月 9日 (金)

実習室

大学内の実験実習棟4階にある実習室のひとつをご紹介します。

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こちらでは小児を対象とした実習を行っています。

子供のお部屋、というとオモチャや絵が貼ってあるイメージがあると思いますが、それと比べるとちょっと殺風景に見えますねcoldsweats01

ですが、実はこれが重要なのですgood

小さな子は特に集中することが難しいため、検査や訓練を行う際に余計な情報(オモチャ・絵)があると、そちらに意識が向いてしまいます。

だから、このような集中できる環境をつくることがとても大切なのですsun

そして、実習室の天井にくっついているこれはナニ????

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正解はカメラなのですflair

検査を行うときなど、子供が緊張しないよう配慮が必要ですが、同じお部屋に20人もズラッとお兄さんお姉さん(学生)がいる状態でリラックスなんてできるでしょうか?

そんなこと、大人だって難しい。

だけど、検査の様子を見ないと学生にとって勉強にならないし。。。

…ということで、カメラの登場ですshine

実はカメラって、結構子供が目ざとく見つけちゃうんで集中できなくなることがあるのです。

ですが、本学実習室に設置してあるものはドーム型になっており、カメラの方向変換やズームをしても子供に知られることがありません。

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カメラで写した映像は隣の観察室でモニタリングすることができます。

もちろん指向性マイク(狙った場所の音を拾う)など複数を配置、しかも、観察室からはマジックミラーでも見れるので、カメラとミラーの二方向からの観察が可能です。

これなら、学生もみんなで検査や訓練の様子を見ることができますよねhappy01

実習室はオープンキャンパスで見ることができますので、是非遊びに来てくださいclover

2009年1月 7日 (水)

学内臨床

大学の実習棟では、小児を対象とした臨床を教員が行っています。

そこでは発達検査や言語検査、言語訓練を実施しています。

もちろん、臨床見学を希望する何人かの学生も参加していて、保護者の承諾を得て学生が検査や訓練を施行することもあります。

一番最初は子どもと遊べなかった学生も、回を重ねるに従って子どもが示す小さな変化を見逃さなくなります。

言語聴覚の臨床から見ればささやかな機会ですが、それでも学生たちは成長していきます(もちろん、子供も)。

最初から上手にできる臨床家はいません。

一歩ずつ着実に上手になっていけばよいのです。

本学言語聴覚学科では、そのための「場」を積極的に設けています。

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2009年1月 1日 (木)

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

言語聴覚学科学科長の渋谷直樹です。

皆さんにとって昨年はどんな年でしたか?

また、今年はどうなるでしょう?

細かく見ると、良いことも悪いことも常に移り変わります。

「禍福(かふく)は糾(あざな)える縄の如し」ですね。

できることをできる範囲で精一杯、こつこつ積み上げていきましょう。

このSTS放送局を読んでいる方たちにも、きっといい目標が見つかりますように願っています!

不況に強い言語聴覚士の人数は確実に増えています。

決して簡単な仕事ではありませんが、面白い、やりがいのある専門職です。

これから言語聴覚士を目指す人、また、言語聴覚士として働く卒業生たちも、わたしたちと一緒に良い夢を見ていきましょう。

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平成21年元日

言語聴覚学科 学科長 渋谷直樹

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