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2019年8月 2日 (金)

大石如香准教授らの研究論文が『Neurocase』に掲載されました!

こんにちは。

STkouhouです。

 

本学科准教授、大石如香先生らの研究論文が、イギリスの神経科学雑誌『Neurocase』に掲載されました!

 

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大石先生の紹介はこちら

大石先生は、脳卒中や交通事故などで脳に損傷を受けた後遺症として起こる、ことばや記憶、視覚認知障害などの障害について研究しています。

 

Neurocase_1

2019年3月に行われた卒業研究発表会:大石ゼミの皆さん。

 

今回は、脳炎による脳損傷の患者様にみられた『地誌的失見当(道が覚えられない、道に迷う)』の症状に関する研究です。

大石先生からのコメントは以下の通りです。

 


 

今回の研究は、辺縁系脳炎によって、新しい場所の道を覚えられないという症状を呈した患者様に関する症例研究です。

 

治療のための入院を終え、退院した後も、毎週通院している病院の中の道順がわからない状態が続いたために、以前から知っている場所と、病気になった後に新しく覚えた場所に関して、場所についての認識や記憶、視覚性認知について詳細に調べました。

その結果、風景や建物を含めて、視覚性認知機能に低下はなく、記憶の機能も言語性・視覚性ともに保たれていました。

しかし、新しい場所については、病院内の風景がどこかわからなかったり、道順を説明したりすることが困難でした。

 

この患者様にみられた新しい場所に限定した『地誌的失見当(道がわからない、道に迷う)』は、新しい風景や道順に関する特異的な記憶障害と考えられ、損傷された左右両側の海馬および海馬傍回領域の機能低下の関与が示唆されました。

 
今回の症例研究のように、『神経心理学』は一人の患者様にみられる症候をじっくり調べることから発展してきました。

目の前の患者様に起こっている症状が、一体どのような原因で起こっているのか、どのレベルの障害なのかを明らかにすることは、リハビリテーションにとって欠かせません。
今後も患者様のリハビリテーションにつながる臨床に役立つ研究をしていきたいと思います。

 

原著論文情報

Oishi Y, Yamakawa T, Nagasawa H, Suzuki K. Pure topographical disorientation in novel environments without anterograde amnesia: a case study. Neurocase doi: 1080/13554794.2019.1642359, 2019.

 


 

大石先生、コメントをお寄せいただきありがとうございました!

 

Neurocase_2

大石先生の研究室での和やかな大石ゼミの様子。4年生の皆さんです。左端が大石先生。
 

大石先生は、この週末に開催される夏のオープンキャンパスにも参加されています。

※8月3日(土)のみ

 

大石先生に研究のことを質問できるチャンスです!

ご興味のある方はぜひ、オープンキャンパスにお越しください!!

 

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