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2019年11月 8日 (金)

CODA講演会

こんにちは。

STkouhouです。

 

新潟市にある聴覚障害者支援施設『にいまーる』さんで、

10月20日に聴覚障害に関する講演会がありました。

『にいまーる』さんは、本学の手話部の指導をしてくださっています。

手話部の活動はこちら

 

講演会の題は、『CODA(コーダ)について』です。

CODAとは、Children Of Deaf Adultの略で、

聾の両親を持つ、聞こえる子どものことです。

幼いころから聾の両親と聴者との間の通訳をする方が多い一方で、

聾者の両親とのコミュニケーションに悩む方もいらっしゃいます。

 

講師の方は、聴覚障害者の就労を支援する施設である、『さんさん山城』(京田辺市)の施設長の、新免修さんです。

ご自身はCODAであり、手話通訳士でもあります。

 

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前半はご自身の生い立ちをもとに、CODAとはどのような存在であるかお話されました。

CODAは耳と音声による聴者の文化と、目と手話による聾者の文化と、2つの文化の中で育つといいうこと、父親の会社に手話通訳に行った話や、母親の代わりに連絡帳に書く文面を考えたことなど、両親との立場が逆転したエピソードをご紹介されました。

 

後半は、CODAに似て2つの文化を持つ境遇の子どもとして、外国人労働者や帰国子女の子、ヤングケアラー(若くして親の介護を担う子ども)の例を挙げられました。

 

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最後にCODAである子どもが親の手話通訳をすることについてお話されました。

子どもには内容が難しくて通訳しにくい場合があること、
逆に通訳した内容をよそで話してしまうなど、子どもにはプライバシーの判断ができないことが、問題として挙げられました。

 

興味深かったのは、手話通訳は単に言葉を手話に置き換えるわけではなく、
言葉の裏にある意味まで訳さねばならないという点です。

たとえば近所の人に「お宅の娘さんは夜遅くまでピアノの練習をしていて熱心ですね」と言われて、子どもが親に言葉通り訳したとしても、その言葉の裏にある、「お宅のピアノが夜遅くまで聞こえてうるさいです」という意味までは伝わりません。

聾者には、上記のような言外のニュアンスが理解しにくい方が少なくないそうで、
CODAはそのニュアンスも含めて通訳しなくてはならないのです(訳しにくいときもありますよね)。

このようにCODAは通訳をしながら、ろう文化と聞こえる文化の橋渡しをする義務があるのです。子どもにはなかなか荷の重い義務ですね。
そのためCODAへの直接的な支援や、聾者の親・関係者も含めた包括的な支援が必要であるとお話されました。

 

もう一つ興味深かったのは、CODAの中には声を出しながら手話をするのは苦手な人がいる、という点です。

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手話言語と音声言語のバイリンガルだから、話しながら手話ができるのでは?と思う方もいるかもしれません。
実は日本語と日本手話は、語順が異なるなど、別々の言語なのです。
人間は二つの言語を一度にあつかえませんので、CODAは手話で表現するときは手話で思考し、
音声で話す時は日本語で思考するといった、切り替えを行っているそうです。
そのため発音しながら手話をすると、日本語で考えればいいか手話で考えればいいか頭の中が混乱してしまうとのことでした。

 

本日の講演で新免さんは、前半は音声で、後半は手話で講演されていました!

会場には手話通訳やパソコンを使った文字通訳を行う方もいらっしゃり、

参加したすべての方が講演の内容を理解できるよう配慮されていました。

私もCODAや手話について様々な面から深く学ぶことのできた講演会でした。

 

本学科の桒原先生は、聴覚障害がご専門で、

以前にCODAをテーマとした卒業研究も指導されています。

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聴覚障害を対象とする言語聴覚士は、臨床でCODAの方に出会うこともあるでしょう。

関心のある方はぜひ、本学への進学をご検討ください。

 

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