疾病や障害のお話 Feed

2016年6月 3日 (金)

奇跡の人

こんにちは。STkouhouですsign01

現在、BSプレミアムで放送中の「奇跡の人」というドラマをご存知ですか?

光と音を奪われた少女とその少女を取り巻く人たちのヒューマンドラマです。

光と音を奪われる・・・・・つまり、見えない聞こえない、見えにくい聞こえにくい。
これを専門用語では「視覚聴覚二重障害」とよびます。

点字ブロックの上を歩く男性のイラスト耳に手を当ている男性のイラスト(しかめっ面)

BSプレミアム「奇跡の人」HP→http://www.nhk.or.jp/pd/kiseki/


聞こえない、見えない、いったいどんな世界なのでしょうか・・・・。
次回はこの障害についての専門家で、言語聴覚学科の吉岡豊先生に詳しく教えてもらいます!




言語聴覚士は視覚聴覚二重障害の方を支える専門職です。

補聴器を付けた子供のイラスト(男の子)

言語聴覚士のイラスト

言語聴覚学科の学びはこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/curriculum.html

2016年5月25日 (水)

心因性失声症と運動障害性構音障害の違いって?

こんにちはSTkouhouですhappy01

最近、言語聴覚士に関するドラマなど多くなり、

うれしい限りですsign03


さて、そのドラマにも登場した心因性失声症。

今日は、それと混同されやすい

運動障害性構音障害(ディサースリア)との違いを解説します。

いずれも「うまく話せない」という症状では共通していますが、

これらは本質的に全く異なります。

 

心因性失声症とは?

原因:心理的なダメージなどが原因で起こる病気です。

症状:会話するときに声が出ずらくなります。

  ささやき声になったり全く話せなかったり、

  さまざまですが共通して笑ったり咳などでは声が出ます。

 

運動障害性構音障害(ディサースリア)とは?

原因:発話に関わる筋や神経の障害が原因で起こる病気です。

症状:例えば舌を動かす筋肉自体が動きずらくなります。

  特に声帯(声を作る所)に運動障害が起きると

  類似した症状になりますが、笑ったりしても声は出ません。

 

いずれも、言語聴覚士の治療対象となります。

症状は類似していても上記のように

これらは全く別の病気ということです。

また、失語症という病気もあり、

上記の二つとも異なりますが

それについてはまたの機会に。


ことばや声の病気はさまざまです。

ことばや声の専門家を育成している言語聴覚学科はこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/

2016年5月22日 (日)

臨床心理士 石本豪先生です

みなさん、こんにちは。STkouhouです。
今日は、昨日に引き続き、吃音についてご紹介します!

吃音にはこころの支援も欠かせません。

言語聴覚学科には、臨床心理士の石本豪先生が所属しており、言語聴覚士の渡辺時生先生とともに吃音の方々へのお手伝いをしています。

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言語聴覚士と臨床心理士の連携とは・・・?石本先生に聞いてみましょう。



Q1. 臨床心理士とはどのようなお仕事ですか

石本  臨床心理士は臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、対象者を支援する心の専門家です。働いている領域は医療・保健、教育、福祉、産業・労働、司法・警察…など多岐に渡ります。それぞれの領域で多様な専門職と連携しながら仕事をすることも特徴のひとつです

 

Q2. 新潟医療福祉大学では吃音の患者さんに対して渡辺先生とどのような連携をしているのですか

石本  患者さんの吃音そのものに関しては言語聴覚士の渡辺先生が訓練や支援を担当してくださっています。私のほうでは、吃音から二次的に生じる心理・行動上の困り感が顕著な際に渡辺先生から患者さんをご紹介いただき、支援を行うことがあります。
心理・行動上の困り感としては、例えば、吃音があることによる気分の落ち込み…他者と会話することへの不安から対人関係に消極的になってしまう…などがあります。渡辺先生と情報交換をしながら、患者さんを多面的に理解し、支援できるような連携を心がけています。

 

Q3.吃音以外にはどのような支援をなさっていますか

石本  言語発達の遅れがあるお子さんをお持ちの保護者の方々を対象に対話を通じた支援を行っています。子供のことばの問題に伴い、保護者の方々も様々な心理的苦悩を体験しています。そのような苦悩を少しでも乗り越えられるようサポートできればと思っています。
本学の言語発達支援センターでは吃音だけでなく、様々なことばの問題を抱える子どもたちと保護者の方々への支援を行っています。

 

Q4. 臨床心理士と言語聴覚士の連携で大切なことはなんですか

石本  互いの専門性への関心と尊重でしょうか。言語聴覚士の先生方と接していると臨床心理士とは異なる技術や視点をもっていることに驚かされることが多々あります。
実際に支援をする際には、目的を共有することが大切だと考えています。何のために支援をするのか?ということです。そしてその目的を達成するためにはどのように連携したらよいかを考えることが重要だと思っています。
つまり連携すること自体が目的ではなく、連携は目的を達成するための有効な方法であるという考え方です。 

 

Q5. 新潟医療福祉大学言語聴覚学科では、心理学をどのように学ぶのですか

石本  1年次から2年次にかけて「臨床心理学」や「発達心理学」など複数の心理学関連の科目が必修として開講されています。
授業の中で出てくるオペラント条件付け、レスポンデント条件付けといった概念は子どもの心理・行動上の問題に対する理解と支援におおいに役立ちます…ということを現在小児分野で言語聴覚士として働いている卒業生が、先日お会いした際に、私に気を遣いながら言ってくれていました(笑)。

また、3年次後期から配属される卒研ゼミでは、関心のある学生には言語発達支援センターでの臨床活動に関わってもらうことで、心理学を実践的に学ぶ機会を提供しています。

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こちらは、相談に来られた方と石本先生がお話する際に使用しているお部屋です。




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新潟医療福祉大学言語聴覚学科の特色の一つとして、言語聴覚士を目指しながら、石本ゼミに所属して心理学を専門とした卒業研究ができる!という点があります。


臨床心理士 石本先生の詳細はこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/teacher/ishimoto.html

 

2016年5月21日 (土)

吃音のプロフェッショナル 言語聴覚士 渡辺時生先生

こんにちは、STkouhouです。

月9ドラマ、ラヴソング、見てくれていますか?
今日は、吃音について渡辺時生先生にいろいろと教えてもらいましょう。

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Q1.  吃音とはどういう言語障害なのですか

渡辺  たとえばカラスを「カ・カ・カラス」と繰り返したり、「カーラス」と伸ばしたり、「・・・(カ)ラス」と詰まったり、様々な発話症状があります。重くなると発話以外の心理的な問題に発展することもあります。

 

Q2.  吃音の言語訓練にはどのような訓練があるのですか

渡辺  親子関係を中心とした心理・言語的な環境の調整、遊戯療法、発話技術の習得や心理的療法の導入など、年齢や困りごとの状態に合わせてオーダーメイドの訓練や支援を多面的に検討します。

 

Q3.  吃音の方と接するときに、渡辺先生が気を配っていることはなんですか。

渡辺   吃音をどう考えるかは、極端にいうと「どのように生きるか」を考えることに繋がります。人生観は様々あって良いと思います。吃音の有無や軽重にとらわれすぎず、QOL(Quality Of Life:生活の質、人生の質)を豊かなものにすることを目指して、吃音を持つ方々を日々サポートしています。そのために、必要に応じて学科内の臨床心理士と連携を図りながら進めています。

 

Q4.  新潟医療福祉大学言語聴覚学科では、吃音はどのように学ぶのですか。

渡辺  授業では、15コマを使い基本的な吃音の知識や評価・訓練法を学びます。また、希望学生は、本学の言語発達支援センターの臨床場面見学や主体的参加も可能です。特に、幼児吃音への治療効果が高いと認められているシドニー大学が開発したLidcombe Program(リッカムプログラム)を積極的に導入しており、先進的・実践的な治療法を学ぶことができるのも大きな特徴の一つです。

リッカムプログラムの過去記事はこちら→http://nuhw.blog-niigata.net/st/2015/04/29/?ref=calendar



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吃音に関する書籍もご紹介いただきました。
『吃音の基礎と臨床』は、ドラマ「ラヴソング」の中で福山雅治さんが手にしていた本です。



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言語発達支援センターでは、学生と協力しながら子どもから大人まで、吃音の治療・支援を進めています。

渡辺先生のテレビ取材の様子はこちら→http://nuhw.blog-niigata.net/st/2014/05/25/?ref=calendar



また渡辺先生は、学生の育成だけでなく、言語聴覚士の全国組織「日本言語聴覚士協会」の理事も務めているすごい先生なのです。

明日の5月22日のブログでは、渡辺先生と連携して吃音の方を支援している、臨床心理士の石本豪先生をご紹介します。お楽しみに!




日本言語聴覚士協会HPはこちら→https://www.jaslht.or.jp/whatst_n.html

 

 

2016年5月20日 (金)

月9に言語聴覚士登場!

こんにちは。STkouhoucloverです。

月曜9時のフジテレビ系列の今期のドラマに言語聴覚士が登場しています。

コミュニケーションが苦手な少女とカウンセラー、言語聴覚士の交流を描いたドラマです。

↓ 月9 ラヴソング HPはこちら

http://www.fujitv.co.jp/lovesong/index.html




新潟医療福祉大学言語聴覚学科では、このドラマさながらの連携がなされています。



吃音臨床のプロフェッショナル、言語聴覚士の渡辺時生先生

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こころを助けるプロフェッショナル、臨床心理士の石本豪先生

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言語聴覚学科では、このお二人の先生方が力を合わせて、吃音に悩む方々の支援を行っています。

5月21日のブログでは渡辺時生先生へのインタビュー
5月22日のブログでは石本豪先生へのインタビュー

を掲載します。お楽しみに!



↓ 渡辺先生と石本先生が在籍している言語聴覚学科はこちら

http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/

  

2015年11月10日 (火)

再掲『今こそ知りたい新潟の介護』

こんにちは、乙女でございますvirgo

先日『今こそ知りたい新潟の介護』という本をご紹介したのを覚えておいででしょうか?

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コチラの本は社会福祉学科の岡田先生と本学科の今村先生が監修している本です。

さて、こちらの本ですが、一部では大変ためになると話題を呼んでいます。happy02

私もvirgoこの本を読んでとても勉強になりました。身近に介護を必要としている方は必読の書だと思います。難しい介護保険の制度やサービスの利用方法、新潟県ではどこに相談すればいいのかがとても分かりやすく書いていますsign03

大学のHPのトピックスにもなっております。
http://www.nuhw.ac.jp/topics/public/detail/insertNumber/1772/
是非お手に取って読んでくださいねbook

今村徹先生の教員紹介URL
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/teacher/imamura.html

言語聴覚学科のURL
http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/



2015年9月20日 (日)

失語症デイケアのテレビ放送

こんにちは、乙女でございますvirgo
先日お伝えしました「失語症について」の関東甲信越版の放送日が決まりましたのでお知らせいたします。
9月24日(木)8:45~『おはよう日本』関東甲信越版の中で放送されます。

内容は、『失語症のデイケアでの取り組み』となります。
言語聴覚士は、病院で個別に失語症の患者さんにリハビリを担当することが多いですが、個別にリハビリを行う以外にデイケアではどのような関わりをしているのでしょうか。是非NHKtvをご覧いただきたいと思います。

本学科の教員は登場しませんが、現場で働く言語聴覚士の様子が見られると思いますhappy01

学科トップページURL:http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/

2015年2月24日 (火)

アルツハイマー型認知症

こんにちは、乙女でございますvirgo
テーマ『認知症に強いSTになる』の第2弾を続報しますsign01

今日はアルツハイマー型認知症についてです。
アルツハイマー型の認知症はアルツハイマー病によって引き起こされる認知症のことです。pencilpencil

アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も頻度が高いといわれていて、一般的に『認知症』と聞いてイメージするのはアルツハイマー病のことだと思います。

アルツハイマー型認知症の主症状は物忘れです。
物忘れがあることで一般的にネガティブなイメージですが、何でも忘れるわけではありません。
アルツハイマー病の記憶障害は記憶を「作れない」ことに本質があります。もともと脳内にある記憶を引き出すことは可能ですので、昔のことはよく覚えており、今朝食べたご飯restaurantのことはすっかり忘れている…と言ったことがよく起こります。

物忘れの他にも、今まで出来ていたことの段取りが悪くできない(遂行機能障害)、言われないと何もしない(意欲低下)、物moneybagを盗んだと訴える(妄想)など様々な症状が起きてきます。

「認知症」という言葉はだんだん悪くなって最後は何もわからなくなってしまう。という暗いイメージがあると思います。
しかし、脳こうそくや脳出血などと違い、突然何もわからなくなる方はおらず、わかったり、わからなくなったりしながらゆっくりと進行していく病気です。

多くの患者さんは、自分がどの程度病気なのかわからないので、周りの方がよく観察して、できないところは手伝ってあげたり、自分でできるところはできるだけやってもらうように働きかけてあげるのがリハビリの第一歩だと思います。

このようなアルツハイマー型認知症の特徴や症状を的確に掴む視点が学べることが言語聴覚学科の強みですsign03どうぞ、皆さん言語聴覚学科で学びましょうsign03

 

2015年2月17日 (火)

認知症に強いSTになる!

こんにちは、乙女でございますvirgo
昨今、わが国の認知症高齢者は460万人(4人に1人)といわれています。
国の対策でも今年度から認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定し、認知症の予防や体制を整えていくことが発表されました。

多くの言語聴覚士は病院でリハビリを行う仕事をしていることが多いです。
言語聴覚士が病院などで働いていると、必ず認知症の高齢者にお会いする機会があると思います。heart01heart01

そこで、必要になってくるのが認知症の基礎知識や認知症の方とのかかわり方についての技術となってきます。

言語聴覚学科では認知症の臨床研究の第一人者である今村徹先生や内山信先生などの第一線で活躍する先生方から直接指導や講義を受けることができますsign03

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言語聴覚士は認知症の高齢者に関わる最適な職種ですnote
是非一緒に学んでみませんかhappy01

2015年1月27日 (火)

レビー小体型認知症のお話

こんにちは、乙女でございますvirgo

今日はレビー小体型認知症(Dementia with Lewy bodies:DLB)についてお話したいと思います。

『認知症』と言えばアルツハイマー病がもっとも有名ですが、その他にも脳血管性認知症や前頭側頭葉認知症(FTD)などの複数の病気の種類があります。
レビー小体型認知症もその一つですinfo01

レビー小体型認知症の中核症状にはハッキリしている時とぼんやりしている時の変化が大きい(認知機能変動)、幻視(まぼろしが見える)、手足のこわばりなどのパーキンソン症候群がみられるなどの症状があり、アルツハイマー病ほど物忘れはひどくはないという特徴があります。

最近はテレビtvこちら

Bnr101 ちびま○こちゃんでお馴染みのあの会社

のCMでも話題になったので、聞いたことのある人もいるかもしれませんが、意外と身近な病気の一つなのです。

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