疾病や障害のお話 Feed

2016年10月21日 (金)

新潟医療福祉大学市民大学講座

こんにちは。

STkouhouです。

本学は地域支援にも積極的に取り組んでいます。

市民大学講座は毎年地域の住民の方を対象に地域の「健幸」作りの支援を目的に4回講座シリーズで開催されています。

http://www.nuhw.ac.jp/community/contribution/newresults.html

今回、本学科の吉岡先生が「耳の聞こえ」~高齢社会をポジティブに~と題して、講座を担当されました。

http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/teacher/yoshioka.html

 

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当日は、パワーポイントを使って加齢による耳の聞こえ方や補聴器の選び方などについて詳細にお話をされました。

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なかでも、聴力検査の際に聴力検査機器から聞こえてくる音を、音の高さ別にスピーカーで拡張して皆さんで聞き比べを行ったことが印象的でした。

参加者からも沢山質問が出され、有意義な講座となりました。

 

同じ日には、健康栄養学科の永井先生も「生活習慣病と食事」というタイトルで講演されています。

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以上講演会のご報告でした‼

2016年10月15日 (土)

摂食嚥下リハビリテーション学会に参加してきました。

こんにちは。

STkouhouです。

第22回日本摂食嚥下リハビリテーション学会が当大学の近くの朱鷺メッセで開催されました。

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摂食嚥下リハビリテーション学会は名称の通り、食べることのリハビリに関する学会です。

参加職種は言語聴覚士をはじめ、医師、看護師、理学療法士、作業療法士などなど、数多くの職種が会員で年々会員数も増え続けています。

学会の参加だけでも数千人が集まります。

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数会場に別れますがメイン会場はものすごい人数です。

当大学の卒業生も多数研究発表を行っており、更なる活躍が期待されます。

今回の学会のテーマも「摂食嚥下リハビリテーションの新たなる挑戦-これからの20年を考える-」で、言語聴覚士への社会の期待も増えていくことでしょう。

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2016年10月 5日 (水)

第3回ディサースリア学術集会:参加報告

こんにちは。

STkouhouです。

今の時期は「学会シーズン」などと言われ、

日本各地で大きな学会が行われます。

 

9月18~19日は二日間に渡って

第3回日本ディサースリア学術集会が開催されました。

ディサースリアとは神経や筋などの障害により

発声や発音などが困難になった状態をいいます。

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場所は関西福祉科学大学です。

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学会のテーマは「新しい評価と治療を探る」。

まだ、国内ではほとんど紹介されていない

治療法や評価から、従来の復習になるような

講演・研究報告が多数行われました。

例えば、名古屋大学附属病院の田中康博先生による

「最新のパーキンソン病の言語治療」は圧巻でした‼

 

会場はすし詰め状態で全国から多くの言語聴覚士が集い

熱心に学んでいました。

言語聴覚士の仕事は本当に一生勉強だと感じました‼

以上、参加報告でした。

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2016年9月14日 (水)

吃音の学会が開催されました:参加報告

みなさんこんにちは、STkouhouです!

9月2日・3日に吃音の学会が開催されました。
今回はその学会に参加した大学院生 平野春樹さんに学会の様子を報告していただきます。

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【日本吃音流暢性障害学会 第4回大会参加報告】

修士課程 保健学専攻 言語聴覚分野 平野 春樹


 

大学院修士課程1年生の平野です。

2016年9月2(金)、3(土)にかけて埼玉県所沢市にある国立リハビリテーションセンター学院を会場に日本吃音流暢性障害学会へ参加してきましたのでご報告させて頂きます。

今回の学会テーマは吃音臨床のパラダイムシフトということで、現状の吃音臨床や問題点などを踏まえて今後どの様な方向・方面から吃音臨床に関わっていくかをテーマに最新の知見をもとに行われました。

数々のプログラムがある中で、幼児吃音臨床の最先端を目指してという題で、3人の演者の1人として、本学科の渡辺先生も参加されており、先生の臨床で用いられている「リッカムプログラム」について講演されました。
リッカムプログラムは保護者の協力が得られやすいことや吃音治療の効果が得られやすいなどの利点を挙げられていました。
2人目の坂田先生は、要求―能力モデル(Demands and capacities model)について話されており、吃音は要求(流暢な発話に関する期待)と能力(流暢に話す力や技能)とのバランスが崩れることを原因する理論をもとに①発話運動面、②言語面、③情緒面、④認知面の4側面に分けて評価と介入を行っていくというもので、リッカムプログラムと同様の治療効果があると発表されていました。
3人目の見上先生は実際の訓練場面をビデオで紹介しながら軟起声発声などの直接法を核として環境調整やカウンセリング、遊戯療法を行っていることを話されていました。
三者三様の発表ではありましたが、数多くの吃音に困っている方がおられる中で1つの訓練に囚われず、その人に合った手法を使う大切さや多くの吃音訓練法の情報を提供して頂き大変参考になりました。


最後に本学会の特徴は医療者や研究者、教育者などの専門職だけではなく、学生や吃音で困っている当事者も参加が可能で、敷居が低く吃音に関わる者同士の相互交流を図れることを目的とした学会となっていますので、吃音に興味をもたれている方がおられましたら、お気軽に参加されてはいかがでしょうか。

 

 

 



2016年9月 4日 (日)

「がん」イベントが開催されます!

みなさんこんにちは、STkouhouです!

言語聴覚士は、「がん」の患者さんを支援する専門職です。

9月24日、25日に新潟県スポーツ公園で がん患者さんたちのためのイベントが開催されます。

リレーフォーライフジャパン新潟

http://relayforlife.jp/niigata/


新潟県言語聴覚士会も後援しています。


当日は、言語聴覚学科の3年生と4年生の有志がボランティアで参加します!
「言語聴覚学科」ののぼりをみつけたら、気軽に声をかけてくださいね!!



舌がんとは、舌にできてしまうがん。
咽頭がんとは、口の奥にできてしまうがん。
喉頭がんとは、声や呼吸にかかせない「のど」にできてしまうがん。

肺がんや胃がんも、話たり食べたりすることを不自由にします。

脳腫瘍では、ことばや記憶を失ってしまうこともあります。


「無料イラスト ...」の画像検索結果

がんによってコミュニケーションや食べることに障害を負ってしまう方たちを
言語聴覚士は専門知識と技術で支えます。



2016年6月26日 (日)

見えるのに見えない?~内山先生に聞いてみよう!〈視覚失認〉

こんにちは、STkouhouです!

今回も高次脳機能障害の研究がご専門の内山先生に不思議な症状について教えてもらいましょう。

今回は「視覚失認」です。
見えない・・・と言えば、一般的には「目が見えない」をイメージしますよね。
いわゆる視覚障害の人たちです。
でも、脳にアクシデントが起きると、「目が見えているに見えない」という症状がおきます。

この「見えない」人たちを支援するのは言語聴覚士の仕事です。

では、内山先生、視覚失認について教えてください!



Q1.6月24日のブログでは、「聞こえるけど聞こえない」という不思議な症状「聴覚失認」を教えていただきました。
見えるけど見えないという症状もあるのですよね。それはどのような症状ですか?


内山:前回お話しした聴覚失認は「聞こえているにもかかわらず、その聞いた音が何だかわからない」という症状でした。
これと似ていますが「物が見えているにもかかわらず、その見ている物がなんだかわからない」という症状を視覚失認といいます。
例えば目の前に何かがあることは分かるのですが、目で見ただけではその物の名前を言ったり、何に使う物か説明したりすることができません。
しかし、その物に触ったり、音を聞いたりすれば、その物が何であるかがすぐに分かります。

聴覚失認の人たちにはものがこのように見えています。
見えているものが何なのかわからなくなってしまいます。

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Q2.
視覚失認と、いわゆる視力障害や視覚障害とはどのように違うのですか?

 
内山:視覚失認は目の病気ではなく、脳の病気によって生じます。
視力や視野は基本的に保たれているにもかかわらず、見た物が何だかわからない、認知できないという症状であり、いわゆる視覚障害とは区別されます。
そのため眼鏡やコンタクトレンズを使用しても「見ている物が何だかわからないという症状」は改善されません。

 

Q3.「見えない」と訴える患者さんなのに、眼科で治療せずに言語聴覚士がリハビリテーションを行うのはなぜですか?

内山:視覚障害の場合、眼科医の指示に基づいて視能訓練士がリハビリテーションを行うことが多いと思います。
一方、視覚失認や聴覚失認のように脳の病気によって生じる認知機能の障害を高次脳機能障害といいます。
高次脳機能障害の場合、リハビリテーション科医、神経内科医、脳外科医、精神科医などの指示に基づいたリハビリテーションが行われます。
高次脳機能障害のリハビリテーションには様々な職種が関わりますが、中でも言語聴覚士は中心的な役割を担うことが期待されています。



 

Q4.聴覚失認や視覚失認について言語聴覚学科ではどのように学ぶのですか?
 

内山:言語聴覚学科ではまず脳の構造・機能について学びます。
また、聴覚失認や視覚失認といった高次脳機能障害の症状とメカニズムについて学ぶとともに、個々の症状の検査法とリハビリテーションについても学びます。
言語聴覚学科というと「聞くこと」「話すこと」というイメージが強いかと思いますが、「見ること(見たものを認知すること)」についても学ぶ機会があります。

最後に余談ですが、言語聴覚士国家試験では視覚失認に関する問題が毎年のように出題されています。




内山先生、どうもありがとうございました。
言語聴覚士の国家資格試験に出題されるほどに視覚失認の知識は重要なのですね。




内山ゼミの様子。言語聴覚学科では1年次から4年次まで少人数でのゼミ活動を行っています。

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言語聴覚学科のゼミはこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/seminar.html





2016年6月24日 (金)

聞こえるのに聞こえない?~内山先生に聞いてみよう!〈聴覚失認〉

みなさん、こんにちは。STkouhouです!

今日から2回シリーズで、高次脳機能障害の研究がご専門の内山先生から、とっても不思議な脳の症状について教えてもらいます。

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6月4日のブログで、吉岡豊先生から「視聴覚二重障害」について教えてもらいましたね。

http://nuhw.blog-niigata.net/st/2016/06/post-a2a1.html



今日は、「耳が聞こえているのに聞こえない」状態になってしまう「聴覚失認」をご紹介します。

内山先生、よろしくお願いします!




Q1.言語聴覚士は「耳が聞こえない」聴覚障害以外に、「聞こえるのに聞こえない」という症状も診るのですよね。
ちょっと想像がつきません。いったいどのような症状なのですか?


内山:聴力には問題がなく、音は聞こえているにもかかわらず、その聞いた音が何だかわからないという症状を聴覚失認といいます。
たとえば救急車のサイレンを聞いた時や誰かに話しかけられた時に、音は聞こえているのですがそれが何の音なのか、あるいは何と言っているのかがわからないという症状です。




Q2.聴覚失認はどうしておきるのですか?


内山:聴覚失認では聴力には問題がないことから、音を聞く過程は保たれています。
しかし脳の病気などによって聞いた音が何であるかを認識する過程が障害されています。
そのため「聞こえるのに聞こえない」といった不思議な症状が生じます。




Q3.聴覚失認の人は、聴覚障害(難聴)の人のように補聴器をつけると症状が改善するのですか?


内山:難聴のように音を聞く過程が障害され、音が小さく聞こえたり、違って聞こえるという場合に補聴器が使われます。
しかし聴覚失認では音を聞く過程は保たれているため、補聴器をつけても「何の音だかわからない」という症状は改善されません。




Q4.言語聴覚士は聴覚失認にどのような取り組みをするのですか?

内山:まず症状とその原因を適切に評価します。
聴覚失認では対象を目で見て認識することは障害されませんので、会話時の相手の口の動きを読み取る訓練など聞こえの障害を視覚で補う訓練や支援を行います。



内山先生、どうもありがとうございました!

次回は「見えるけど見えない」症状、「視覚失認」について内山先生に教えていただきます。


聞こえるけど聞こえない・・・
見えるけど見えない・・・

言語聴覚士はさまざな障害を支援する専門職です→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/

2016年6月10日 (金)

今村先生の研究成果が神経心理学誌に掲載されました。

こんにちは。

STkouhouですsign03

2016年3月発行の神経心理学 32巻1号に

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当学科 今村 徹 教授の研究成果が掲載されました。

言語聴覚士が臨床現場で関わることの多い

認知症患者の記憶障害のメカニズムに関する研究です。

その概要をご紹介します。


単語列再生・再認課題における虚再生・虚再認

【研究内容】アルツハイマー病(Alzheimer's Disease;AD)患者における虚再生と虚再認について検討した。

【知見】虚再認・虚再生には、前頭葉機能障害に由来する目標語の検索におけるモニタリングの障害が重要な役割を果たしていた。また、目標語と意味的、文字形態的に関連のある有関連語の虚再生には、目標語の符号化の過程が保たれていることが重要であった。

出典:神経心理学:32(1),21─30,2016.


オープンキャンパスで今村先生と直接お話しできる機会もありますhappy01

今村徹先生が在籍する言語聴覚学科はこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/

2016年6月 6日 (月)

6/7、6/14 NHK Eテレ ハートネットTV

こんにちは。

STkouhouですhappy01

今回はTV放送に関する情報です。

NHK Eテレ ハートネットTV

「言葉のない世界で ー失語症とリハビリー」
 放送日   6月7日 (火) 20:00-20:30
 再放送 6月14日 (火) 13:05-13:35
内容は訪問専門のSTのお話しのようです。
ぜひご覧になってみてくださいhappy01
言語聴覚士の学びはこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/

2016年6月 4日 (土)

視覚聴覚二重障害とは?吉岡先生に聞いてみよう!

みなさんこんにちはsign03STkouhouです。

前回のブログで、言語聴覚士は視覚聴覚二重障害を支える専門職であることをお伝えしました。

今日は、この分野のプロフェッショナル、吉岡豊先生にいろいろ教えてもらいましょう。

吉岡豊先生は、小児領域の臨床を網羅する言語聴覚士の先生です。

お若いころ(?)は、失語症の研究もなさっていた、まさにマルチプレーヤー!

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Q1.まずは聴覚障害について教えてください。こどもの聴覚障害とはどのような障害なのですか?

吉岡 : 聞こえにくさは一人一人異なっていますが、最も重い場合は音が全く聞こえません。そうなると、私たちが話している言葉(音声言語)の獲得も難しくなってコミュニケーションに支障が生じることが多くなります。程度が軽い場合であっても発音に問題が生じることが多いです。一般的には補聴器を装用して聞こえのハンディを補うようにします。

Q2.視覚聴覚二重障害、つまり、「耳も聞こえないことに加えて目も見えない」とは、どのような状態なのでしょうか?

吉岡 : 耳も聞こえて目も見える人にはなかなか想像できないと状態だと思います。その昔、目隠し、耳栓着用、手を筒に入れてものに触れさせないようにした感覚遮断実験というものが実施されたことがありますが、2,3日間続けると思考が乱れ幻想的なイメージが浮かんだそうです。私たちは適度な刺激にさらされていなければ平常心を保つことが難しいようです。

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たとえば、写真のような道具を使ってコミュニケーションをとります。

左は点字と指の使用を組み合わせた指点字に関して記述したものです。この指点字は日本で視覚聴覚二重障害を有する少年と母親が生活の中で生みだしたもので、重要なコミュニケーション手段として確立しています。

右はレーズライターというものです。特殊な用紙を先が硬いペンのようなものでなぞっていくと、その部分が盛り上がり、触覚(指先)を通じてその形がわかるようになるものです。視覚障害の方が使用するものです。

手前左は耳かけ形補聴器、手前右は箱形補聴器です。見だちにくさや聞こえの程度、操作性などによって、どのような形の補聴器を使用するかを決めます。

 

Q3.言語聴覚士はこのような方々にどのようなお手伝いをするのですか?

吉岡 : 言語聴覚士ができるお手伝いは、聴覚に関する正確な評価、補聴器適合、コミュニケーション手段の獲得といったことだと思います。私自身がかかわった方から学んだことは根気よく続けていけばコミュニケーション力はかなり向上するということです。また、対象となる方が大人なのか乳幼児なのかで言語聴覚士の役割は大きく変わってくると思います。

 

Q4.新潟医療福祉大学言語聴覚学科では聴覚障害をどのように学ぶのですか?

吉岡 : 言語聴覚学科では聴覚機能(耳)の構造・機能とその病態について学ぶとともに、聴覚機能の検査法、それらの検査結果に基づく補聴器適合についても学びます。また、成人の聴覚障害と小児の聴覚障害では対応すべき課題が違うので、成人と小児とに分けて学んでいます。





吉岡先生、どうもありがとうございましたsign01



吉岡豊先生の詳細はこちら→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/teacher/yoshioka.html

吉岡豊先生が登場しているセンセイリングはこちら→http://www.nuhw.ac.jp/sensei/140/



言語聴覚学科は視覚聴覚二重障害の方を支援するための学びが充実しています→http://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/st/institution.html

 

 

 

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