疾病や障害のお話 Feed

2014年11月 4日 (火)

FTLDって?

こんにちは、乙女でございますvirgo

今日は疾病や障がいのお話のつづきをしたいと思います。
今日のテーマは「FTLD」ですpencil

FTLD(Frontotemporal Lober Degenration) とは、前頭側頭葉変性症のことで、認知症の原因となる進行性の変性疾患のことです。
FTLDは認知症で最も多いアルツハイマー病に比べると若年の方に多いのが特徴です。
 アルツハイマー病では初期には海馬horseとよばれる記憶を司る部分や頭頂葉と呼ばれる脳の後方部分の障がいを受けるため、
物忘れや空間把握がしにくくなりますが、FTLDでは脳の前方部分が障がいを受けるため、物忘れはさほど目立ちません。
 ところが、アルツハイマー病と比較して、人格や行動の変化が著しく、
社会生活に大きな支障をきたすことが問題となっています。bearing
 

Pa200422 
 脳の前方部分では、意欲、計画、行動の抑制の制御などを行う機能があります。
この機能が障がいを受けることによって自分を客観的に認識できず、
衝動も抑えられずに我が道を行くという行動をとってしまうことがあります。
しばしば、車の運転などでも信号無視や逆走など規範が守れないという問題が起こることがあります。
 また、偏食や会話が決まったフレーズ通りに話す、どんな場合でも時刻表のような行動をするなど、
他人が理解しがたい様な同じ行動パターンを淡々と儀式的に繰り返す行動も問題となることがあります。

 さて、言語中枢の多くは左半球にありますが、「ことばを産生する機能」の中枢は左前頭葉にあることが通常です。
言語聴覚士が日常で出会う患者さんの中にも認知症の方、特にFTLDが原因でことばが話せなくなっている人や
社会とのコミュニケーションがとれないといった患者さんが数多くいます。

 FTLDはアルツハイマー病に比べて社会的認知度がまだまだ低く、
患者さんの年齢も若く、社会的に大きな問題になりやすい疾患です。
 正しい理解を持っておきたいですねsign03
 

Pa200421_2 熊本大学で作成された小冊子ですbook
大変わかりやすく書いてありますhappy01

 

2014年10月29日 (水)

失語症って?

こんにちは、乙女でございますvirgo

先日、神経心理懇話会では「失語症」や「FTLD」についてのプログラムがおこなわれましたと報告しましたmemo

今日は「失語症」とはなんだろうsign02ということについてお話しします。

脳には言語中枢をはじめ、ことばの処理に重要な場所がいくつかあり、脳のあちこちに張り巡らされた神経のネットワークで言葉の理解や産生を行っています。
 失語症とは、脳の病気でこのネットワークに障がいが生じ、言葉をうまく理解できなかったり、思い通りに話せなくなった状態をいいます。
(毛束真知子『言語聴覚士になりたい』中央経済社より引用)

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 発話が出にくくなる症状が重くなったり、言いたい言葉と別の言葉が口をついて出てしまったり(例えば、カバンと言いたいのに「保険証」と言ってしまう、「ときれみ」など日本語にない言葉で言い誤るなど)、ことばの理解が特に悪いというように障がいされる脳の場所によって症状の出方は様々です。

 今回神経心理懇話会で話題になったのは「交叉性失語症」です。
脳は左右対称ですが、右の脳と左の脳では役割が違うことが知られています。
脳の中にはことばを生み出したり,理解したりする機能を司る「言語中枢」がありますが、通常は左半球にあるといわれています。
「交叉性」というのはこの「言語中枢」がまれに右半球にある人や、ことばの機能の一部が右半球にある人のことをいいます。

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「どうして言語中枢が右半球にあるのか…」
学べば学ぶほど奥深いことばの機能ですが、まだまだわかっていないことも沢山ありますねsign01

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2014年6月18日 (水)

速報!新潟一番に出演します!

おはようございますvirgo


本日夕方放送のテレビ新潟(TeNY)「夕方ワイド新潟一番」のコーナーの中で言語聴覚学科の今村徹先生が出演されますmovie


認知症についてのお話をされていますので、テレビ放送をご覧くださいhappy01

2014年5月25日 (日)

特報!テレビ新潟の取材を受けました!

特報sign01特報sign01

テレビ新潟(てとてとTeNY)の取材がやってきましたmovie

取材を受けたのは吃音をご専門にされている渡辺時生先生ですsign03

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 吃音(いわゆるどもりの状態)のことについての特集ですhappy01
実際の患者さんの訓練場面などもまじえた内容となっていますnote

Img_0437放送は5月27日(火)18:13~『夕方ワイド新潟一番』のニュースのコーナーで放送される予定ですsign03皆さん、見てくださいねshineshine

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2014年5月15日 (木)

自閉症スペクトラムとは?

こんにちはvirgo
前回、吉岡先生のご研究について触れましたが、ことばの遅れがみられるものには
『自閉症スペクトラム』といわれるものがあります。chicksnail

では、自閉症スペクトラム(ASD)とはどのような症状なのでしょうか?
現在概念の整理が行われており、概念化にはさまざまな説がありますが、
大まかに、従来自閉症といわれていたもの、アスペルガー症候群、レット症候群など、生まれつき社会性や他者とコミュニケーションが困難になる症状を持つ人たちの総称であるといわれています。自閉症スペクトラムの人は、生まれつきの脳の発達の違いから他の人の気持ちや感情を理解したり、言葉を適切に使ったり、一般的な「常識」と思われることを身につけることも苦手です。

言語聴覚士は、将来に悪影響となるような環境をつくらないために、適切な環境調整やコミュニケーション指導を行います。
 

毎年4月2日が国連の定めた自閉症啓発デーですsign01
ホームページはこちら

世界自閉症啓発デー

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2014年5月12日 (月)

奨励賞受賞おめでとうございます!

朗報ですsign03
我が言語聴覚学科の吉岡豊先生のご研究が奨励賞を受賞されましたshineshine
新潟医療福祉学会の学会誌に掲載されています
『定型発達児と言語発達障害児における初語の調査』

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という論文です。

ことばの遅れがある子は,はじめて意味のある語(初語といいます)を発することが、年齢的に遅くなるといわれているますが、これは本当だろうかsign02
ということを検証した研究ですchick
『Niigata journal of health and welfare / Niigata Society of Health and Welfare 12巻』に掲載されています。

P5090331 興味のある方はご覧になってくださいねbleah

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2013年6月11日 (火)

新潟県言語聴覚士会第1回学術大会!

みなさんこんにちはvirgo
だいぶ暑くなってきましたねsweat01

6月2日(日)に第1回新潟県言語聴覚士会学術大会がときめいとで行われましたwink

新潟県言語聴覚士会とは新潟県に勤める言語聴覚士の方たちの集まりですear
新潟県言語聴覚士会→ココをクリック

演題発表や症例検討会を聴くために県内各地から沢山の言語聴覚士の方たちが来ていましたよpencil

P6020003

P6020001

本学科の卒業生も熱心に耳を傾けていましたよnote
このような場は現場に出てからの情報交換の場にもなるんですねgood

興味のある方は,卒後研修の場としてどんどん学会・学術大会に参加してみてはいかがでしょうかbleah

2012年10月26日 (金)

第1回日本ディサースリア学術集会開催

来る10月7日,8日の2日間.
東京医科大学病院で「第1回日本ディサースリア学術集会」が開催されました.

テーマは
ディサースリアの新しい扉を開く

第1回学術集会の記念すべき大会長を
当学科の西尾正輝先生が務めました.

西尾正輝先生は,ディサースリアの著書も多く,
各地で精力的に講演会なども開催なさっています.


downwardleft西尾正輝先生の講義風景をご紹介します
Imgp0911

2012年4月20日 (金)

認知症研究最前線!

みなさん、「認知症」という病気をご存知ですか?

認知症とは

脳の病気や体の老化で、判断力や記憶力が少しずつ不自由になっていき、
だんだんと日常の生活を送ることが難しくなっていく状態のことです


言語聴覚学科教授の今村徹先生は
この認知症臨床の第一人者なんですshine

今村先生は新潟リハビリテーション病院でも神経内科医として勤務しています
その臨床の様子が記事になりましたsign01

くわしくはクリックdownwardleft

≪新潟県新潟市医療法人愛広会 新潟リハビリテーション病院≫

「エンパワメント」で誰もが豊かになれる介護を目指す

この記事に登場している言語聴覚士の市野千恵先生は言語聴覚学科の卒業生ですheart04
市野先生は今年の3月に新潟医療福祉大学大学院も修了され、
今村先生とともに新潟リハビリテーション病院でたくさんの患者さんのためにがんばっていますsign03

2010年1月22日 (金)

口蓋裂 (Cleft palate)

上くちびるや口の天井(口蓋)が割れて生まれてくる病気で、日本人に比較的多く、発生頻度は500人に1人と言われています。

基本的には、割れている部分の形成(修正)手術を受けますが、哺乳の問題発音の問題歯並びの問題などチェックすべき項目は多く、青年期までのフォローが必要となります。

特に発音の問題は鼻から息が漏れることにより生じることが多く、歯科医や医師との連携が重要になります。

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写真はバルブ型スピーチエイドといって、鼻から息が漏れて発音がしにくいときに口の中にはめて使用することがあります。

写真右についている丸い球(bulb)によって、鼻に息が漏れないようにします。

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