2018年10月 5日 (金)

実験の様子 ~博士課程2年 山﨑雄大君~

 

 

研究を実施する場合、その拠り所を決める必要があります。

まず、大まかにいえば文系と理系のどちらの立場に立つか、ということになります。

 

一般には、文系の研究が行われる領域は人文社会科学といわれ、理系の研究が行われる領域は自然科学といわれます。

 

自然科学における研究では「実験」が重要になります。

この実験は理科の授業で行われる実験の延長線上にあると思ってもらえればいいと思います。

 

とはいっても、大学ではどんな研究が行われ、そこではどんな実験が行われているのかを想像することは難しいかもしれません。

 

そこで今回、新潟医療福祉大学の博士課程に在籍し、日々研究に没頭している山﨑雄大君(博士課程2年)が行った実験の様子をお伝えします。

 

 

と、その前に・・・。

以前、山﨑君の研究に関して、学科で行われているセミナーで彼が発表した様子をお届けしました。

6月の研究セミナー2 ~博士課程2年 山﨑雄大君~(クリック)

 

山﨑君は神経生理学と呼ばれる学問を学び、彼は、簡単にいえば、運動と脳の関係を解明しています。

 

今回、運動と脳の関係を解明するための実験の様子をお伝えします。

 

 

 

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実験が行われた部屋

 

 

 

被験者(実験に協力してくれる人)が来る前から、山﨑君は準備を整えています。

 

 

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山﨑雄大君(博士課程2年)

 

 

 

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実験に用いられた主な機器。

 

 

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被験者(実験に協力してくれる人)が来てからは、被験者からデータを取れるように準備を整えました。

 

山﨑君の研究では脳からデータを取ります。

もちろん、倫理的に十分配慮され、実験は安全な方法で行われます。

 

 

 

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被験者(実験に協力してくれる人)は、30分間自転車を漕ぎました。

 

 

 

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脳からデータを取っています。

 

 

 

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今回の実験では、自転車を30分間漕いで、その後に脳の活動がどのように変化したのかを調べました。

この日の実験は2時間を超えました。

 

 

 

山﨑君は健康スポーツ学科に入学し、3年生の頃から「研究」に興味関心を抱き、博士課程まで進学しました。

 

これまでに、健康スポーツ学科に入学して、新潟医療福祉大学の博士課程まで進学した学生はいません。

 

だから、山﨑君が博士課程を無事に修了することができれば、彼が栄えある第1号となります!!

 

 

このように、学部生から博士まで進学する学生が出てきたのは、研究に対して「志をもつ学生」が出てきたことと健康スポーツ学科の研究と教育の充実ぶりに依ります。

 

健康スポーツ学科の教員は、今後も研究・教育をより充実させるよう努めます。

 

 

もし、「研究をしたい!!」と意気込む人がいれば、他大学の学生でも、社会人の方でも歓迎します!!

 

ぜひ、一緒に楽しい研究をしましょう!!

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 博士課程

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/doctor/major.html

 

 

新潟医療福祉大学 修士課程

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健康スポーツ学科

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2018年10月 3日 (水)

全日本インカレ優勝しました!!

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皆さんこんにちは。

陸上競技部跳躍ブロック、健康スポーツ学科4年長谷川直人です。

 

9月6日~10日に全日本学生陸上競技対抗選手権大会が神奈川県の等々力競技場で行われました。

 

いわゆる全日本インカレです。

 

全日本インカレは学校対抗選手権になっていて、各種目1位(8点)~8位(1点)という風に順位に応じて得点が入り、総合の部、トラックの部、フィールドの部それぞれで学校ごとに得点を競います。

今年は本学から約45名出場し、6種目5名の入賞者を出すことができました。

 

 

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私は走高跳に出場しました。

私にとっては4回目の全日本インカレで、今まで一度も満足のいく結果を得られたことはありませんでした。

それだけに周囲からのプレッシャーと、自分自身の想いが重くのしかかり、試合前はこんな感じになっていました↓

 

 

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それでも家族やチームメイトの応援もあり、楽しく競技をすることができました。

 

走高跳は目の前のバーを跳び越えたら生き残り、3回失敗したら脱落というはっきりした競技ですが、同じ高さで脱落した場合にはそれまでに失敗した回数が勝敗や順位にかかわってきます。

試合中は他の選手が成功するかどうかで順位が常に変動するため、気が抜けません。

気を抜かないで競技を楽しんいたら、気づいたら優勝していました。

 

 

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写真中央:長谷川直人

 

 

全日本インカレでの優勝は本学からは初めてだそうです。

正直なところ優勝して嬉しいという気持ちよりも、試合中の楽しいという気持ちが今でも心の中に残っていますが、

「新潟から全国へ」

と監督やコーチが何度も何度もおっしゃっているのを聞いていただけに、新潟医療福祉大学のユニフォームを着た僕が優勝することが新潟医療福祉大学に、そして新潟県にいい影響を与えられていればいいなあと思います。

 

最後に、

今回はたくさんの方々からご声援をいただき、この結果に結びつきました。

本当にありがとうございました。

今後も新潟医療福祉大学陸上競技部の活躍を暖かく見守っていただけると幸いです。

 

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長谷川君は新潟医療福祉大学で初めてインカレを制しました!!

 

その功績は後世まで語り継がれることでしょう。

 

 

健康スポーツ学科の学生の多くは強化部に所属し、日々勉強と部活に励んでいます。

 

今回、長谷川君がインカレを制すことができたのは、健康スポーツ学科に入学してから地道な努力を続けてきたからでしょう。

 

努力は必ず報われるわけではないと思います。

努力しても、誰もが全日本チャンピオンになれるわけではありません。

 

しかし、「努力しなければ報われない」ことは確かでしょう。

 

 

 

健康スポーツ学科の学生は、それぞれの目標に向かって日々努力している学生ばかりです。

部活、勉強、教員採用試験、就活・・・。

 

教員一同、彼らの努力が報われるように、今後も最大限サポートしていきます。

 

 

 

 

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2018年10月 1日 (月)

2018年全日本インカレを終えて ~修士課程1年 井口華穂さんから~

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こんにちは。

 

 

健康スポーツ学分野修士課程1年/陸上競技部投擲ブロックの井口華穂です。

 

 

9月6日(木)~9月9日(日)まで、神奈川県等々力陸上競技場にて日本学生陸上競技対抗選手権大会(日本インカレ)が行われました。

 

日本インカレは大学生の日本一を決める大会であり、対抗選手権大会でもあります。

日本トップクラスの選手や世界でも活躍する選手も出場し、レベルの高い競技大会です。

 

本学からも多くの選手がインカレ出場条件である標準記録や北信越・北日本インカレ優勝を突破し、「新潟から全国へ」各々強い意志や目標を掲げ日本インカレに臨みました。

 

 

結果としましては、男子走高跳において長谷川直人(健康スポーツ学科4年)が本学初の日本インカレ優勝をはじめとし、計5種目での入賞を果たしました。

また、男子フィールドでは総合7位という成績を収めることができました。

 

 

私自身、9月8日(土)に行われた女子やり投げで3位入賞することができ、昨年(4年次)の7位に続いて2年連続入賞することができました。

 

 

私は、今年度から院生(M1)として競技を続けさせて頂いており、研究やゼミ活動(佐藤大輔ゼミ)を両立させることは大変ではありますが、充実した日々を過ごすことができています。

 

正直なところ、時折不安に駆られ「この道でよかったのか」と葛藤することもありました。

 

しかし、今回のインカレを通じて「私だけにしかできないこと」「目標の達成」を改めて確認することができました。

 

自分で決めた道であるので目標に向かって競技的にも人間的にも成長し「応援されるような人・したいと思われる人」になることができるよう、「強い気持ち」と「向上心」をもって今後も過ごしていきたいと思います。

 

 

本学陸上競技部は、昨年では日本学生個人選手権で女子100mと男子走高跳において2種目の優勝者が誕生しました。

その他にも多くの学生が日本選手権や日本インカレでの入賞を果たすなど、近年、本学の全国での活躍は目覚ましいものになっています。

 

また、7月に行われた第50回全日本大学駅伝北信越地区の予選会では男子初の全日本大学駅伝出場の切符を手にしました。

 

 

これらの成績を残すことができたのも選手の努力・強い気持ちや練習の成果、また沢山の方々のサポートやご声援のおかげであります。

 

 

陸上競技は個人競技ではありますが、家族・コーチの方々・仲間・施設・関係者の方々など多くの支えてくださる方々の応援や支援が力になっています。

 

厚く御礼申し上げます。

 

感謝の意を込めて競技を行うことはもちろんですが、結果でも恩返しができるよう日々の生活や練習を大切にしていきたいと思います。

 

 

部員一同、精一杯頑張っていきますので今後ともご指導、ご声援の程宜しくお願い致します。

 

井口華穂

 

  

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(日本インカレ入賞者:下の列左から横川・井口・高倉、上の列左から長谷川・松田)

 

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井口さんは、大学院に通いながら競技も続けています。

 

大学院は大学とは異なり、「研究」を行う必要があります。

大学院は研究者への第一歩となるからです。

 

もちろん、大学院は研究者を目指すだけが集まる場所ではありません。

「学問をより深めたい人」が集まる場所であると考えてもらえればいいと思います。

 

そして、その一つの成果が修士論文になります。

だから、修士課程では卒業論文よりも良い論文を仕上げることが、一つの目標になるでしょう。

 

そのためには、綿密な研究計画を立て、分野によってはより質の高い実験を行い、実験結果とその考察を文章にまとめ、場合によっては学会で発表することが必要になります。

(大学院の学会発表に関しては過去の記事に掲載されているので、下記を参照してください。)

 

 

また、大学院生や研究室での勉強会も開催しています。

なんと、朝の7時半から勉強会が開催される日もあります。

 

研究に、競技に、アルバイトに・・・。

忙しくも充実した日々を過ごしている中で、今回、井口さんがインカレで表彰台に立つことができたのは、彼女の努力の結果です。

 

高校生は、なかなか理解しづらいことかもしれませんが、歳を重ねるごとに、身体は衰えていきます。

もちろん、20代はまだまだ身体が動きます。

しかし、競技を続けるためには高校生の頃より、また大学生の頃よりも、体調管理に気を使わなければならなくなってきます。

 

日常生活と競技の時間を区別することなく、日常生活に競技を溶け込ませないと、今回のような結果を出すことはできなかったでしょう。

 

 

現在、井口さんの他にも、大学院に通いながら競技を続ける学生もいます。

 

研究と競技のどちらかを捨てるのではなく、「欲張って」どっちも得るという選択も充実した日々を送るための秘訣かもしれませんね。

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 陸上競技部HP

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新潟医療福祉大学 陸上競技部twitter

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新潟医療福祉大学 健康科学専攻 健康スポーツ学分野

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

2018年9月26日 (水)

運動生理学実習 part3

 

 

運動生理学実習part1、part2では越中敬一先生と山代幸哉先生の回を紹介しました。

 

今回、佐藤大輔先生の回を紹介します。

  

 

 

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佐藤大輔先生

 

 

 

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TA(Teaching Assistant)として授業をサポートした山﨑雄大君(博士課程2年)

 

 

 

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この授業で使用した機器

 

 

 

 

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この授業では、エアロバイクを使って最大酸素摂取量を測定しました。

 

バイクを漕いでいる際の呼吸から、酸素をどれだけ体の中に取り入れているのかを測るのです。

ただ、バイクを漕ぐテンポが決められ、さらに1分ごとに負荷が高くなるので、とってもきついです。

 

平坦な道から、徐々に斜度のある坂道へ、そして、急な坂道へと自転車を漕ぐことを想像してもらえれば、この測定におけるバイクを漕ぐ際の負荷が想像できると思います。

 

「漕げなくなるまで漕ぐ」というのがこの測定における辛さです。

そうすることで、より正確なデータを得ることができます。

 

本当にきつく、実際に測定した学生は限界までバイクを漕いだので、終わった後には倒れ込みました。

 

とはいっても、もちろん徐々に疲労は回復して元気に立ち上がっていましたよ!!

 

 

 

運動生理学実習の中で、学生はさまざまな実験を行いました。

みんな、とても楽しそうに授業を受けていました!!

 

大学では、授業の中で簡単な実験を行います。

普通に過ごしていれば使えないような機械も使うことができます。

まさに、大学でしか体験できないことです。

 

 

「面白い大学」で「面白い授業」を受けてみませんか?

 

 

 

 

佐藤大輔先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sato_d.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年9月25日 (火)

運動生理学実習 part2

 

 

前回、越中先生が担当した授業風景を紹介しました。

 

今回、山代幸哉先生が担当した授業風景を紹介します。

 

 

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山代幸哉先生

  

 

 

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写真右:TA(Teaching Assistant)として授業をサポートした栃倉郁実君(修士課程1年)

  

 

 

 

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山代先生が担当した回では、筋電図を用いて筋の出力を見ました。

 

学生は、電極を身体につけて筋電図を計測しました。

はじめに、握力計を100%の力で握り、次に20%の力で握力計を握りました。

 

そして、握力計に表示される値を基にMVCの20%に握力を調節し、筋電図に現れた実際の筋肉の出力を比べました。

 

学生は、自分が発揮する握力と筋電図に示される出力が綺麗にリンクすることに驚いていた様子でした。

 

また、この回ではパソコンのエクセルも使いました。

エクセルを順調に使いこなせる学生もいれば、四苦八苦する学生もいました。

 

大学生になると、レポートの提出や実験でのデータを扱うことなど、必ずパソコンを使うことになります。

 

高校生も、少しずつ、パソコンを使い始めるのもいいかもしれませんね。

 

 

 

 

山代幸哉先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/yamashiro.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年9月24日 (月)

運動生理学実習 part1

 

 

新潟医療福祉大学では9月21日(金)から後期の授業が始まりました。

 

ただ、実は夏休みの間に実施された授業もあります。

 

今日から3日間、夏休み間に行われた、3年生対象の「運動生理学実習」という授業の様子をお伝えします。

 

 

まずは写真で授業の様子を・・・。

 

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越中敬一先生

 

 

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TA(Teaching Assistant)として授業をサポートした中野沙紀さん(修士課程2年)

  

  

  

  

  

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運動生理学実習はオムニバス形式で行われています。

 

越中先生が担当した回は、筋肉中に含まれるグリコーゲンの測定を行いました。

 

筋肉中のグリコーゲンは,運動中にエネルギー源として消費されます。

 

今回、学生は運動の時間や強度の違いによってグリコーゲンが消費される具合がどのように変化するのかを学びました。

 

普段、見ることも、使うこともない実験器具や測定機器に、学生も興味津々でした。

 

大学では、液体を取るのにスポイトではなく、超精密なマイクロピペットという器具を使います。

 

高校生のみなさんからすれば、理科の実験の延長線上にある授業だと思ってもらえればいいと思います。

 

 

 

健康スポーツ学科では、「理科が好き!!」「実験が好き!!」という高校生も歓迎しています!!

 

 

 

 

越中敬一先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/koshinaka.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年9月21日 (金)

日本体育学会 ポスター発表(体育経営管理領域)~修士課程2年 本間翔太郎君~

 

 

先週から続いた各先生方ならびに大学院生の日本体育学会における発表の紹介も、今日で終わりになります。

 

最後は、修士課程2年の本間翔太郎君の発表を紹介します。

 

以下、本間君からの報告です。

 

 

 

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徳島大学常三島キャンパスにて開催された日本体育学会第69回大会において、体育経営管理領域においてポスター発表をさせていただきました。

 

初めての学会参加、ポスター発表をするということに緊張がありましたが、自分自身の実力不足や研究の楽しさを感じさせられる、とても有意義で濃い時間を過ごさせていただきました。

 

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研究について説明する本間翔太郎君(修士課程2年)

 

 

今回の学会参加により得たものを最大限に活かし、今行っている研究を進めることで、社会にとって自分自身にとっても良い修士論文にしていきたいと思います。

 

 

 

今回発表した内容は、健康スポーツ学科で開催された7月の研究セミナーの内容と同じです。

発表内容は下記の通りです。

 

【タイトル】

VR技術によるバスケットボール指導者の状況認知

 

【目的】

本研究の目的はバスケットボールの熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることである。本研究の目的が達成されることによって、バスケットボール指導者の育成ならびに指導力向上へつながることが期待される。

 

【方法】

360度全方位録画可能なVRカメラにて撮影したVR映像を指導歴の違う3名の指導者に視聴してもらい、オンゴーイング(注1)で何を認知しているか語ってもらった。

それらの語りをもとに、バスケットボールを経験した3名の大学生でバスケットボール特有の7つの観点でカテゴライズ(分類)した。その観点は視覚状況、期待予測、過去の振り返り、賞賛、批判、指示的、支援的の7つである。

なお、カテゴライズの過程(語りの分類の過程)を文字起こしすることで(カテゴライズのオープン化によって)、研究の信頼性と妥当性を確保した。

 

【結果・考察】

研究の結果、熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴が明らかにされた。その1つとして、熟達指導者は選手のある1つのプレーだけではなく、時間幅を持ったプレーに対して賞賛を与えているが、一方で未熟達指導者はある1つのプレーだけに賞賛を与えることが明らかにされた(たとえば、熟達指導者はリバウンドから速攻に移った一連のプレーに対して賞賛するが、未熟達指導者はリバウンドに対してだけ賞賛を与えるということである)。

 

【結論】

熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることによって、未熟達指導者は熟達指導者の状況認知を学習することができると考えられる。すなわち、指導者養成ならびに指導力向上のための有用な知見になると考えられる。

 

 

注1)オンゴーイングとは、映像を視聴しながら、その時々に感じたこと、思ったことを言葉に発する方法である。

 

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左:本間翔太郎君、右:学科長 西原康行先生(本間君の指導教官)

 

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前回紹介した石田君と同様に、本間君も、初めて学会で発表を行いました。

本間君の「実力不足や研究の楽しさを感じた」という感想は、意外と大切だったりします。

 

 

あれもできる、これもできる、またはあれも知っている、これも知っている、という姿勢では、何も得られないかもしれません。

 

 

自分自身の無知を自覚することによって、多くの人がいろんなことを教えてくれるかもしれません。

 

また、力不足と感じることによって、足りないものを補おうと努力するはずです。

 

 

とりわけ、「研究」では「探究心」が重要になります。

 

知っていることがあったとしても、「ここまでは知っているけれど、これ以上は知らない」といったように、「知らない」ことを自覚するから「知ろうとする(探究する)」のです。

 

言い換えれば、知っているのであれば研究はスタートしません。

 

 

 

子どもの頃に宝探しゲームをした人もいると思います。

 

そのゲームをしている時に、宝のありかを知っているのであればつまらないし、ゲームにもならないはずです。

 

宝のありかを知らないからこそゲームになるし、ワクワクもするし、ドキドキもするし、それを手に入れたいと思い、夢中になって探していたはずです。

 

そして、そのこと自体を心から楽しんでいたはずです。

 

研究も、宝探しゲームと同じだったりします。

 

 

 

「知りたい」という欲求がある人は、健康スポーツ学科の教員と共に「研究」という宝探しゲームを一緒にしませんか?

 

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 大学院 健康スポーツ学分野

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2018年9月19日 (水)

日本体育学会 ポスター発表(体育経営管理領域) ~修士課程2年 石田航君~

 

 

先週から昨日まで、日本体育学会で発表を行った先生方の内容を紹介しました。

 

今日、明日、大学院生の石田航君(修士課程2年)と本間翔太郎君(修士課程2年)の発表内容を紹介します。

 

以下、石田航君からの報告です。

 

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私は徳島大学で行われた日本体育学会69回で体育経営管理専門領域の部門でポスター発表を行いました。

 

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写真右:研究の成果を説明する石田航君(修士課程2年)

 

 

初めての学会ということもあり右も左もわからない状況でしたが、非常にいい経験ができました。

 

発表タイトルは【VR技術による野球選手ならびに指導者の状況認知】です。

 

近年、大学野球部の部員数が増加しています。

その結果、1軍に上がれない部員も増加しています。

 

大学スポーツの振興に関する検討会議最終とりまとめ(スポーツ庁,2017)では、大学においてスポーツ分野を学ぶことの重要性を認め、そのために今後学生スポーツの環境を整備していく必要性があると記述されています。

 

また、全国の大規模大学および体育系大学、体育系学部を有する大学に対して実施されたスポーツ・クラブ統括組織と学修支援・キャリア支援に関する調査(全国大学体育連合,2015)では,大学が部活動へ期待することとして「運動部学生の人間的成長やリーダー養成」と「学生生活の充実」が上位を占めています。

 

しかし、現在の大学野球の現場は、上記の調査結果とは逆行していると感じました。

そこで、VR技術を用いた動画を使用することで、部活動のマネジメントを少しでもいい方向に向かわせたいという気持ちで研究を始めました。

 

実際に学会で発表してみて感じたことは、普段のゼミの勉強会とは違い何も知らない人に1から説明することの難しさを感じることができました。

そして、何事も経験することが大事だと改めて気づかされました。

 

学会に行く前と行ったあとでは研究に対する気持ちが変わりました。

「こんなこと書けば伝わりやすいな」「あの人の発表していた事はどういったことだったんだろう」など凄く研究に対する意欲がわきました。

 

この経験をこれからの修士論文などに繋げていきたいと思います。

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左:石田航君、右:学科長 西原康行先生(石田君の指導教官)

 

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健康スポーツ学科では、毎月研究セミナーを開催しています。

学科の教員、大学院生が自身の研究を発表することによって、研究がより充実するように刺激を与え合っています。

 

石田君も、7月に学科研究セミナーで発表を行いました。

7月の研究セミナー2 ~修士課程2年 石田航君~(クリック)

 

学科内で自身の研究発表を行った時にも、おそらく緊張したことでしょう。

 

しかし、今回の学会発表ではそれ以上に緊張したのではないでしょうか。

なぜなら、石田君も言う通り、学会では自身の研究に関して何も知らない人に説明しなければならないからです。

 

教員も、学会発表となると緊張します。

 

そのような学会において、堂々と発表できたことは大きな財産になることでしょう。

 

今回の学会を踏まえて、修士論文の作成をより充実させることができるのではないでしょうか。

 

 

 

新潟医療福祉大学健康スポーツ学科では、学部から大学院に進学する学生もいます。

大学卒業後に、大学院へ進学し、そこで学問を深めてから社会に出ても決して遅くはありません。

 

修士課程は2年間ですが、その2年間でかけがえのない経験をすることができます。

また、学問を深めると同時に、論理的思考力、問題解決能力などを、より向上させることができます。

これらの能力は社会でも必要になります。

だから、社会に出るタイミングを2年間遅らせても、そこでの2年間を充実させることによって、より優れた能力を身につけて社会に出ることができるでしょう。

 

 

健康スポーツ学科の教員は、学ぶ意欲が旺盛な学生を歓迎しています!!

 

 

 

 

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2018年9月17日 (月)

日本体育学会 口頭発表(保健領域)&企画シンポジウム ~杉崎弘周先生~

 

 

先週から2週にわけて、徳島県で開催された日本体育学会において、発表を行った健康スポーツ学科の先生方の内容を紹介しました。

 

今週、杉崎弘周先生と石田航君(修士課程2年)、本間翔太郎君(修士課程2年)の発表を紹介します。

 

まずは杉崎先生の発表内容です。

 

杉崎先生は口頭発表とパネルディスカッションでシンポジストを務めたため、2つの発表に関して報告してもらいました。

 

以下、杉崎先生の報告です。

 

 

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【一般研究発表(口頭発表)】

「教育実習生の保健授業の担当状況」という演題で発表しました。

 

小規模調査の結果、教育実習において保健を担当した割合は、高等学校が約8割、中学校が3割弱となっていて、中学校では、教育実習期間と指導計画上の保健の実施時期が一致しなかったことなどが要因として考えられ、中学校では道徳を担当している場合もみられました。

 

発表後にフロアからは、担当教員や実習校、受け入れ自治体による差異などについての質問、長年教育実習に関わってきた先生からの実情や課題などがコメントとして寄せられました。

 

次の研究につながる有意義なディスカッションでした。

 

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杉崎弘周先生

 

 

 

【パネルディスカッション】

テーマ:

若手研究者が体育学の学びとキャリアパスを考える-私が研究の道へ進んだ理由-

 

私は若手研究者委員会の企画によるパネルディスカッションにパネリストとして参加しました。

 

パネリストとスタッフがお揃いのTシャツを身に着け、阿波踊りの音楽を流して会場を盛り上げたり、事前に受け付けた質問や意見がスクリーンで紹介され続けたりするなどの工夫がありました。

 

そんな中で、研究のこと、キャリアのこと、体育学会のことなどが熱く語られました。

 

会自体の仕掛けに加え、司会とパネリストの先生の話が非常におもしろく、フロアからもベテランと若手の先生が質問されていて楽しいシンポジウムでした。

 

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杉崎先生の専門は学校保健、保健科教育です。

 

今回の一般発表では、教育実習生が実習先で保健の授業をどの程度担当しているかに関する調査でした。

 

本学にも、保健体育の先生を目指す学生がいます。

ただ、保健体育の先生は、当然のことながら、「保健」も教えなければなりません。

以前、「【授業風景】体育科教育法Ⅱ」(クリック)のなかで、本学科における保健に関する授業の一端を紹介しました。

 

保健では健康や病気の予防などについて学びます。

このことを踏まえると、保健体育では「保健」と「体育」を通して、スポーツ、運動、健康について学ぶことになります。

 

これは、健康スポーツ学科の特色でもあり、健康スポーツ学科には「健康」「スポーツ」「運動」「教育」に関する専門家がいます。

 

保健体育の先生を目指す学生は教育を専門とするゼミに所属することが多いです。

しかし、「保健」という観点から学校教育について考え、学び、実践的指導能力を身につけて教員になるのもとても有意義なことだと思います。

なぜなら、「保健」が必要になるから、というだけではなく、多様な視点を身につけられる可能性があるからです。

 

教員は「教育」についての知識、技能を身につける必要があります。

ただ、仮にあなたが教員になった場合、そこであなたが教える小学生や中学生、高校生は、全員が教員になるわけではありません。

 

だから、教育に関して深く学ぶだけではなく、大学生の頃から多様な経験をして、いろんな視点を身につけることによって教壇に立った時の「引き出し」が増えるのではないでしょうか。

 

その一つとして「保健」という観点から学校教育について学び、考えるのもいいのではないでしょうか?

 

また、新潟医療福祉大学には「教職支援センター」と呼ばれる組織があり、そこに在籍する教育の専門家が、「本気で」教員を目指すあなたを全力でサポートしてくれます。

 

健康スポーツ学科ならば、「研究」も「教員を目指す」ことも両立させることができます。

もちろん、その場合、「あなたの本気度」が大きく関係しています。

 

大学生活を、次のステージに備えた充実した場にしたいのであれば、一緒に学びましょう!!

 

 

杉崎弘周先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sugisaki.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

「教師」への道を切り開くためには?

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教職支援センターの活用方法とは?

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2018年9月14日 (金)

日本体育学会 口頭発表(体育経営管理領域)~山本悦史先生~

 

 

前回、若井由梨先生の口頭発表の内容を紹介しました。

 

今回、口頭発表で研究成果を聴衆に伝えた山本悦史先生の発表内容を紹介します。

 

以下、山本先生の報告です。

 

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日本体育学会第69回大会が徳島大学常三島キャンパスにて開催され、私は体育経営管理専門領域にて口頭発表を行いました。

 

発表タイトルは「プロスポーツの発展過程に生じるジレンマの実態:Jリーグを事例として」というものです。

 

開幕から25年を迎えたサッカーJリーグの中には、現在も深刻な経営難に直面しているクラブがある一方で、クラブとしての収入を増すことに成功し、より多くの社員やスタッフを採用し、地域の様々なサポートを獲得しながら、素晴らしいスタジアムや練習場を使用できるまでに成長したクラブもみられるようになっています。

 

しかし、このように輝かしい成長を遂げたクラブであっても、時間が経過するにつれてその成長が頭打ちになったり、地域に暮らす人々の欲求(ニーズ)に柔軟に対応することが難しくなってしまうことがあります。

 

「こうした現象がなぜ起こるのだろう?」というのが、本研究の出発点となっています。

 

Jリーグに加盟する7つのクラブ(Jクラブ)に対して行ったインタビュー調査の結果、いくつかのクラブでは「組織が成長していく過程で、逆に失われてしまう能力」が存在しているということが、少しずつ明らかになってきました。

 

個々のクラブが地域に暮らす人々の「あれをしたい」「これをしたい」という思いに応えられなくなるのは、単に「お金がない」「人が足りない」だけが理由ではなく、目の前の「お客様」(サポーターやスポンサー企業など)の声に積極的に耳を傾け、彼ら/彼女らの欲求(ニーズ)に忠実に対応しながら、自分たちの製品や組織、業務のプロセスを「合理的に、正しく」つくり上げていった結果によっても生じる可能性があるということです。

 

 

 

今回の学会でも、全国各地で活躍されているたくさんの研究者と交流することができました。

ここには、スポーツの「研究」を通して、人々を幸せにしたい、社会をより良いものにしたいと考える「同志」がたくさんいます。

仲間と一緒になって夢を語り合い、励まし合い、ときには真正面からぶつかったりしながら、自分自身を磨き、目標を達成していく。

 

その過程で感じられる充実感は、きっとアスリートの世界でも、研究者の世界でもまったく同じ。

 

だから、ものすごく楽しいし、たまに苦しいことや上手くいかないことがあったとしても「やっぱりやめられない!」って思ってしまうのです。

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山本悦史先生

 

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山本先生の専門はスポーツマネジメントです。

 

今回、「クラブの運営」という観点から行われた研究を発表されました。

 

Jリーグを含めたスポーツクラブは、決して恒久的な存在ではありません。

運営、経営に行き詰ればクラブは潰れてしまいます。

 

もしクラブが潰れてしまえば、当然、従業員はそこで働けなくなってしまうし、地域にとってはスポーツを享受する場を失ってしまうことになります。

 

スポーツは生活必需品というわけではありません。

しかし、スポーツは私たちの生活をより豊かにしてくれます。

また、高齢社会を迎えたわが国では、スポーツの重要性は増すばかりです。

だから、クラブが存続することはとても重要なことなのです。

 

 

研究というと、何か大それたことを想像する人もいるかもしれません。

しかし、山本先生が今回の研究の出発点を「成長を遂げたクラブが、なぜ頭打ちになり、地域の欲求(ニーズ)に応えられなくなるのか」としているように、研究は自身の「素朴な疑問」からスタートします。

 

おそらく、みなさんも「なぜ?」という素朴な疑問を抱くでしょう。

 

高校生のみなさんなら、「なぜ、勉強が頭に入ってこないんだろう」とか、「どうしたらもっとテストの点数を取れるようになるんだろう」とか、素朴な疑問があるのではないでしょうか?

 

スポーツを行っている人ならば、「なぜ、あの人はシュートが決まるのに、自分はシュートが決まらないのか」とか、「どうしたらうまく泳げるようになるのか」とか、日常の生活のなかに小さな、そして素朴な疑問があるのではないでしょうか?

 

ただ、これだけでは研究にはなりません。

それを「こころ」から考えるのか、「脳」から考えるのか、はたまた「物理法則」から考えるのか、「感覚」から考えるのは、はたまた別の学問から考えていくのかを整理する必要があります。

 

このように、「素朴な疑問」を出発点にして、少しずついろんなことを整理していきます。

そして、さまざまな方法によって、その疑問を解消していきます。

 

 

みなさんが思っている以上に、研究の世界は地味です。

実験したり、文献を読んだり、調査に出向いたり・・・。

 

でも、今まで誰もわからなかったことがわかった時の喜びはひとしおです。

研究者には、それを最初に知ることができるという特権があるのです。

 

素朴な疑問を出発点にして、少しずつ社会にある問題を解き明かし、それを改善、解決していく術を一緒に考えませんか?

 

あなたが抱くその疑問が研究の出発点となりますよ!!

 

 

 

山本悦史先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/yamamoto.html 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/