Editorという仕事
健康栄養学科の澁谷です。
今日はEditorという仕事を紹介します。
これは生計を立てていくような仕事ではなく、ボランティアです。
僕は2つの学術雑誌のAcademic Editor(Editor)という仕事をしています。
世界中の研究者は、なにか新しいものを見つけると
論文という長い文章を書いて、その情報を共有しようとします。
研究者というのは不思議な性格の人ですよね。
そして、研究者はその論文を学術雑誌というところに送ります。
学術雑誌の事務局はその論文を受け取ると、
この論文を載せていいかどうかの判断をEditorと呼ばれる人に任せます。
学術雑誌の事務局の人も博士だったりするのですが、
どこかの専門分野の話は何が新しくて、何が面白いのかなどわからないので、
それぞれの専門分野のEditorにその判断を任せます。
Editorは、通常、Reviewerという論文の審査をする仕事を何度も何度もやったことのある人が
なるので、Editor自身が「この論文はダメ」と判断することも多々ありますが、
逆に、「この論文はOK」という判断はEditor自身ではしません。
「この論文は審査に値するな」と思うとReviewerという人を世界中の研究者から2名を選びます。
通常、その学術雑誌ごとにReviewerのリストを持っているので、その膨大なリストの中から、
もしくは、Editor自身が新しい人を追加したなかから2名を選びます。
そして、Reviewerがだいたい10日から21日ぐらいの間で、論文を審査してレポートを書いてきてくれるので、
そのレポートを読んで、その論文を学術雑誌に載せてもいいかどうかを判断します。
「この論文をEditorとして扱って(Handlingして)くれないか?」という事務局からのお誘いは、
多いときで1日に5件ほどやってきます。そのうち、自分の専門分野に近い論文を扱います。
僕の場合、月に5件ほど扱います。つまり、ほとんどは「やらない」と返事していますが、
それでも、ず~~~っと、他人の論文を読み続けていることになります。
こんな仕事をなぜ続けるかというと、
皆さんが卒業論文として論文をまとめるときに、
また、その後、大学院生となって研究を本格的に始めるときに、
研究指導のためにお役に立てるかと思い、続けています。
今日はEditorというお仕事を紹介しました。