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2018年11月12日 (月)

国際学会での発表!! ~馬場康博先生の巻~

 

 

今日は、馬場康博先生の発表内容を紹介します!!

 

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筑波大学にて開催されたBiomechanics and Medicine in Swimming 2018に参加させていただきました。

 

この学会は、4年に1度開催される水泳関係の国際学会です。

 

4年前にオスロで発表された指導教員の姿を拝見していたので、私は、初めての英語でのOral(口頭)発表に挑戦しました。

「習うより慣れろ」の精神で、「出来るようになってから発表するというより、発表しながら出来るようになるといいな」と考えました。

 

私は水泳部に所属し、屋外での長距離泳(オープンウォータースイミング)競技を専門にしています。

今回は、海でのクロールを慣性センサの角速度情報を用いて定量化する内容で発表しました。

具体的には、海で5kmを泳いだ際に何掻きストロークをしたのか? 計測した角速度情報をもとに抽出データから推測しました。

 

 

【タイトル】

Stroke time estimate in 5 km open water swimming using a tri-axial inertial sensor device: Pilot study of sensor availability

 

【概要】

海での泳動作情報が少ないが、プールでの泳動作情報抽出で妥当性が確認されている慣性センサを使用することでオープンウォータースイミングの泳動作を定量化した。

その結果、体を回転させるローリングの回数(2、334ストローク)をカウントすることができた。

また、局面毎に分けることで泳いでいない局面や前方確認をしている局面を推測することができた。

慣性センサは、長距離水泳のオープンウォータースイミングの泳動作情報の一部推測に適した道具である。

 

 

 

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馬場康博先生

 

 

発表準備までの時間に限りがあったものの、ポスター発表よりも丁寧に方法論を説明できたので、より多くの方に耳を傾けてもらいました。

 

今回の口頭は、発表10分、質疑応答4分で構成されていました。

 

発表練習では何度も10分をオーバーしていた上、発表の際に頭が真っ白になって沈黙になることもあったので、発表中は、「丁度10分くらいかな」と感じていましたが、私の発表は8分で終わってしまいました。

 

10分の時間を知らせるベルの音が鳴らないまま、質疑応答に入りました。

 

しかし、私の長所は「英語が通じなかったり、分からなくても大丈夫!」という、根拠のない、理解しがたい自信です。

「(一人で発表する)口頭発表よりも(相手と会話できる)質疑応答の方が聞き返すこともできるし、安心だ」と思っていました。

 

また、私の稚拙な英語発表にも関わらず、聴講してくださったフロアのみなさんも理解しようとしてくれた印象だったので、発表を終えて(勝手に)周囲の研究者が見守ってくれるような温かい気持ちになりました。挑戦することで多くの経験値を獲ることが出来ました。

 

さらに、発表に至るまで、多くの方々にお手伝いいただきました。研究の打ち合わせ、実施、抽出情報の解釈、発表内容の相談etc…

この場をお借りして、現在の環境に感謝を申し上げます。

 

そして、今後も学生指導の力をつけるために、自分自身の能力を高めていきたいと考えています。

 

 

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今年度も馬場先生はオープンウォータースイミングの国際大会に帯同したり、今回とは異なる国際学会で発表をしたりと、水泳に研究に日々奮闘しています。

 

FINA/HOSA Marathon Swim World Series 2018 #3 Setubal への参加(クリック)

(オープンウォータースイミング国際大会の様子)

 

ECSSに参加しました!!(クリック)

(国際学会の様子)

 

 

馬場先生は、いつも学生と仲良く戯れていますが、学生が普段目にしないところでは、国際大会に帯同したり、国際学会で発表したりと、大活躍しています。

 

健康スポーツ学科には国際的に活躍する先生が多数在籍しています。

身近に、そんな先生がいるんです!!

 

在学生は、そんな環境をどう生かしますか?

 

 

馬場康博先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/baba.html

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年11月 8日 (木)

国際学会での発表 ~下門洋文先生の巻~

 

今日は

下門洋文先生の発表を紹介します!!

 

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2018年9月17日~21日にかけて、4年に1度開催される水泳の国際学会が筑波大学にて行われました(The 13th International Symposium on Biomechanics and Medicine in Swimming 2018 (BMS2018) at Tsukuba)。

 

世界中から約200人の水泳研究者が集まり、水泳に関する最新研究を発表して英語で議論します。

7つのシンポジウム、85の口頭発表、82のポスター発表が行われました。

私はその内、バイオメカニクスのセッションで口頭発表させていただきました。

 

 

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下門洋文先生

 

 

 

【発表タイトル】

水中ドルフィンキック中の足部周りの圧力と剥がれていく渦

 

競泳では、スタート後とターン後に用いられる水中ドルフィンキックという潜水泳技術があります。

これはイルカが泳ぐように、スイマーが足を上下に振って水中を進む泳法です。

 

競泳では「いかにタイムを縮めることができるか」が勝負のカギとなります。

 

実は水中ドルフィンキックはクロールよりも速く泳げるため、ルール上は壁から15mまでしか使用を許されていません。

面白いことに、最近の国際大会を調べると決勝に進むような速いスイマーほど、ドルフィンキックで潜る距離が長く、1,2秒を争う競泳の世界では水中ドルフィンキックがタイムを縮める当たり前の泳技術となってきているんです。

 

では、どうすればドルフィンキックが速くなるか?

不思議なことに、単にスイマーの筋力が強ければ速いというわけではなく、最近では「渦の作り方」が速く泳ぐために大きな役割を果たすことが分かってきました。

 

この研究では、水中ドルフィンキックしているスイマーの通った後にできた渦を見える化しました。

さらに足に働く流体からの力を計測しており、力と渦との関係を調べました。

 

その結果、けり下ろし中に最もスイマーは加速するのですが、足を上下に振るという単純な膝の曲げ伸ばしだけではなく、実は足のひねりが加わった複雑な動きで足の表と裏に圧力差を生じさせ、周りの流体に渦を作って進んでいることが分かりました。

 

近い将来、スイマーの渦の作り方を評価できるようになり、キックしているけど進まないのは実は渦の作り方が非効率的だった、ということが分かるかもしれません。

 

発表後は色々な先生から英語で質問を受け、うまく答えることができず英語の必要性を強く感じ、一方で多くの研究者に興味を持ってもらえたことを嬉しく思いました。

 

 

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下門先生の専門はスポーツバイオメカニクス、運動疫学です。

また、栄養士、健康運動指導士、水泳コーチといった資格も保持し、大学では健康運動指導士、健康運動実践指導者関連の授業も受け持っています。

 

「どうすれば速く泳げるようになるの?」「どんな泳ぎ方がいいの?」とったように泳ぎ方に疑問を抱く人、「健康のためにはどんな運動がいいの?」「どれだけ運動をすれば健康の維持、増進につながるの?」といった健康の維持、増進に関わる運動の仕方に興味関心のある人は、ぜひ、下門先生に聞いてみてください。

 

博識な下門先生から、水泳のこと、健康運動のこと、その他いろんなことを聞くことができますよ!!

 

 

下門洋文先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/shimojo.html

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

 

2018年11月 6日 (火)

国際学会への参加!! ~下山好充先生の巻~

 

 

今週、国際学会での発表を続けて掲載していきます。

 

先陣を切るのは下山好充先生です。

以下、下山先生からの報告です。

 

 

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2018年9月17日~21日、4年に1度開催される水泳の国際学会が筑波大学にて行われました。

 

 

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下山好充先生

 

 

この学会に私は1998年から5回連続で参加しており、この学会に参加し続けていることで他の国々の水泳研究者と知り合いができました。

また、今回はコーチングのセッションで、座長とポスター発表(ショートプレゼン含む)をさせていただきました。

 

私自身、国際学会での座長は初めてで、緊張もありましたが、直前の発表キャンセルというトラブルにもどうにか対処でき、無事役目をこなすことができました。

 

 

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 座長を務めた様子

 

 

 

ポスター発表では、水泳中、呼吸制限しながらトレーニングすること(ハイポキシックトレーニング)が身体にどのような影響を与えるのかについて調べたことを発表しました。

 

 

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呼吸を制限した場合、制限しなかった場合と比べ、全身の代謝特性にはほとんど影響はなかったのですが、活動筋の代謝特性に影響を及ぼしていることがわかりました。

さらに研究を進めて、ハイポキシックトレーニングについての効果を検証していきたいと思います。

 

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以下の記事でもお伝えしましたが、下山先生は新潟医療福祉大学水泳部を躍進させている立役者です。

SHAIN プロジェクト キックオフ・シンポジウム 健康スポーツ学科のシンポジスト紹介

(クリック)

 

日々、コーチング現場に身を置き、選手の競技力向上を図っています。

研究と現場は切り離されるものではなく、現場から問題点を抽出し、それを研究によって改善、解決を図り、再度現場に還元する。

 

下山先生は研究と現場の懸け橋となっている先生です。

本学の水泳部の躍進の裏側には、研究しながらコーチング力を高めるという取り組みがあるのです。

 

研究も指導も、「なぜ?」「どうすれば?」といった疑問からスタートし、それを追究することになります。

 

物事を深く探究することは、研究も指導も同じです。

 

水泳、コーチングに興味関心のある人は、ぜひ下山先生の研究室へ訪れて、深い話を聞いてください!!

 

 

 

新潟医療福祉大学水泳部ブログ

http://nuhw.blog-niigata.net/swim/

 

 

新潟医療福祉大学水泳部(強化クラブ特集)

https://www.nuhw.ac.jp/sport/swimming/

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

2018年10月22日 (月)

2018年度 健康スポーツ学分野(大学院) 修士論文中間発表会

 

 

2018年9月26日(水)に、健康スポーツ学分野長の佐藤大輔先生の挨拶から中間発表会が始まりました。

 

 

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健康スポーツ学分野分野長の佐藤大輔先生

 

 

 

 

まずは石田航君(修士課程2年)の研究発表が行われました。

タイトルは『VR技術による野球の選手及び指導者の状況認知』です。

 

 

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石田航君(修士課程2年)

 

 

 

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次に、本間翔太郎君(修士課程2年)の研究発表が行われました。

タイトルは『VR技術によるバスケットボール指導者の状況認知』です。

 

 

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本間翔太郎君(修士課程2年)

 

 

 

 

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続いて、中野沙紀さん(修士課程2年)が研究発表を行いました。

タイトルは『有酸素性運動が空間記憶トレーニングに及ぼす影響』です。

 

 

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中野沙紀さん(修士課程2年)

 

 

 

 

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最後に、佐々木悠介君(修士課程2年)が研究発表を行いました。

タイトルは『跳躍動作の筋シナジー抽出と技能評価への応用可能性』です。

 

 

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佐々木悠介君(修士課程2年)

 

 

 

 

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座長を務めたのは、西原康行先生(石田君と本間君の指導教員)と佐藤大輔先生(中野さんと佐々木君の指導教員)です。

 

 

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西原康行先生

 

 

 

 

 

健康スポーツ学科の先生方も、大学院生の発表を聞きました。

 

  

 

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石田君、本間君、中野さん、佐々木君、みんな緊張した面持ちでした。

 

緊張の中、各先生からの鋭い質問が投げかけられた際にはたじろぐ姿も見受けられました。

 

しかし、各先生の質問に対して堂々と受け答えをしていた姿は立派でした!!

 

 

研究は専門的に行われるため、その研究をしている人ならばわかることでも、それ以外の人はわからないことは多々あります。

 

だからこそ、研究の成果を他者に伝えるためには、専門的なことを、よりわかりやすく説明する必要があります。

 

ただ、これって意外に難しいんですよね。

 

 

 

4人とも、これから修士論文の完成に向けて突き進まなければなりません。

 

今日の発表会を機に、修士論文がより良いものとなることを願っています。

 

もちろん、指導教員を始め、学科の先生は大学院生もサポートします!!

 

 

 

・・・「研究」というと、何だか格式高いことのように思われますが、日常生活の中で小さな疑問をもち、それを改善、解決したいと思う人がいれば、ぜひ大学院に進学してください。

 

「どうしたら、もっとうまくボールを投げられるようになるの?」「どうしたら、より優れた教師になれるの?」「どんな運動が健康増進にはいいの?」といったような、ほんとに小さな疑問が研究の出発点になりますよ。

 

 

 

新潟医療福祉大学 健康スポーツ学分野

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

西原康行先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/nishihara.html

 

 

佐藤大輔先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sato_d.html

 

 

2018年10月11日 (木)

体力医学会参加報告 ~修士課程2年 佐々木悠介君から~

 

 

今週、日本体力医学会参加報告を連載してきましたが、今日が最後です。

 

以下、佐々木悠介君(修士課程2年)からの報告です。

 

 

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私は今回、2018年9月7日から同年9日にかけて、福井県福井市にて行われた体力医学会に参加し、ポスター形式による発表を行ってきました。

発表させて頂いた内容は、現在取り組んでいる跳躍動作の筋シナジーの抽出と、その応用可能性についての内容です。

 

この研究では筋シナジー仮説を応用し、跳躍動作の筋シナジーの抽出を試み、得られた筋シナジーから跳躍動作の評価が可能かを検証することを目的としています。

 

筋シナジー仮説は自由度が高い運動(注1)を行うとき、筋を1つ1つ制御するのではなく、その運動を起こす筋の組み合わせ(シナジー)をあらかじめ作っておき、筋は独立的に活動するのではなく、そのシナジーという単位で活動するという考え方です。

 

筋シナジー仮説を用いた研究は近年注目されており、神経科学、バイオメカニクスといった分野をはじめ、ロボット工学や臨床現場での活用も検討されています。

 

私は、今回の学会で初めて筋シナジーの内容で参加させて頂いたため、他大学で同様に筋シナジーを研究されている先生方や、初めて筋シナジーの発表を聞く先生方にはどのように自分の研究が映るのだろうと不安でした。

 

また、私自身が筋シナジーの研究を勉強し始めてから間もないため、うまく説明できるかという不安もありました。

 

発表当日は多くの先生方が私のポスターに足を止めてくださいました。

 

質問を受け、答えていると、その後ろに次に質問したいという先生方が並んでくださり、筋シナジーの注目度の高さを感じました。

 

他分野の先生方からは、そもそもシナジーとは何かといった基本的な質問から、自身の専門領域を踏まえたお話をいただき、とても活発な意見交換ができたと感じました。

 

しかし、同時に他分野の方へ、自身の研究内容について説明することの難しさも改めて感じました。

また、シナジーを研究する先生ともお話しすることができ、自身の知識をより深められ、さらに、今後の研究の進め方などをアドバイスして頂きました。

 

同じテーマで研究をされている方との直接会ってお話を聞くことができる機会は多くないため、私にとって貴重な時間でした。

 

発表準備等は大変でしたが、貴重な経験が積める学会という場に参加できたことを大変嬉しく思います。

学会参加に伴い、今回の実験に参加して下さった被験者のみなさんや、協力してくださった先生方へ、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

 

 

 

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佐々木悠介君(修士課程2年)

 

 

注1)自由度が高い運動とは、今回の研究対象となる「跳ぶ」という動きだけではなく、「走る」「投げる」といったように、研究対象とする場合に複雑な問題をもつ運動のことです。

 

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佐々木君は、修士課程に通いながらハンドボール部の指導も行っています。

跳躍動作に注目し、研究を始めたのも自身の経験からでしょう。

 

佐々木君のコメントにあるように、学会は「貴重な場」です。

専門家が集い、研究を発表したり、聞いたり、議論をしたりと、専門性を高めることのできる貴重な場です。

 

このような場で発表することは不安もあるでしょうし、緊張もするでしょう。

ただ、だからこそ良い経験になるのかもしれません。

 

ちなみに、これは教員も同じです。

多くの聴衆の前で発表することは不安もありますし、緊張もします。

 

 

佐々木君は教員志望でありながらも大学院へ進学しました。

 

新潟医療福祉大学の大学院(健康科学分野 健康スポーツ学分野)へ進学し、特定の科目を履修することで「専修免許状(保健体育)」を取得することができます。

 

専修免許状とは、教員免許状を取得した人よりも、深い知識を修得している証明のようなものです。

つまり、「より専門性の高い教員」ということができます。

 

大学院は、何も研究者になる人だけが通うところではないのです。

自身の経験や知識を深め、専門性をより高めるための「自己研鑽の場」であるともいえます。

 

研究を通して論理的思考力を高め、学会発表を行ってプレゼンテーション能力を高めることもできます。

佐々木君は、そんな経験をしたことによって、より専門性の高い教員として、今後、教育現場で活躍してくれることでしょう。

 

そのためにも、まずはより良い修士論文の完成を目指しましょう!!

 

 

 

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写真左から佐々木悠介君(修士課程2年)、山﨑雄大君(博士課程2年)、中野沙紀さん(修士課程2年)、佐藤大輔先生(3人の指導教員)

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 健康スポーツ学分野

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年10月10日 (水)

体力医学会参加報告 ~修士課程2年 中野沙紀さんから~

 

 

おとといから始まった体力医学会参加報告。

今日は中野沙紀さん(修士課程2年)です。

 

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【背景】

認知トレーニングが認知機能を改善するか否かについて、一致した見解が得られていない。そこで、認知トレーニングのプレコンディショニングとして、空間記憶機能と関連するα、β帯域の活動を高めるとされる中等度有酸素性運動が有用であると考えた。

 

 

【目的】

リカンベントエルゴメーターを用いた運動が、α、β帯域の活動を増大させ、空間記憶トレーニングのプレコンディショニングとして有用となるかを明らかにすること。

 

 

【方法】

実験1:

健常成人15名を対象に運動条件と安静条件の2試技を実施し、介入前後、10、15、30分後に脳波の計測を行った。

 

実験2:

健常成人30名を運動群、安静群各15名とし、介入後に約2分間の空間記憶課題10セットをトレーニングとして行い、トレーニング15、30、45、60分後、1日後に再度同課題を行った。

 

実験1,2共に運動は50%Vo2peakで20分間のペダリング運動とした。覚醒度の評価も同時に行った。

 

 

【結果】

実験1:運動後10分まで、α、β活動の増大が認められた。実験2:運動条件においてトレーニング効果の促進が認められた。運動後に覚醒度の上昇が見られた。

 

 

【結論】

中等度有酸素性運動が空間記憶トレーニングの効果を促進させた。

これには、運動後のαおよびβ活動の増大、覚醒度の上昇が関与している可能性が示唆された。

 

 

 

私は、今回の体力医学会で、初めて自身の研究内容を発表する機会をいただきました。

今までの学会は、口頭発表やポスター発表を聞くだけの参加でしたが、今回は、自分が取り組んできた研究を発表する立場での参加となり、貴重な経験ができました。

 

その中で専門分野が異なる方に研究内容を解りやすく伝えるのは難しいことであると感じました。

私が行っている研究は、簡単に言えば、「運動が認知症予防に効果的か否か」を証明する内容であり、高齢化が進む現在、認知症の患者さんや、軽度認知障害を有する方を少しでも減らしていくことを目標とした研究となります。

 

今後、認知症予防における「運動」の効果をできるだけ多くの方に理解してもらうためにも、自身の研究内容について更に理解を深めていく必要があると感じました。

 

口頭発表、ポスター発表を聞くだけでなく、シンポジウムに参加することで、現在取り組んでいる運動指導や運動と脳について、それぞれの専門の方からの詳しいお話を聞くことができ、新たな知見を取り入れることができました。

 

3日間で聞いたり、見たり、感じたりしたことを、今後にしっかりと活かしていきたいと思います!!

 

  

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中野沙紀さん(修士課程2年)

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中野さんはメディカルフィットネス施設への就職を希望しています。

彼女は健康運動指導士の資格も保持しているんですよ!!

 

 

資格を保持すること自体には一定の意味があるでしょう。

しかし、ただ資格を保持しているだけでは、より良い健康運動指導士とはいえないのではないでしょうか。

 

中野さんは大学院に進学し、「研究」を通して重要な情報を取捨選択する能力、論理的思考力、高度な実技能力を身につけました。

 

まず、私たちはこのような能力を身につけることができます。

「大学院」という研究をする場所ではそれらが必ず必要になるからです。

つまり、大学院に進学し、真剣に自身の研究と向き合うことによって、このような能力が身につきます。

 

次に、私たちはこのような能力を失いもします。

いくら大学院で身につけた能力とはいえ、常にアンテナを張って最新の情報を得ようとしたり、目の前の対象者に対して最善の運動処方を常に考えることをしたりしなければ、これらの能力は徐々に失われていきます。

 

 

だから、中野さんにはせっかく身につけた能力を失うことなく、より洗練させてもらいたいと思います。

 

大学院を終了後、中野さんは高度な職業人として社会に貢献してくれるはずです。

 

大学院を狩猟するまで、まだ時間はあります。

少しでも良い論文となるように、ギリギリまで自身の研究と向き合ってもらいたいですね。

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 健康スポーツ学分野

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年10月 9日 (火)

体力医学会参加報告 ~博士課程2年 山﨑雄大君から~

 

昨日から始まった体力医学会参加報告の連載。

今日は山﨑雄大君(博士課程2年)からの報告をお伝えします。

 

以下、山﨑君からの報告です。

 

 

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私は、これまで行ってきた有酸素性運動が一次運動野の活動性に与える影響についての研究成果を発表しました。

 

【タイトル】

低強度ペダリング運動が一次運動野脚領域皮質内興奮性に与える影響

 

【研究背景と目的】

有酸素性運動を実施すると、脳の一次運動野と呼ばれる領域で脳内の抑制-興奮のバランスが一時的に変化することが分かっています。

 

この抑制-興奮バランスの一時的な変化は運動技能学習や学習した技能の記憶に重要な役割を果たすと考えられています。

 

しかし、「運動強度によって一次運動野の活動性の変化は異なる反応を示すのか?」「運動した部位と運動していない部位で反応は変わるのか?」などわかっていないことは多く残されています。

 

本研究では、低強度のペダリング運動を行うことで一次運動野の脚領域の活動性を変化させることができるか検証しました。

 

【方法】

実施した実験は①一次運動野の抑制反応を見る実験、②一次運動野の興奮反応を見る実験、③脊髄の興奮性を見る実験、の3つです。

 

それぞれ、運動した場合と運動しない場合の変化を別日に計測しました。

運動は低強度(心拍数100-110拍程度)のペダリング運動を30分実施してもらいました。

その前後に一次運動野の抑制、興奮反応、もしくは脊髄の興奮性を評価しました。

 

【結果】

低強度のペダリング運動後は、一次運動野の抑制反応が一時的に低下することがわかりました。

一方で、一次運動野の興奮反応や脊髄の興奮性では変化が見られませんでした。

以上の結果から、低強度運動後には一次運動野は脱抑制状態になること、そしてこの変化は脊髄レベルで生じたものではなく脳で生じている可能性が示唆されました。

 

【結果をどう生かせるのか?】

一次運動野の抑制-興奮バランスの一時的な変化、特に抑制の低下は運動学習や運動記憶に重要と言われています。

 

私たちの研究室では、低強度ペダリング運動後に手の領域の抑制反応も低下することを以前の研究で確認しています。

これら一連の研究結果から、低強度の運動は手や脚を用いた運動学習の効率や記憶の定着を高める可能性が考えられ、リハビリテーションの現場などで応用できる可能性があります。

今後、実際に低強度運動をすることで運動学習の効率を高めることができるかを検証します。

 

今回参加した日本体力医学会は、体力・スポーツ医科学を専門とする多くの研究者が集う学会です。

そのため、自分の研究に直結するような内容はもちろん、異なる領域の研究についても発表を聞くことができました。

また、多くの研究者とディスカッションすることでよい刺激を受けることができ、非常に有意義な学会になりました。

 

 

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山﨑雄大君(博士課程2年)

 

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以前、山﨑君の実験をお伝えしました。

(2018年10月5日(金)公開ブログ)

 

山﨑君は日々研究に没頭し、大学教員を目指しています。

その中で、海外の学術誌に論文を投稿しています。

 

大学教員への道を切り開くことは決して簡単なことではありません。

運や縁も重要になってきます。

とはいいつつも、実力が無ければ運を引き付けることも、ご縁に恵まれることもありません。

 

大学院での日々は、まさに「実力」をつけるための下積み時代ということができます。

 

自分の研究と向き合い、寝ても覚めても研究について考え、学問を深める時期です。

そして、この時期に「どれだけ研究と向き合えたか」が、その後の成長につながっています。

 

栄養をたくさん蓄えることで、後に色鮮やかなオリジナルな花を咲かせることができるでしょう。

 

後に、山﨑君はどんな花を咲かせてくれるのでしょうか・・・?

教員一同、楽しみにしています。

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 博士課程

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/doctor/major.html

 

 

新潟医療福祉大学 修士課程

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年10月 8日 (月)

体力医学会参加報告 ~佐藤晶子先生から~

 

 

2018年9月7日(金)~同年9月9日(日)まで、福井県で日本体力医学会大会が開催されました。

 

日本体力医学会は、体力、スポーツ医科学に関わる人が集う学会です。

医者も参加するような学会なんです。

 

そのような学会において、健康スポーツ学科から佐藤大輔先生、越中敬一先生、佐藤晶子先生、山﨑雄大君(博士課程2年)、中野沙紀さん(修士課程2年)佐々木悠介君(修士課程2年)の5名が発表を行いました。

 

今週、佐藤晶子先生、山﨑雄大君、中野沙紀さん、佐々木悠介君からの報告を順に紹介します。

 

まずは、佐藤晶子先生です。

以下、佐藤晶子先生からの報告です。

 

 

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今回、私は日本体力医学会にて「短期的なチアミン欠乏食の摂取が異なる様式の運動時に骨格筋糖代謝に及ぼす影響」というタイトルで口頭発表をさせていただきました。

 

チアミンというのはビタミンBの化学名で、エネルギー代謝、とくに糖代謝において重要な役割を果たしているため、多くのエネルギーを消費する競技選手にとって重要と考えられてきました。

 

しかし、競技選手は合宿や遠征時などチアミンを短期的に摂取できない場合があります。このとき、競技パフォーマンスに影響するかどうかはよくわかっていません。

 

今回の動物実験では、短期間であればおそらく運動時のパフォーマンスを顕著に低下させることはないと考えられました。

しかし、運動時ではなく安静時のエネルギー代謝に影響を及ぼすようなデータも得られ、今後さらに検証が必要です。

 

学会発表は研究の途中経過を示す場であると考えています。

ここで発表した内容をさらに発展させ、スポーツの現場に役立つ知見を見つけていきたいと思います。

 

 

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佐藤晶子先生

 

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佐藤晶子先生の専門はスポーツ栄養学です。

そのため、佐藤先生の研究では「スポーツ」「栄養」がキーワードになります。

 

みなさんもご存知だと思いますが、私たち人間が身体を動かするためにはエネルギーが必要になります。

そして、その主なエネルギーは糖質です。

ちなみに、お米やパン、砂糖などに糖質がたくさん含まれています。

 

糖代謝という聞きなれない言葉がでると「?」が出て来るかもしれませんね。

簡単に言えば、糖代謝とは、糖を体で使うことです。

 

車を走らせる際にガソリンが必要となるように、私たち人間もエネルギー(糖)が必要になります。

そして、その際にビタミンB1があるとより効果的に糖を体で使うことができるのです。

 

しかし、合宿や遠征の際に、必ず十分な栄養を摂ることができるとは限りません。

特に、海外で合宿や遠征を実施する場合、日本にいる時と同じように栄養を摂る(慣れた食事をする)ことができるとはいえません。

「その際に、パフォーマンスはどうなるのか?」ということを明らかにすることによって、合宿や遠征の質を高めることができます。

 

今回の佐藤先生の研究は、そのようなことに生かすための研究だと思ってもらえればいいと思います。

 

 

また、佐藤先生の研究では動物実験が行われましたが、「人間で実験しないの?」と思った人もいるかもしれません。

 

最終的には人間に応用することになるんですが、「倫理」の問題もあり、人間で実験できることとできないことがあるんです。

とはいいつつも、もちろん、動物愛護の観点から動物実験も慎重に行われています。

 

小さな実験の積み重ねがスポーツ現場に有益な知見を与え、スポーツ選手の能力向上につながっているんです。

 

今後、佐藤先生の研究がより深められることによって、多くの日本人アスリートが活躍する日が来るかもしれません。

 

 

「試合前にはどんな物をどれだけ食べればいいのか」「普段の生活の中で、どんな物を食べると体調を整えられるのか」といったことに関して、テレビや雑誌などで情報がたくさん出回っています。

 

しかし、一歩踏み込んで、「深く」そして「正しく」栄養について知りたい人がいれば、ぜひ、佐藤晶子先生のところへ行ってみてください!!

 

 

 

佐藤晶子先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/sato_a.html

 

 

佐藤晶子先生のゼミ活動

http://nuhw.blog-niigata.net/hs/2018/09/03/

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年10月 5日 (金)

実験の様子 ~博士課程2年 山﨑雄大君~

 

 

研究を実施する場合、その拠り所を決める必要があります。

まず、大まかにいえば文系と理系のどちらの立場に立つか、ということになります。

 

一般には、文系の研究が行われる領域は人文社会科学といわれ、理系の研究が行われる領域は自然科学といわれます。

 

自然科学における研究では「実験」が重要になります。

この実験は理科の授業で行われる実験の延長線上にあると思ってもらえればいいと思います。

 

とはいっても、大学ではどんな研究が行われ、そこではどんな実験が行われているのかを想像することは難しいかもしれません。

 

そこで今回、新潟医療福祉大学の博士課程に在籍し、日々研究に没頭している山﨑雄大君(博士課程2年)が行った実験の様子をお伝えします。

 

 

と、その前に・・・。

以前、山﨑君の研究に関して、学科で行われているセミナーで彼が発表した様子をお届けしました。

6月の研究セミナー2 ~博士課程2年 山﨑雄大君~(クリック)

 

山﨑君は神経生理学と呼ばれる学問を学び、彼は、簡単にいえば、運動と脳の関係を解明しています。

 

今回、運動と脳の関係を解明するための実験の様子をお伝えします。

 

 

 

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実験が行われた部屋

 

 

 

被験者(実験に協力してくれる人)が来る前から、山﨑君は準備を整えています。

 

 

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山﨑雄大君(博士課程2年)

 

 

 

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実験に用いられた主な機器。

 

 

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被験者(実験に協力してくれる人)が来てからは、被験者からデータを取れるように準備を整えました。

 

山﨑君の研究では脳からデータを取ります。

もちろん、倫理的に十分配慮され、実験は安全な方法で行われます。

 

 

 

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被験者(実験に協力してくれる人)は、30分間自転車を漕ぎました。

 

 

 

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脳からデータを取っています。

 

 

 

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今回の実験では、自転車を30分間漕いで、その後に脳の活動がどのように変化したのかを調べました。

この日の実験は2時間を超えました。

 

 

 

山﨑君は健康スポーツ学科に入学し、3年生の頃から「研究」に興味関心を抱き、博士課程まで進学しました。

 

これまでに、健康スポーツ学科に入学して、新潟医療福祉大学の博士課程まで進学した学生はいません。

 

だから、山﨑君が博士課程を無事に修了することができれば、彼が栄えある第1号となります!!

 

 

このように、学部生から博士まで進学する学生が出てきたのは、研究に対して「志をもつ学生」が出てきたことと健康スポーツ学科の研究と教育の充実ぶりに依ります。

 

健康スポーツ学科の教員は、今後も研究・教育をより充実させるよう努めます。

 

 

もし、「研究をしたい!!」と意気込む人がいれば、他大学の学生でも、社会人の方でも歓迎します!!

 

ぜひ、一緒に楽しい研究をしましょう!!

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 博士課程

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/doctor/major.html

 

 

新潟医療福祉大学 修士課程

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

2018年9月21日 (金)

日本体育学会 ポスター発表(体育経営管理領域)~修士課程2年 本間翔太郎君~

 

 

先週から続いた各先生方ならびに大学院生の日本体育学会における発表の紹介も、今日で終わりになります。

 

最後は、修士課程2年の本間翔太郎君の発表を紹介します。

 

以下、本間君からの報告です。

 

 

 

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徳島大学常三島キャンパスにて開催された日本体育学会第69回大会において、体育経営管理領域においてポスター発表をさせていただきました。

 

初めての学会参加、ポスター発表をするということに緊張がありましたが、自分自身の実力不足や研究の楽しさを感じさせられる、とても有意義で濃い時間を過ごさせていただきました。

 

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研究について説明する本間翔太郎君(修士課程2年)

 

 

今回の学会参加により得たものを最大限に活かし、今行っている研究を進めることで、社会にとって自分自身にとっても良い修士論文にしていきたいと思います。

 

 

 

今回発表した内容は、健康スポーツ学科で開催された7月の研究セミナーの内容と同じです。

発表内容は下記の通りです。

 

【タイトル】

VR技術によるバスケットボール指導者の状況認知

 

【目的】

本研究の目的はバスケットボールの熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることである。本研究の目的が達成されることによって、バスケットボール指導者の育成ならびに指導力向上へつながることが期待される。

 

【方法】

360度全方位録画可能なVRカメラにて撮影したVR映像を指導歴の違う3名の指導者に視聴してもらい、オンゴーイング(注1)で何を認知しているか語ってもらった。

それらの語りをもとに、バスケットボールを経験した3名の大学生でバスケットボール特有の7つの観点でカテゴライズ(分類)した。その観点は視覚状況、期待予測、過去の振り返り、賞賛、批判、指示的、支援的の7つである。

なお、カテゴライズの過程(語りの分類の過程)を文字起こしすることで(カテゴライズのオープン化によって)、研究の信頼性と妥当性を確保した。

 

【結果・考察】

研究の結果、熟達指導者と未熟達指導者の状況認知の特徴が明らかにされた。その1つとして、熟達指導者は選手のある1つのプレーだけではなく、時間幅を持ったプレーに対して賞賛を与えているが、一方で未熟達指導者はある1つのプレーだけに賞賛を与えることが明らかにされた(たとえば、熟達指導者はリバウンドから速攻に移った一連のプレーに対して賞賛するが、未熟達指導者はリバウンドに対してだけ賞賛を与えるということである)。

 

【結論】

熟達指導者の状況認知の特徴を明らかにすることによって、未熟達指導者は熟達指導者の状況認知を学習することができると考えられる。すなわち、指導者養成ならびに指導力向上のための有用な知見になると考えられる。

 

 

注1)オンゴーイングとは、映像を視聴しながら、その時々に感じたこと、思ったことを言葉に発する方法である。

 

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左:本間翔太郎君、右:学科長 西原康行先生(本間君の指導教官)

 

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前回紹介した石田君と同様に、本間君も、初めて学会で発表を行いました。

本間君の「実力不足や研究の楽しさを感じた」という感想は、意外と大切だったりします。

 

 

あれもできる、これもできる、またはあれも知っている、これも知っている、という姿勢では、何も得られないかもしれません。

 

 

自分自身の無知を自覚することによって、多くの人がいろんなことを教えてくれるかもしれません。

 

また、力不足と感じることによって、足りないものを補おうと努力するはずです。

 

 

とりわけ、「研究」では「探究心」が重要になります。

 

知っていることがあったとしても、「ここまでは知っているけれど、これ以上は知らない」といったように、「知らない」ことを自覚するから「知ろうとする(探究する)」のです。

 

言い換えれば、知っているのであれば研究はスタートしません。

 

 

 

子どもの頃に宝探しゲームをした人もいると思います。

 

そのゲームをしている時に、宝のありかを知っているのであればつまらないし、ゲームにもならないはずです。

 

宝のありかを知らないからこそゲームになるし、ワクワクもするし、ドキドキもするし、それを手に入れたいと思い、夢中になって探していたはずです。

 

そして、そのこと自体を心から楽しんでいたはずです。

 

研究も、宝探しゲームと同じだったりします。

 

 

 

「知りたい」という欲求がある人は、健康スポーツ学科の教員と共に「研究」という宝探しゲームを一緒にしませんか?

 

 

 

 

 

新潟医療福祉大学 大学院 健康スポーツ学分野

https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hs.html

 

 

新潟医療福祉大学 大学院 健康スポーツ学分野 facebook

https://ja-jp.facebook.com/NUHWgraduate.HS/

 

 

大学院生の一日

https://www.nuhw.ac.jp/grad/campus/case/

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

西原康行先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/nishihara.html