研究紹介 ~哺乳動物の卵子について~
健康栄養学科教員の川上です
8年ぶりにブログに戻ってきました
8年間のブランクを埋めるべく、久しぶりに書きたいと思います
今回は私の研究についてです
私がテーマにしているのは、哺乳動物の卵子です
高校時代に生物を履修した人は、否が応にも勉強したはず。
卵子は、精子と受精すれば受精卵となって
発生(細胞分裂)をはじめますが、
卵子は最初から受精能や発生能があるわけではありません。
卵巣内で、卵子の基になる細胞のいくつかが成長し、
成長を完了した卵子が排卵されますが、
この成長過程に問題があると、後の受精や発生に支障をきたしてしまいます。
近年、卵子の成長過程と、女性の栄養状態との関係性が明らかにされ始めており、
私もこの関係について調べています。
調べる手段として、卵子にいろいろな処置を施し、
卵子の形態や反応の変化について観察するわけですが、
今回は過去に観察した卵子について写真で紹介します。
かなり古い写真ですが…。
↑これはハムスターの卵子。何だか見にくい?のは、採取しただけの無処置の卵子だからです。
↑これはマウスの卵子の「核」を染色した際の写真です。卵子の上部に黒紅色に染まった染色体と、その周辺の紡錘糸も観察されます。染色液の影響で、全体が赤橙色になっています。
↑これは、マウスの卵子の細胞質における、ある酵素活性を調べた時のものです。酵素活性が存在する部位には、青紫色の色素が沈着するので、これにより酵素活性の有無を判断します。卵子の右上に見える小さな細胞が第1極体です。
↑最後に、これはマウスの卵子の脂質を観察した時の写真。細胞内で、赤橙色で点々と染まっている小さな粒の一つ一つが脂質になります。
以上のような卵子を観察することで、
卵子の成長過程で生じる変化や異常について検討することができます。
もちろん、観察した卵子数はこれだけでありませんし、
卵子の観察手法は他にも多く存在しますが、本日はこのくらいでご容赦を。
それでは