栄養教諭って何をする先生?
教職課程(栄養教諭コース)担当の森泉哲也です。
「病院の管理栄養士として、糖尿病や高血圧等の様々な疾患を抱えた患者さんと関わる中で、生涯にわたり健康的に暮らしていくためには、子どもの時に食を選択する力を身に付けていくことが大切だと実感しました。」
これは皆さんの先輩が、なぜ栄養教諭を目指すのかと聞かれたときの言葉です。読んで不思議に思いませんでしたか? そうです。この先輩は、いったん病院に就職した後、栄養教諭を目指したのです。それだけやりがいのある職業かどうかは人によって違うと思いますが、ここでは、栄養教諭が何をする先生なのかを簡単に説明します。
皆さんは全員、小学校か中学校の時に「学校給食」を食べたと思います。学校生活の中の一番の楽しみだった人も多いのではないでしょうか。この学校給食を責任を持って毎日提供することは、栄養教諭の最も重要な仕事です。「責任を持って提供する」とは、栄養管理と衛生管理を確実に行った上で美味しい給食を提供する、ということです。だからこそ、多くの子どもたちが、毎日の給食を楽しみにしているのです。
皆さんは「健康的なおやつは、何に気を付ければいいのか」と問われたら、どのように答えますか。管理栄養士になるための勉強をした者であれば、たやすく答えられるかもしれませんが、単に正解を知ることはさほど重要ではありません。子どもたちを「なるほど」「そうだったんですね」「明日からやってみます」というような心に響く理解に導くには、どのような道筋で指導したらよいでしょうか。このように、子どもたちが食について思考を巡らせ実践につなげていくような指導を「食に関する指導」といいます。栄養教諭は食に関する指導を行う先生です。
以上の二つが栄養教諭の主な仕事ですが、栄養教諭とは「給食の提供」と「食に関する指導」によって、子どもたちに生きる力を育む職業なのです。栄養教諭の頑張りが、子どもたちの健康状態に表れることは確かだと思います。
さて、皆さんが入学した健康栄養学科では、全員が管理栄養士になることを目標にしていますが、その管理栄養士としての資質を基礎資格として「栄養教諭コース」があります。ですから、栄養教諭の免許を取得するためには、管理栄養士になるための勉強プラスαの勉強が必要です。プラスαは37単位ですので決して容易ではありませんが、子どもが好きで、教育の分野に関心のある人は、挑戦してほしいと思います。