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2018年11月

2018年11月 8日 (木)

国際学会での発表 ~下門洋文先生の巻~

 

今日は

下門洋文先生の発表を紹介します!!

 

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2018年9月17日~21日にかけて、4年に1度開催される水泳の国際学会が筑波大学にて行われました(The 13th International Symposium on Biomechanics and Medicine in Swimming 2018 (BMS2018) at Tsukuba)。

 

世界中から約200人の水泳研究者が集まり、水泳に関する最新研究を発表して英語で議論します。

7つのシンポジウム、85の口頭発表、82のポスター発表が行われました。

私はその内、バイオメカニクスのセッションで口頭発表させていただきました。

 

 

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下門洋文先生

 

 

 

【発表タイトル】

水中ドルフィンキック中の足部周りの圧力と剥がれていく渦

 

競泳では、スタート後とターン後に用いられる水中ドルフィンキックという潜水泳技術があります。

これはイルカが泳ぐように、スイマーが足を上下に振って水中を進む泳法です。

 

競泳では「いかにタイムを縮めることができるか」が勝負のカギとなります。

 

実は水中ドルフィンキックはクロールよりも速く泳げるため、ルール上は壁から15mまでしか使用を許されていません。

面白いことに、最近の国際大会を調べると決勝に進むような速いスイマーほど、ドルフィンキックで潜る距離が長く、1,2秒を争う競泳の世界では水中ドルフィンキックがタイムを縮める当たり前の泳技術となってきているんです。

 

では、どうすればドルフィンキックが速くなるか?

不思議なことに、単にスイマーの筋力が強ければ速いというわけではなく、最近では「渦の作り方」が速く泳ぐために大きな役割を果たすことが分かってきました。

 

この研究では、水中ドルフィンキックしているスイマーの通った後にできた渦を見える化しました。

さらに足に働く流体からの力を計測しており、力と渦との関係を調べました。

 

その結果、けり下ろし中に最もスイマーは加速するのですが、足を上下に振るという単純な膝の曲げ伸ばしだけではなく、実は足のひねりが加わった複雑な動きで足の表と裏に圧力差を生じさせ、周りの流体に渦を作って進んでいることが分かりました。

 

近い将来、スイマーの渦の作り方を評価できるようになり、キックしているけど進まないのは実は渦の作り方が非効率的だった、ということが分かるかもしれません。

 

発表後は色々な先生から英語で質問を受け、うまく答えることができず英語の必要性を強く感じ、一方で多くの研究者に興味を持ってもらえたことを嬉しく思いました。

 

 

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下門先生の専門はスポーツバイオメカニクス、運動疫学です。

また、栄養士、健康運動指導士、水泳コーチといった資格も保持し、大学では健康運動指導士、健康運動実践指導者関連の授業も受け持っています。

 

「どうすれば速く泳げるようになるの?」「どんな泳ぎ方がいいの?」とったように泳ぎ方に疑問を抱く人、「健康のためにはどんな運動がいいの?」「どれだけ運動をすれば健康の維持、増進につながるの?」といった健康の維持、増進に関わる運動の仕方に興味関心のある人は、ぜひ、下門先生に聞いてみてください。

 

博識な下門先生から、水泳のこと、健康運動のこと、その他いろんなことを聞くことができますよ!!

 

 

下門洋文先生のプロフィール

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/teacher/shimojo.html

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

 

 

 

2018年11月 6日 (火)

国際学会への参加!! ~下山好充先生の巻~

 

 

今週、国際学会での発表を続けて掲載していきます。

 

先陣を切るのは下山好充先生です。

以下、下山先生からの報告です。

 

 

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2018年9月17日~21日、4年に1度開催される水泳の国際学会が筑波大学にて行われました。

 

 

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下山好充先生

 

 

この学会に私は1998年から5回連続で参加しており、この学会に参加し続けていることで他の国々の水泳研究者と知り合いができました。

また、今回はコーチングのセッションで、座長とポスター発表(ショートプレゼン含む)をさせていただきました。

 

私自身、国際学会での座長は初めてで、緊張もありましたが、直前の発表キャンセルというトラブルにもどうにか対処でき、無事役目をこなすことができました。

 

 

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 座長を務めた様子

 

 

 

ポスター発表では、水泳中、呼吸制限しながらトレーニングすること(ハイポキシックトレーニング)が身体にどのような影響を与えるのかについて調べたことを発表しました。

 

 

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呼吸を制限した場合、制限しなかった場合と比べ、全身の代謝特性にはほとんど影響はなかったのですが、活動筋の代謝特性に影響を及ぼしていることがわかりました。

さらに研究を進めて、ハイポキシックトレーニングについての効果を検証していきたいと思います。

 

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以下の記事でもお伝えしましたが、下山先生は新潟医療福祉大学水泳部を躍進させている立役者です。

SHAIN プロジェクト キックオフ・シンポジウム 健康スポーツ学科のシンポジスト紹介

(クリック)

 

日々、コーチング現場に身を置き、選手の競技力向上を図っています。

研究と現場は切り離されるものではなく、現場から問題点を抽出し、それを研究によって改善、解決を図り、再度現場に還元する。

 

下山先生は研究と現場の懸け橋となっている先生です。

本学の水泳部の躍進の裏側には、研究しながらコーチング力を高めるという取り組みがあるのです。

 

研究も指導も、「なぜ?」「どうすれば?」といった疑問からスタートし、それを追究することになります。

 

物事を深く探究することは、研究も指導も同じです。

 

水泳、コーチングに興味関心のある人は、ぜひ下山先生の研究室へ訪れて、深い話を聞いてください!!

 

 

 

新潟医療福祉大学水泳部ブログ

http://nuhw.blog-niigata.net/swim/

 

 

新潟医療福祉大学水泳部(強化クラブ特集)

https://www.nuhw.ac.jp/sport/swimming/

 

 

健康スポーツ学科

https://www.nuhw.ac.jp/faculty/health/hs/

2018年11月 1日 (木)

ダンス領域指導実習:「ちびっこハッピー☆ダンス教室」開始!

今年も始まりました、「ちびっこハッピー☆ダンス教室」

これは今年で7年目の開催となります。

このダンス教室の特徴は、教室での練習を積み重ねた最後には、3月に「ダンス部自主公演」のステージにて子どもたちだけでダンス演目を踊る、という目標があることです!

衣装を身に付け照明を浴び、人前でダンスを踊るという体験は、子ども達にとっても「自信」となり、かけがえのない思い出になると思います。

このダンス教室の初年度は
「ダンス指導に興味がある」「ボランティアがしたい」「子どもと接したい」
そんな学内の一般学生と共に始まっていたこの教室ですが、指導内容の変化と共に、
ここ数年ではダンス部が中心となって全体的な活動を担っていました。

そして更に進化し今年は初の試みとして!
健康スポーツ学科スポーツ教育コースに所属し「ダンス領域指導実習」を受講する学生たちが教室の前半期(10月~12月、隔週土曜)を実習としてダンス指導を担うことになりました。
※後半期は昨年同様、ダンス部が指導。


スポーツ教育コースに所属する彼らは専門種目が陸上、野球、といった様々なバックボーンを持っています!
ダンスのプロではないものの、指導法について様々な視点から知識や実践を積んで経験を積んでいる最中の学生たちです。

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どのような活動の流れにするか、彼らなりに準備を積み…迎えた第一回目!

今回指導側として教室参加にあたったのは健康スポーツ学科3年の5名、
三原瑞佳、畠山章吾、松田雄樹、福井環貴、田村理沙。

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始めは手遊びや身体をつかった遊びから入り、ジャンケン入りジェンカを楽しみ、円形の親子リズム遊びやストレッチ、リズムダンスへと入っていきました。

初めは子ども達との距離感に戸惑いもあった学生たちですが、
教室開始前の「だるまさんが〇〇した」の遊びでリラックスし始め、実際の指導が始まると落ち着いた話しぶりと笑顔、必死に伝えようと誠実な姿と指導者役として学生自身が楽しむ姿が印象的でした。

練習の模擬の時とは見違えるほどの堂々した指導に、保護者の方々も時折うなづいたり微笑んだりして見守って下さいました。

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最後に、初回教室の指導役を務めたうちの2名からのコメントです。

畠山章吾(健康スポーツ学科3年)

「私は教育コースに所属しています。指導者になる事を目指して指導について学び実践を積んでいます。
今回は子どもたちの運動教室ということで、私にとっては初めての経験をさせて頂きました。

特に小学校入学前の子どもが多く、また、今年は例年とは違って私たちスポ教の学生が【前半期】は主体となり開催させて頂きました。

今回が今年1回目の教室ということもあり、子ども達はもちろんですが私たち学生にとっても緊張感があり少々ぎこちなさが残るスタートとなったように感じています。

そんな中子どもたちの中には何度も参加してくれている子も多く、教室では明るく元気にリズム遊びやダンスをしている姿が見られた場面も印象に残った様に感じます。

これからのダンス教室がより楽しいものになるように、学生一同一生懸命に取り組んで行きたいと思います!」

■三原瑞佳(健康スポーツ学科3年)

「今回、ちびっ子ダンス教室に初めて参加させていただきました。
子供たちにダンスを指導することは初めてで、子供たちの雰囲気はどんなのだろう、この教材はあっているのか、上手く指導できるのか、など不安でした。

実際に指導してみて率直な感想はとても楽しかったということと、想像以上に難しいということです。どういう言葉で伝えたら理解してもらえるのか、楽しんでもらえるのか、子供たちの反応をみながら対話しながら指導することは、まだ、私自身にとって余裕と経験が少なく学ぶことがたくさんでした。

次回も子供たちに楽しんでもらえるように精一杯頑張りたいとおもいます。」


実習は今後も続きます。

今回の反省や課題を反映して次に生かしつつ、彼らがこの経験を糧に成長していくことを願っています!!