« 2020年5月 | メイン | 2020年7月 »

2020年6月

2020年6月26日 (金)

学外実習について

健康栄養学科教員の川上ですsnail

 今日はいつもと趣向を変えて、当科で開講している学外実習についてお話ししますsign01


 学外実習(またの名を臨地実習)は、病院や保健所、給食センター等で実施される実習です。学生は各施設に数週間出向き、現場で働く管理栄養士の業務について学びます。

当科では、以下のような学外実習科目が開講されています。それぞれごく簡単に紹介します。

基礎臨地実習(1年生の必修科目。実施期間は1週間)
 病院と福祉施設で働く管理栄養士の活動と共に、専門職としての心構えについて学びます。

臨床栄養学実習Ⅲ(3年生の必修科目。実施期間は3週間)
 病院での業務について学びます。多職種連携から成るチーム医療における、管理栄養士の役割を理解します。

公衆栄養学実習Ⅱ(3年生の必修科目。実施期間は1週間)
 保健所や市町村に勤務する管理栄養士の業務について学びます。各地域における健康問題を改善するための手法等を理解しますdownwardleft2_2

給食経営管理実習Ⅲ(3年生の必修科目。実施期間は1週間)
 給食センターや企業等の給食施設における業務を学びます。食材管理や衛生管理のみならず、給食経営等についても学びますdownwardleftPhoto_2

介護栄養学実習(3年生の必修科目。実施期間は2週間)
 老人福祉施設や障害者福祉施設での管理栄養士業務について学び、利用者様の介護度に合わせた食事提供等について理解します。

応用臨地実習(4年生の選択科目。実施期間は2週間)
 上記の学外実習で学んだ知識・技術を基に、実際の業務で実践するための応用力修得を目指します。

教育実習(4年生で、栄養教諭一種免許取得希望者の必修科目。実施期間は2週間)
 小学校または中学校にて、栄養教諭の指導の下で、児童・生徒にして食に関する授業等を実施します。

以上が当科の学外実習科目になります。

国の定めた基準では、これら実習にかける時間が最低でも合計4週間と決められていますが、当科では選択科目も含めると合計12週間にもなりますsign01

他の管理栄養士養成校と比べても、おそらく日本で一番学外実習期間が長いと思われます。だからこそ、一番実践力が身につくはずです。

これから学外実習を履修する在学生も、未来の新入生も、この実習を通じて管理栄養士としての実践力を獲得してくださいsign03

2020年6月19日 (金)

スポーツ栄養に関する授業のご紹介

皆さん、こんにちはsign01 栄養学を担当しています教員の稲葉洋美ですhappy01

新潟に来て6年目を迎えました。以前は関東で箱根駅伝に出場している選手や大学スポーツ選手の栄養サポートをしていました。新潟医療福祉大学に来てからは、近隣の小学生、高校生、大学生の栄養サポートを行っています。

 中学・高校時代に運動部に所属していたり、マネージャーとして活躍していた方の中には将来スポーツ現場の栄養サポートがしたいと思っている方も少なくないと思います。

そこで、今回は、スポーツに関係する授業内容を一部ご紹介したいと思います。

 スポーツ栄養に関して取り上げる授業は3年前期に配置されている「栄養学Ⅳ」という授業です。

生化学、運動生理学、栄養学、調理実習など一通り基礎を学んだあとに配置されています。授業毎にあるいは班ごとにテーマを設定して設定されたテーマの選手に対してどの様な栄養サポートを行うかを班ごとに発表してもらいます。

例えば、ミニバスをしているお子さんがいる保護者向けのお弁当教室や一人暮らしの大学生に向けた簡単朝食レシピの作成、夏場の水分補給に関する講座などです。

 大学生は、普段、栄養指導のツールとしてパワーポイント資料を用いることが多いのですが、体育館での栄養サポートやグランドでのサポートを想定してパンフレットを作成したりホワイトボードを活用したサポートを考えたり、食事調査をしたりと様々です。

 写真は、パワーポイントを用いた栄養指導を想定した際に実際に3年生が作成した資料の抜粋ですcameradownwardleftPhoto

Photo_2 各班の栄養サポート内容を聞いて、他の班は自分の抽斗になかった新たなサポート方法や話し方や選手への接し方を学びます。

授業では4~5人で1テーマに取り組みますが、社会人になり実際に栄養サポートを行うことになったら全てを1人で行うことになります。多くの授業で学ぶ知識・技術を総動員して将来1人で栄養サポートが出来るようになるための基礎をしっかりと学ぶ授業ですsign01

 スポーツ現場で栄養サポートを行う仕事に就くことは簡単ではありません。しかし、スポーツ栄養に興味がある方は強い気持ちをもって夢に向けて歩みを進めて欲しいと願っていますsign03

2020年6月12日 (金)

ロシア極東医科大学 短期留学のブログ-1

こんにちはsign01

栄養学を担当しています稲葉ですhappy01

ロシアハバロフスク市にあり本学と国際交流協定(MOU)を結んでいる極東医科大学へ短期留学して来ましたので、真冬のロシアの様子をご紹介しますsign01

滞在中は最高気温2度最低気温-12度でしたwobblysnow

外は寒いのですが風が新潟医療福祉大学周辺ほど強くないこともあり覚悟していたほどは寒く感じませんでした。

また、屋内は全館暖房がきいているのでTシャツ1枚でも大丈夫なほど暖かかったですcoldsweats01。お世話になったマリーナ先生は毎日ダウンジャケットの下は半袖で驚きました。

写真をお楽しみくださいsign01

①レーニン広場から臨む極東医科大学Photo

②大学ホールにはコートを預けるクロークがあり、学生はここで白衣に着替えています。Photo_2

③ハバロフスク市の街の人々Photo_3

④夜の美しいムラビヨフ・アムールスキー通りPhoto_4

⑤凍ったアムール川・・・本当は歩いてみたかったhappy02のですが、氷が薄いところもあるとのことで断念しました。Photo_5

⑥真冬の結婚式・・・ロシアでは真冬でも外で記念撮影するそうですsign01Photo_6

⑦ロシアの人々は氷点下でも赤ちゃんを連れてお散歩に出ます。Photo_7
⑧氷点下の公園で遊ぶ子ども達・・・週末にお世話になっていた先生が公園に行こうと連れて行ってくださいました。真冬でも凍った公園にお散歩に行くそうですsnowPhoto_8

⑨街のシンボル的なロシア正教の荘厳で美しいウスペンスキー協会です。Photo_9

次回は、短期留学時の大学の様子などご紹介しますsign03

2020年6月 8日 (月)

卒業生活躍紹介~「生きる力」を身に付ける、休校中の中学生が家族に作る料理~

皆さんこんにちはhappy01

 

卒業生でかつ現在本学大学院生の齊藤公二さんが働く中学校では、

休校中の今だからこそできることとして

cute生徒が家族のために料理を作るcute取り組みをしましたsign03

そして齊藤さんは中学校のHPで約100品ものレシピを紹介していますsign03happy01

この取り組みは、5/24の新潟日報、6/1NHK新潟ニュースでも取り上げられましたflair

 

下記に少しご紹介したいと思いますshine

 

コロナウイルスの影響で3月~5月にかけて中学校が休校となりましたが、

齊藤さんは、中学校、家庭科教諭と連携し、

生徒が休校中にできる取り組みを検討しましたflair  

Challenge for a smile

笑顔のために 今 私たちにできること

 と題して、

「生きる力」を身に付けることを目的に、

1人ひとりが自分と家族のため1日1食、料理を作る取り組みをしましたheart04

 

料理をした後には、

いつも料理を作ってくれる家族への感謝のメッセージや、

作った感想、食べてもらった感想をワークシートに記入しますpencil

  

そして齊藤さんは、休校期間中、生徒が様々な料理を作れるよう、

中学校のホームページで「家にある食材」、「1時間程度で作れる」

レシピを約100品紹介していますriceballrestaurantshine

前半の14回は企業と連携した災害時をイメージしたレシピ、

後半の54回は学校給食のレシピですsign01

レシピ紹介の最後には、栄養に関する情報、片付けをしっかりすることや、

火の元を確認することなど、最後まで齊藤さんからのメッセージが込められていますclover

  

齊藤さんは、

当校では昨年から、「生きる力の育成」を「災害時・緊急時」という場面を設定し、自己管理能力はもちろん、他者を思う力助ける力を育む食育の推進をしています。生徒はこれまで「災害時・緊急時に頼りになるのは中学生」「中学生は周りの人を笑顔にできる」ということを学んできました。そんな中、新型コロナウイルスによる長期休校となり、部活もできず、家から出られない。時間に余裕のある中学生が、できることは何か。これまでの学びをいかすチャンスととらえ、急ではありましたが、今回の取組に至りました。

 とお話しされています。

  

そして、生徒が料理し、学校へ提出された料理の写真は、

HPで順々に紹介されていますsign03

HPの更新は一段落し、6月中はレシピの公開を続けているそうですflair

  

齊藤さんはこの取り組みを通して、感じたことを以下のように話していますconfident

はじめの長期休校の際は、「作りたい人はぜひ作ってください」としましたが、350名中5名ほどしか提出してきませんでした。そのため、2回目の長期休校の際に、家庭科教諭に頼み、全校の宿題にしようと進めました。すると、1人で10回以上料理をする生徒がいるなど、私たちが少し背中を押しただけで、勝手に生徒の生きる力が高まる様子が見られました。その裏には保護者からの「ありがとう」や「おいしかったよ」という感謝の気持ちがあります。この経験により生徒は、家族とのコミュニケーションが図れたことはもちろん、家族に対する感謝の気持ちを育むことができました。児童・生徒の自己管理の能力の育成は変わることがない目標です。だからこそ、機を逃さず、既存の計画にとらわれず、今だからできることを探して進めていくことが大切であると実感しています。

 

 

人はどんな状況でも食事を食べなくては生きていけませんsign01

自身のためでもありますが、家族や他の誰かのためにレシピを考え、

食事を作り、提供するという行為は、提供者の人生の時間の一部を削って成されるものですflair

中学生たちが、「家族のために」と、

食べる人の顔を浮かべながら時間を使って料理を作り、感謝の言葉をもらい、

その中で、「生きる力」、「他者を思う力」を育めた点で、

今回の取り組みは大変価値があるものと思いますhappy01sign03

  

~~~齊藤公二さんの紹介~~~

新潟市立光晴中学校 栄養教諭

(新潟医療福祉大学健康栄養学科1期卒業生、現在新潟医療福祉大学大学院修士課程在籍)

齊藤公二さんは仕事をしながら、新潟医療福祉大学大学院にも在籍し、

栄養教育に関する研究を進めています!

写真はベトナムでの活動の様子ですshine

また、公認スポーツ栄養士の資格も持っており、幅広く活躍されています!

~~~~~~~~~~~~~~~~

Dsc09060

Dsc09040

 
 

2020年6月 5日 (金)

行政栄養士の仕事って何だろう?? Part2

皆さん、こんにちはsign01

教員の鈴木ですhappy01

今回も、先週に引き続き、学生と一緒に関わった行政との連携事業と、関連した行政栄養士の仕事を紹介しますsign01

cute2 新潟県三条地域振興局健康福祉環境部(三条保健所)cute

働く世代の健康づくりを食生活面から支援するために、三条地域振興局健康福祉環境部が実施する「昼食サラメシ充実事業」に当学科の4年生2人と3年生3人と一緒に参加しました。

働く世代が満足できるヘルシー弁当レシピと健康メモを学生が考案し、お弁当業者の方が地元で販売しましたdelicious

4_3 6_2 学生が地域の方々と連携しながら考案したレシピを、住民の健康づくりや食育に生かそうとする取り組みです。

またその取組を弁当業者、栄養士会、市町村等の地域関係者が参加する会議の中で事例報告しましたsign03

5
特に今、行政では、若い世代の朝食欠食、男性の肥満や女性のやせ等の健康問題が、将来の生活習慣病や要介護状態につながるのではないかと危惧しています。

そのため、若い世代(=今回は学生)から当事者意識をもってもらいたい、またその視点を行政の施策にも生かしたいという強い思いが今回の企画につながっているのですsign01

以上、今回紹介した事業はいずれも行政栄養士が関わっていますが、どのようなイメージを持ちましたか?

つまり、行政栄養士は、個人の栄養指導ももちろんしますが、地域全体を対象に、健康課題を予防するため、地域関係者(大学含む)と協働して、必要な仕組みや環境をつくること(施策づくり)が主要な仕事です。

少し難しかったでしょうか? それでも、うれしいことに今年、卒業生2人が県内で行政栄養士として勤務することになりましたhappy01sign01

その2人に大いにエールを送るとともに、皆さんにも地域でこうした機会があれば是非参加して欲しいと思いますsign03

健康栄養学科 詳細リンク